昨日は、連休明けでした。
私の新車であるグリーンのママチャリに乗って、
朝からレッスン直前までもろもろ用事を片づけに行きました。
途中、陸橋を越えていかねばならない場所があり、
トシを考えず、しかも絶対立ちこぎをしないという、
おかしな自分ルールで、ペダルに渾身の力を込めつつ、
一気に陸橋を渡りました。
さすがに新車。
以前乗っていた、子供用椅子付きのより運転が楽です。
…ええ、とはいえ息は上がったままでしたが、そこは演技でカバー。
ここで「疲れた」顔をしては、いけません。
渡りきった感に浸って、大満足。
（…一体何のルールなんだか。…ヘンなおばさんです。）
埼玉はほとんど平地で、自転車で走りやすいです。
だから、この時々渡る陸橋に挑んでそして成功した時、
何とも言えない達成感があるのです。
…などと、前置きが長いですが…。
ちょこっと前に「読書の秋」宣言をしてから、何冊か本を読了しました。
レッスンも無事に楽しく終了し、家事諸々を片づけ、
最近ハマっている読書に興じていました。
自分の興味のあるものだったら、こんなに読めるんだ～と
なんだか嬉しいこの頃です。
ただ、昨日は連日の疲れからか寝落ちして～からの、
この時間のブログですので、昨日は読んでません。
が、数日前に読み終えた本がこちら。
もうね、『今のピアノでショパンは弾けない』に続いての
高木さんのこの御著書。
ピアノの構造を知り尽くし、コンサートへスタインウェイを持ち込んで
演奏できる環境を作った偉業にも感動。
さらに、コンサートチューナーとしての経験と実績。
何より、そのお考えに私は大きくうなずいたのです。
高木さんは、身体障害や発達障害、知的障害を持つ子供たちに
「生で本物の美しい演奏を聴かせたい。」
との思いを強くお持ちです。
そして、一流の演奏家とともにスタインウェイを特別支援学校に
持って行き、子供たちにピアノを思う存分触らせ、
本来だったらコンサートには非常に条件の悪い環境の中で
（＝体育館等）、出張コンサートをされているのです。
そのくだりを読んで、私は…本当に何年ぶりかで本気で泣きました。
私はめったに泣かないのですが（←なぜか）、
気持ちがとめどもなくあふれて、涙が止まらなかったのです。
高木さんは、普段演奏会に来られない障害を持つ子供たちへの
理解を高めたいと常に考えてライフワークにされていると。
周りの迷惑になるから。
楽しい、嬉しい気持ちを、
その場で即表現したくなるのを止められないから。
それは一般の人には、
奇声と受け止められ、奇行だと眉をひそめられる。
…だから、障害児の親たちは演奏会に連れて行ってやりたい、
という気持ちを最初からあきらめていることが多いです。
ならば、こちらから出前コンサートをしよう！と実践されている。
「本物の音を届けたい」と。
そして障害を抱える子供たちが、
美しい演奏を心から楽しむ様子を見て、
「全身で喜びを表現してくれて、本当に感激しました。」
「…障害を持つ子供たちから、逆に元気をもらいます。
彼らから学ぶことは本当にたくさんあります。」
そうおっしゃいます。
自然にそのように言える方って、めったにいません。
障害児を抱える親の立場からも、
障害を持つお子さんたちのレッスンをさせていただいている
指導者の立場からも、このお言葉とお気持ちは本当にありがたいです。
私自身のことでは、私は泣きません。
でも、子供たちのことを真剣に考えて下さる人のお心に
思いもよらない場面で触れることができたとき、
私は無条件に泣けてしまうのです。
フリーのコンサートチューナーとして、
タカギクラヴィアの社長さんとして、
ご苦労も並々ならぬものがあるでしょう。
その道の第一線で、しかも一流のアーテイストたちとの
真剣勝負を日々されている中、その立ち位置にとどまり、
技術や伝統を守っていくだけでなく、より多方面に、
より多くの人々に、分け隔てなく『本物の音』を届けたいと願うお姿。
一流の志を持った方は、枠にとらわれない柔軟な心を
お持ちなのだな、と改めて感動したのでした。
しあわせなら 手をたたこう
しあわせなら 手をたたこう
しあわせなら 態度でしめそうよ
ほら みんなで 手をたたこう
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