67期司法修習予定者の皆さんへ ~ 貸与制とは何か~ | 明日の法曹を育てよう!! ~司法修習生給費制維持活動ブログ~

67期司法修習予定者の皆さんへ ~ 貸与制とは何か~

おしさしぶりです、給費制維持活動弁護士です。
はりきっております。

67期司法修習予定者の皆さん、こんにちは。
司法試験に合格し、期待に胸をふくらませ、あるいは、不安に胸を痛めながら過ごしておられるのではないでしょうか。
法曹業界については、新人弁護士の就職難等、昨今あまり良い話を聞かないので、不安の気持ちの方が強いのではないでしょうか。

そこで気になるのが貸与制です。
皆さんは、その制度の内容についてちゃんと理解されていますか。

最高裁のサイトを丁寧に読めば見ればわかりますが、以下では例年にならい、司法修習集費用が給費から貸与制に移行したことで生じる不利益や負担について私が考える限りでレクチャーすることにいたします。

なお、制度の内容についての記載が正確ではない場合には適宜修正したいと思いますので、
コメント欄でご指摘くださると助かります。


■貸与制の概要について

まず、貸与制の概要についての説明は、裁判所のHPに掲載されています。
こちらをご覧ください。
http://www.courts.go.jp/saikosai/sihokensyujo/taiyo/index.html

■司法修習生はバイトできません。

今では少ないと思いますが、かつては「貸与制になったらバイトすればええやん」という修習予定者が時々いました。
しかし、司法修習生は修習専念義務が課されており、兼業が禁止されているため、バイトはできません。
この専念義務は裁判所法第67条第2項に明記されています。

なお、兼職禁止については既に緩和されています。
また、兼業禁止についても今年の法曹養成制度検討会議において、可能な限り67期の修習生から義務の緩和をするようにとの意見が出されています。
具体的には「司法修習生が休日等を用いて行う法科大学院における学生指導を始めとする教育活動により収入を得ることを認めることとする」という形での緩和が考えられています。
ただ、まだ実際に兼業禁止が緩和されたという情報には触れていません。

しかし、そもそも修習に専念しながら兼業するヒマはないでしょう。
それにローがない地域(あるいはあっても潰れた地域)だってたくさんありますから、ローでのバイトができない修習生は多くいます。
法曹養成制度検討会議のとりまとめでは、さらなる兼業禁止義務の緩和に言及されていましたが、裁判所や検察庁に出入する修習生には高度の公平性、中立性が担保されなければなりません。
兼業禁止義務の緩和には大きな問題を伴うでしょう。

結局のところ、緩和されたとしても、事実上、司法修習生は兼業禁止となり、1年間の間収入の機会を奪わることになるわけです。
その経済的補償として、貸与制が採用されているということなのですが、なぜ貸与制で経済的な補償が十分なのか、よくわかりません。
兼業禁止による収入の機会逸失の補償は、基本的に給費でなければできないのでは?と思うのですが・・・。

■司法修習生は貸与制では無収入として扱われます。

貸与金はあくまで貸付です。
収入ではありません。

ですから、司法修習生は、マンションを借りるときも、クレジットカードに加入するときでも、申込書や契約書には、自分の収入を「0円」と記載しなければなりません。
逆に、ここで「収入がある」と書いてしまうと、司法修習生としては、禁止されている兼業で収入を得ていることになります。
本当に兼業していたら、罷免されるおそれもありますので、注意しましょう。

無収入であれば、クレジットカードの申込み時の審査で弾かれてしまうかもしれません。
まだ加入していない人で、クレジットカードを使用したい人は、バイトで収入がある今のうちに加入しておきましょう。

また、マンションを借りる場合でも、資力の関係で、物件が見つからなかったり、見つかってもかなり限られた物件となったりしてしまうおそれがあります。
マンションを探す時は、業者に対して、司法研修所のHPの貸与制の説明の記述を印刷して示し、司法修習生には貸与金が支払われ、かつ、その返還はマンション退去後になるということを説明した上で、「無収入でも賃料を支払うことができるので大丈夫だ。」と説明しなければならないこともあるでしょう。
あるいは、過年度の貸与制下の修習生が苦労して入居することができたマンションを前年、前々年の司法修習生に連絡して探し、その物件の後釜に入るようするという方法もありますね。

