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木嶋佳苗の拘置所日記


2014年02月23日

プリンター

私はまだ、このブログがどのような画面表示になっているのか確認していない。もう1月下旬である。
ブログの管理をしているおじさまは、久米宏さん同様、自宅にプリンターを持っていないのだ。私もプリンタを持っていなかったから、そのことを特に不思議だとは思わない。しかし、私の支援をする以上、必要だから早急にプリンターを買って、ブログを印刷して送って下さいと頼んだ。
おじさまは、すぐに有楽町の家電量販店に向かってくれた。途中で丸の内のゴルフショップに入ったら、あるドライバーが目に入り、それを買い、帰って来たという。
そのドライバーが、いかに素晴らしいかの説明が、便箋1枚延々と続く手紙が届いた。「と言うことで、プリンターを買うのを忘れてしまった。スマン」と。この人、衣類を頼むと日本橋高島屋に行き、本を頼むと丸善に行く。ネットショッピングをしないらしい。
子供の頃からゴルフを習い、大学はゴルフ部で、今もしょっちゅうゴルフをする男性は昔から好きですが、お願いですからプリンター買って。
最近の私たちの会話って、ゴルフのことばかりじゃないですか。私も昔を思い出して、掃除用のホウキで素振りをしちゃったりする今日この頃ですが。切実です。プリンター買って。
私はどうも、男の人に怒りを感じない性質の持ち主でして、こういう擦れ違いや通じなさが、たまらなく面白いんです。
男性に対して苛立ちを感じないから、全てを許してしまう。基本的に、全て受け入れて断らない。
生理的に無理、という初体験が婚活で知り合った男性たちだったわけです。彼らは「スマン」の美学を知らない人たちだった。武装戦線対E.M.O.Dの抗争で、昇がやられる直前に「すまん・・・宗春・・・」という一言にジーンとくる私には、物足りない人たちだった。私は鈴蘭の体育館でやった、入場料御一人様千円の花対九里虎の対決読んで、何だか知らないけれど、涙が止まらなくなってきた。私のメンタリティは、少年なのかもしれないな。
そう言えば、おじさまと初対面した翌日の手紙に、何やら色々褒め言葉が綴られ、最後に「意外だった。スマン」と書いてあったなあ。あの「スマン」もぐっときました。
おじさまはプリンターの代わりに買ったニュードライバーを打って、「飛ぶね~でも左に行く」と言ってます。ビギナーなら右に行っちゃうフェイスが開いてるドライバーを真っ直ぐ打てるのは上級者だと思いますが、左に行っちゃうクラブは18番でOBするから鬼門なのでは・・・と考えつつ、そんなことよりプリンターを買って、と懇願する日々。
私がお説教モードになる、彼らはなぜか私の話を覚えていません。おじさましかり、出版社の彼らしかり。叱りじゃなくて然りの方ですよ。これはどういうことでしょう。私はもっと強く怒るべきなのか。
私は、怒りを原動力に生きている人間が嫌なんです。その代表格がフェミニストだと思う。フェミニストって、男性に憎悪や侮蔑感を持って、女であることを女同士で語り合うのが大好きでしょ。私はそれに寒気がする。
私がフェミニズムに嫌悪感を持ったのは、社会学者の上野千鶴子さんを知ってから、1983年、私は小学校3年生でした。中学2年で小倉千加子さんを知り、私のフェミニズムに対する思いは変わらなかったけれど、心理学にはまりました。同性愛についても学びました。このことは、いずれ改めて書くつもりです。
今は、おじさまがゴルフショップに寄り道せず、プリンター買いに行ってくれることを祈るばかり。
2014年1月26日記