練習場で絶好調。各番手、距離も

方向性もコントロールできてきた。

完璧だ! と感じるくらい、調子が

良くても、コースに出ると思わぬ

落とし穴に見舞われ、大たたき。


そんな想定外の痛い経験はありますよね。


これが、ゴルフの難しいところ、面白い

ところじゃないでしょうか?


ショットの調子が良くても、スコアが

伸び悩む。別にびびったり気負ったり

していなくてショットは快心なのに、

コースがそのショットを受け入れて

くれない。そんなこともゴルフでは

ままあります。


それは、状況判断とそれに合う

クラブ選択と攻略ルート、戦略が

できているか否か、そしてその

マネジメントを実践できているかも

スコアメークには必須だからです。


各ホールのレイアウトと当日その時の

気象条件(風雨、湿度、温度など)も

判断材料に加え、攻め方を決める。


こんなマネジメントは、ある程度キャリアを

積んだ方なら、誰でも行っているはずです。


ただ、ゴルフには、目に見えない

罠も待ち構えているケースが

あります。


今回は、その話を少し。


1例として、短い、300ヤード前後の

パー4を取り上げます。


こういう超短いホールには、罠が多い

からです。距離が短い分、難度の

バランスをとるために、他のところで

難度を上げる意図があるためです。


具体的に言いますと、グリーン周りや

グリーン手前50ヤードまでのエリアに

トラップが仕掛けられていることが

多いようです。


この辺りは、ドライバーの

落ち場所になるからでもあり、ここより

ティグランド寄りですと、1発で

越せるため、トラップの意味をなさない

事情も考えてあるためでしょう。


例えば、グリーン手前40~50ヤード

くらいのバンカーの配置。


この距離って

アマチュアにはとても難しいですよね。


砂をとってエクスプロージョンするには

距離があり過ぎるし、砂を薄くとると

トップしたり、大オーバーし、奥の

がけ下やOBゾーンに入ってしまったりと

危険です。


また、フェアウェイを狭くしたり、

グリーンの傾斜をきつくしたり、

奥へ転がりやすく下り傾斜にしたり、

フェアウェイの傾斜を複雑(複合ライなど)

にしたりなどなど、ちょっと意地悪い

罠が仕掛けられています。


でも、これというのも、ただ意地悪するのが

目的ではなく、難易度のバランスをとりつつ、

プレーヤーの状況判断と技量を試す

1ケースだと考えれば、納得がいくと思います。


こんなことを知りゴルフをすると、もっと

楽しくなると思いますが、これよりさらに、

微細な危険が隠れていることもあります。


それは、2つあります。


1つめは、ティショットの落とし場所付近には、

ディボットが多いということです。


なぜか? 


それは、ちょっと考えれば

分かるのですが、残り距離が短くなるせいで、

第2打(ティショットをミスすれば3打目以降になる

ケースもあり)でウェッジを使うことが多い

ためです。


これこそ、短いホールゆえの

現実です。


これは、コース設計の意図とは

別の理由によることですが、快心のティショットを

フェアウェイど真ん中に放ったのに、

行ってみたら、深いディボットにボールが

すっぽりと埋まっている。


こんな不運なことだって

起こりうるのです。


さて、あなたならどうしますか?


技量を試されていると考え、果敢に

ディボットからの第2打にのぞんでも

構わないと考えますか?


それとも、ディボットの入る確率が

高いなら、最初からドライバーをやめ、

ティショットを3Wにしますか?


どちらも正解だと思います。


ただ、確率を考え、確実に

パーをとりにいくなら、3Wの

方が安全です。ディボットに

入らない保証はありませんから。


あとは、2打めの残り距離で

得意な方を選択するのが1つの

戦略でしょう。


このような自然と生まれるトラップも

あるので、危険を察知する状況判断、

自分の技量、好きな距離と番手を

総合して決めるのもマネジメントの

力をアップさせる決め手になると

思います。


また、2つめになりますが、設計家は

見た目の錯覚を使うこともあります。


例えば、ピンまで同じ60ヤードが

残ったとしても、グリーンの奥に

何もなくて抜けていれば遠くに感じますし、

木々や斜面が奥にあれば、短く感じます。


また、2打めが同じ打ち下ろしでも、

フェアウェイが急な下り、グリーン面は

それより緩やかな下りだと、見た目は、

グリーンが受けていると錯覚してしまい、

思った以上に力が入り、グリーン奥の

OBへ、なんて大トラブルに見舞われる

ことだってあるのです。


これは、打ち上げにより上り傾斜の

度合の変化による錯覚の原因にも

なっているようです。


プロは、そういう微細な罠も見抜けますから、

コースの難しさが分かり過ぎて、逆に

考え込みミスすることもあるようです。


深いのか、浅いのかと言えば、やはり

他のスポーツに比べゴルフは激しさがない分、

深みがあります。


危険予知能力を磨き、自分の攻め方を

決断するのも、ゴルフの醍醐味と

言ったら、言い過ぎでしょうか?