■貸与制では司法修習生に手当は出ません。

貸与金は給与ではないため、給与を前提とした諸手当は出ません。
住居手当も、通勤手当も、大都市手当も、寒冷地手当も、何も出ません。
出るのは、修習に必要な出張等の旅費だけです(配属地への移動の旅費については後述)。

通勤手当が出ないのは、結構きついです。
裁判所から自転車で通えるところにマンションを借りれればいいのですが、地方裁判所はその地方でも割といい場所にあります。
ですので、その近くのマンションも結構賃料はかかります。

■貸与制では修習費用は自己負担です。

修習費用を貸与金から払うということは、要するに、修習費用は自己負担であるということです。

司法修習生の配属地は、希望通りになるとは限りません。
就職活動の利便性から基本的に大都市部に希望が集中し、その希望が通らなかった人は応募が少なく枠の残る地方庁に配属されます。

今まで住んでいた土地から通えない地裁に配属された場合の、引っ越し費用については65期、66期は自己負担でした。
例えば、大阪から、釧路地裁に配属される場合でもそうです。
但し、法曹養成制度検討会議のとりまとめでは、「分野別実務修習の開始に当たり現居住地から実務修習地への転居を要する者本人について,旅費法に準じて移転料を支給する(実務修習地に関する希望の有無を問わない。)。」とされていますので、67期からは幾ばくかのお金が支給される可能性があります。
ただし、配属地から元いた土地に戻るお金は支給はされないみたいです。

修習中、修習に必要な出張等の旅費だけは、所定の基準で出ます。
きちんと手続を把握し、請求できるものはこまめに請求するようにしましょう。

他の費用は全て自己負担です。
寒冷地に1年だけ配属される場合に、耐寒コート、雪用のブーツ等の寒冷地用の服を買う費用も自己負担です。
今まで実家から通っていた場合に、賃貸マンション暮らしを余儀なくされても、その権利金や賃料も自己負担です。
また、上述のとおり、無収入でマンションを借りるのは困難を伴う可能性が高く、修習開始前にマンションを探すべく、交通費をかけて何度もマンション探しに配属地まで行かなければならないケースもあるようです。
その場合の毎回の交通費はもちろん自己負担です。
あと、実務庁での起案はパソコンで行われますが、パソコンは貸与されないので、ノートパソコンが必要です。
デスクトップしか持っていない人は新たにノートパソコンを購入しなければなりませんが、その購入費用も当然自己負担です。  

お金の点を除けば、実際は住めば都ということも多いのですが、自ら望んで行ったわけでもない地方にいくためだけに、年間の賃料等も含めて100万円くらいかかるケースもあるようです。
ビギナーズネットのブログに過去の一例が載っていたので掲載します。
http://beginners-net.jugem.jp/?eid=256

元々下宿していた人でも初期費用だけで30万円前後かかるようですが、自宅通いだった人が下宿になると初期費用はもっと増えるでしょうね。
ノートパソコン、家具、諸々の費用を加えると50万円を超えるキャッシュが必要な場合もあるでしょう。
家具の購入費用や移動の費用を考慮し家具付きのマンスリーマンションを借りるケースは割とあるようです。

貸与制では、以上のような修習によって生じる費用は、全て自己負担となるということです。

なお、地方の修習生が就活のため都市部にいくための交通費もかかります。
その資金繰りも念頭においておかなければなりません。

■貸与制では、国民健康保険・国民年金が基本です。

司法修習生は、給与は支給されないことになるため、裁判所の共済組合への加入資格はなく、社会保険は、国民健康保険・国民年金になります。

なお、健康保険については、家族が加入している保険制度(企業の健康保険組合等)の被扶養者となっている者については、修習資金の貸与を受けることにより、採用後、「被扶養者」としての認定が取り消され、国民健康保険への加入が必要となる可能性があるとのことです。

