ねえ ひとつ | 江口昌記の 月のうさぎ

ねえ ひとつ


強がっているんだね
それだけで
涙がでます

向かい風が強いから
色を染めたキミの頬が
ちぎれそうなシルエットに映えます

街に吹くのは
云いたくない紅い夕焼け
それがキミのポケットの中のすべて

わかったときには
くやしさがあふれて
電車から遠のく影に顔をそむけます


ねえ ひとつ


探しにいこうか
月をひとつと

叶えてあげたい
夢路の果てを






ねえ ひとつ

Clown / Visual Images provided by Alyssa L. Miller

 



0452015