また、国民保険についても、被用者年金制度(厚生年金等)の被保険者等として第2号被保険者に該当していた者が、採用に伴い企業等を退職した場合には第1号被保険者又は第3号被保険者への変更が必要となり、また、第3号被保険者であって修習資金の貸与を受ける方は、採用後、被扶養者としての認定が取り消され、第1号被保険者への変更が必要となる可能性があるとのことです。

借金暮しなのに「被扶養者」と認められない可能性があるのは不合理ですね。

社会保障の面で給費制が貸与制になることの不利益は重大です。
例えば、持病を持ち、服薬などで定期的に医療費が必要となる司法修習生にとっては、とても酷な事態になると思います。

■貸与申請には連帯保証人が必要です。

一定の資力要件を備えた自然人2名の連帯保証人、又は、貸金業者であるオリエントコーポレーション(オリコ)の機関保証が必要です。
過年度の修習生には、先に社会人になった妹に自然人保証人をお願いせざるをえず、情けない思いをした方もいらっしゃったようです。

保証人を頼める自然人がいない場合は、機関保証をせざるを得ません。
オリコは、債務整理をするときに割とよく出てくる会社名なので、個人的には心理的になんかイヤな感じがします。

なお、機関保証に関する最高裁とオリコとの契約ではオリコは資力についての審査をするということになっています。
ですが、法曹の養成に関するフォーラムでは、最高裁のオブザーバーは、「原則全員機関保証の審査は通る」と説明していました。
過去どうやら審査で弾かれた方はいらっしゃらなかったようですし、今のところ、機関保証を頼んでも貸与金については信用情報には載らないようです。
もし、オリコの機関保証の審査で弾かれたという人がいらっしゃったら、ぜひ教えてください。

あと、過年度と貸与申請をしなかった人はだいたい15%程度いたようです。
その中で貸与申請をしなかった理由として多かったのは、連帯保証をお願いせざるを得ない事態を敬遠したというものでした。
司法修習生も就職難だし、弁護士になってからも法曹人口増で先行きが不透明だし、それを考えればいくら貸与金が無利息でも不安だということでしょう。
それに、法律を学ぶ時には、かなり早い段階で「連帯保証人にはなるな」ということを教わります。
(連帯保証人になってはいけない理由については、マンガ「ナニワ金融道」を読むとよくわかります。)
「お金を借りるくらいなら」あるいは「連帯保証人になるくらいなら」ということで、
両親や親族がなけなしのお金を工面してくれた、ということだったようです。

■貸与金は無利息ですが、機関保証の場合2%ピンハネされます。

貸与金には利息がありません。
そのため、使わなくても、借りれるだけ借りて、預金しておいた方が得です。
ただ、修習中は色々と要り様ですので、ほとんどの人は使い切ることになるでしょうね。

なお、「貸与金申請をしない者はお金持ちだからだ。」ということを言う人がいますが、貸与金は無利息なので、借金や保証のリスクに対して心理的負担を感じない程度のお金持ちなら、借りることができる分だけ目一杯借りておいた方が得です。
むしろ、前述のように、貸与金を申請しない理由としては連帯保証の心理的負担を回避するためである場合が多いようであり、上記の主張は誤りだと思います。

自然人の保証人2名をつけない場合には、オリコに機関保証をしてもらうこともできます。
その場合には貸与額の2%が保証料としてピンハネされますので、借りることができる分だけ借りた方が得である、とは言えません。

■貸与金は申請した方がいいのかどうか

貸与金を申請した方がいいのかどうかについてはケースバイケースですが、結局は以下のような点が考慮の対象となると思います。

将来の返還能力に不安がない人は、貸与金は無利息なので、自然人2名を保証人として申請しておいた方が得だとも考えられます。

将来返還する能力に不安があるが、当面の生活費が工面できる場合は申請しなくても構わないとは言えます。
ちなみに、この点については、配属地がどこになるかによっても、必要となる当面の生活費の額は変わってきます。
貸与金の申請は、配属地が決まってから行っても初月の支給に間に合うよう配慮してもらえるようですので、念頭においといてください。
http://www.courts.go.jp/saikosai/sihokensyujo/taiyo/taiyo_faq1/index.html#q2
あと、大学や法科大学院で奨学金を借りている方は、確かそろそろ返還を始めなければならないはずです。
修習生は給料がないので、可能であれば奨学金の返済を猶予してもらう方がよいでしょう。
しかし猶予できないということになれば、修習貸与金から奨学金を返済しなければならなくなりますので、貸与金の申請は必要となるでしょうね。
ただ、そうすると働く前から「借金でもって借金を返す」という資金繰りになってしまうわけですが・・・。

将来返還する能力に不安があり、かつ、当面の生活費が工面できない場合には、貸与金を申請せざるを得ません。
その場合、万一破産するようなことになってしまえば、連帯保証人に対して保証債務の履行を求められることになりますので、家族を連帯保証人にしておくと大変です。
保証料を取られることを覚悟した上で、オリコに機関保証をしてもらった方がリスクヘッジが可能であるとの考え方もあり、それを薦める人もいます。

なお、返還能力については、弁護士の大増員や不況の継続により、弁護士の所得は若手を減少傾向にあると言われており、貸与金の申込の段階で将来予測を一般的に立てることは困難です。
各年度の統計の母集団にばらつきがあるため信用性に欠けるものの、こういうデータもありますのでご参照ください。
http://nensyu-labo.com/sikaku_bengosi.htm
結局、貸与金の申込みの段階での確かな返還能力の有無の判断要素としては、借金を肩代わりしてくれる人がいるかどうか、ということでしょうね。

あとひとつ、平成24年の裁判所法改正により、経済的困窮を理由に貸与金の返還猶予が可能となりました。
連帯保証人に資力があっても返済猶予の申請をすることができるとされていますので、貸与金の返還不能による保証人への求償リスクは軽減されたとは言えます。
破産までしてしまうと、さすがにダメですが。

私が今、修習予定者であれば、貸与金は借りれるだけ借りておき、機関保証にすると思います。
2%の保証料といっても返還開始まで長期の据置期間がありますのでその負担感は少ないですし、その一方で貸し倒れリスクを親族に負担させたくはないからです。
あと、修習終了後、自然人保証人が死んだり行為能力を失う等保証人としての資格を失った場合は
新たに自然人保証人をたてるか機関保証をうけるかしなければなりませんが、機関保証を新たに受けるときはその時に保証料を一括して支払わなければなりません。
15年後まで保証してくれる人、といってもなかなかいませんし、どうせ機関保証を受ける可能性があるのなら、今からそうしておいてもいいかなぁ、と思うわけです。

いずれにせよ、自然人保証人をとるか、機関保証をとるかは、人によりけりでしょうね。

■貸与金の返還は、修習期間終了後5年間据置、10年間の年賦払いです。

貸与金の返還は10年間の年賦なので、基本貸与月額23万円の場合は年に27万6000円を返還することになりますね。

また、貸与金の返還は、原則修習期間終了から5年後からです。
これは、大学→法科大学院→司法修習をストレートに通過したときでも、31~32歳の頃です。
これは、一般的には、結婚したり、子供をもったりして、お金が要り様となる時期と重なってくる時期です。
また、弁護士としては、海外留学を考えたり、事務所を独立をし、又は、独立したての時期です。
結構厳しいタイミングで支払がスタートすることになりますね。

なお、事務所を独立した場合、弁護士は完全に個人事業主ですので、貸与金の返還は売上金からではなく、経費を控除した利益から支払うことになります。
貸与金の返還するには、返還額の数倍の売上が必要であるということです。

以上は、人生設計の中で、きちんと念頭に置いておく必要があります。

あと、最終の支払時期は、修習期間終了から15年後。
その時は若くても40歳を超えることになります。
両親に保証人になってもらっている場合は、連帯保証人の資力要件を欠くこととなっていないか、あるいは、そもそも親が亡くなってしまい、自然人保証人を欠く事態となっている場合が考えられます。
その場合は、新たに自然人保証人を立てるか、それがいないならオリコの機関保証を利用する必要があります(さもなくば、後述する期限の利益の喪失事由に該当することになります。)。

■貸与金の返還は納付日は毎年7月25日です。

貸与金の返還納付日は毎年7月25日。
10年間の年賦払いなので、基本貸与月額23万円の場合は
27万6000円を毎年7月25日に納付する、ということになるはずです。

雇われ人の場合は、「夏季賞与で払え」ってことですね。

一方、個人事業主となっている弁護士の場合には、この時期は、雇用している事務員やイソ弁の賞与の支払い時期や、色々な税金の支払い時期の後となります。
資金繰りが破綻しないように気をつけましょう。

■貸与金には期限の利益の喪失事由が定められています。

貸与金には、期限の利益の喪失事由が色々とあります。
期限の利益を喪失した場合には、請求による喪失の場合は最高裁判所の請求に基づき、当然に喪失する場合は直ちに、貸与金全額を返還しなければなりません。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.courts.go.jp/saikosai/sihokensyujo/taiyo/taiyo_guide2/index.html

「強制執行を受けたとき」や「破産手続開始の決定又は再生手続開始の決定を受けたとき」などが当然に期限の利益を失う事由とされているのは、基本的には理解できます。

ただ、司法修習を修了することができないことが確定した場合(要するに、二回試験に三振してしまった場合)にも、期限の利益が当然に喪失することには要注意です。
二回試験のプレッシャーは増えますね。

あと、留学や海外での仕事等で「被貸与者が3年を超えて本邦外に居住することが確実となったとき」も、期限の利益が当然に喪失します。
「確実となったとき」が具体的にどういうことなのか、また、途中に一時だけでも日本国内に戻ってきたら上記事由に該当しないことになるのか等については、詳しいことは分かりません。
ただ、いずれにせよ、この事由に該当する場合には、繰り上げ返済をしてからでないと海外に行くことができないという事態も考えられます。
海外にうって出ようとする法曹には明らかに障害となりますが、これでは日本の法律家の国際競争力を失わせることになり、司法制度改革の理念に反しているような気がしてなりません。

■貸与金の返還を延滞した場合の延滞利息は14.5%です。

貸与金の返還を延滞した場合の延滞利息は14.5%と定められています。

■貸与金の返還の猶予・免除について

貸与金の返還猶予については、「被貸与者が災害、傷病その他やむを得ない理由により返還が困難となった場合」のほか、平成24年の裁判所法改正(施行日は平成24年11月3日)により、「修習資金の貸与を受けた者について修習資金を返還することが経済的に困難である事由として最高裁判所の定める事由があるとき」に、返還の期限を猶予することができるとされています。

猶予が認められるのは、以下の場合です。

① 給与所得(俸給,給料,賃金,歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得をいう。)以外の所得を有しない者(以下「給与所得者」という。)については,返還期限前1年間における収入金額(法科大学院における修学のための借入金(配偶者又は3親等内の親族からの借入金を除く。以下「借入金」という。)を当該期間内に返還したときは,その返還額を控除した残額)が300万円以下であること。
② 給与所得者以外の者については,返還期限前1年間における総収入金額(借入金を当該期間内に返還したときは,返還額を控除した残額)から必要経費を控除した額が200万円以下であること。

随分と長くなりましたが、おおむね以上です。

様々な不公平さ、不合理が認められる貸与制ですが、過年度のさまざまな活動により、すこしずつ是正されてきている状況にあります。
ただ、国が修習生に専念義務を課してまで法曹を要請しようとしているのは、司法権の確立のためにそれが必要であるからです。
そこのところを見落とし、「所詮は個人の資格なのだから、自己負担でいいじゃね?」というところに貸与制の基本的な問題があると考えています。

67期の修習予定者の皆さんには、そういった問題意識を持ちながら、修習を過ごしていただきたいと思っています。