毎日のレッスンの中で、たくさんの感動をいただく私です。
生徒さんの感性、表現力にいつも驚かされます。
また、それぞれの個性もみんな違ってみんないい♪です。
昨日は特に心が震えた出来事がありました。
私のレッスンを受けるようになってから、
一年と4ヶ月ほど経つある生徒さんが、
素晴らしく美しい音を出しました。
それまで、どちらかというと男の子らしくストレートな弾き方を
していたSくん。真っ直ぐなんですね、性格もピアノの響きも。
ただ、私のところへ移って来た時には脱力ができていなくて
せっかくの力強さも、無駄な箇所にパワーを吸い取られてしまって
いました。・・・もったいない~。
そのSくんが変わってきたのは、通って一年経った頃でしょうか。
いいタイミングで脱力できるようになったのです。
当然、本人が一番弾いていて楽になったと思います。
楽に弾けるということは、良い循環が生まれるということに繋がります。
私の提示した家での練習方法を繰り返すうちに、
「ああ、歌ってから弾くと一番効率よく弾けるようになる。」
と気がついたのです。
そこからSくんのピアノに向かう姿勢が変わってきました。
レッスンで私がお手本で弾くのを聴くときも、
よく観察し、よく聴こうという意欲が感じられました。
Sくんの音色も柔軟に変化するようになりました。
・・・それって、スゴイ。
声に出して歌うこと、リズムをとること。
ついつい省いてしまいがちですね。
私はどの生徒さんにも、必ず声に出して歌うこと、リズムはリズムで
練習することを最初に言います。
それを習慣づけるまでが、なかなか大変です。
でも、そこを最初に乗り越えてしまえばあとが楽。
効率よく練習し、成果をあげる道筋が理解できれば
いずれ一人で考えてじっくりピアノと向き合えるようになります。
さて、そのSくん。昨日のレッスンで綺麗な曲を練習していました。
レガートで演奏することはもちろん、似ている音型でも
音の出し方を工夫しないとつまんない演奏になってしまう
曲です。
アルペジオの同じような音型の、2回目。
最後の音が半音だけ上がるのですが、
その音を少し強調して(というか、テヌートで)みると、
変化が生まれるよとアドヴァイスをしたら、
なんと指先だけでなく、手首も腕も使って柔らかく美しい音を
響かせてくれたのです。
さらに、クレッシェンドでふくらませて~ディミヌエンドで
すっと落ち着かせる部分も、自然に弾けました。
もう私は驚いて、
「Sくん、すごい!なんて綺麗な音!」
お母様も目を真ん丸くしてビックリ。
「先生!本当に。S、すごいよ!」
二人で諸手を挙げて喜び合いました。
当のご本人は・・・(え~何が~?そんなに?)状態で(^_^;)。
以前、脱力出来た時も彼は至って平常心でした。
もうね、一音でも美しい音が出せたときは、先生は
感動して言葉につまっちゃいます。
それだけそういう音を出すのは難しいです。
Sくんの音が進化したのは、偶然じゃない。
様々な方法で練習することで、技術が向上しただけでなく、
感性が豊かになり、感じたことを表現できるだけの力が
ついてきたのでしょう。
満足のいく音が、一音でも弾けたらいい。
たとえそれがまぐれの一音でも。
だって、あの時出せたあの音を!と、繰り返し練習していったら
いつかまぐれじゃなくなるから。
だから、先生はなにか一つできるようになったとき、
子供のように喜んではしゃぐのです。
だって、本当に心から嬉しいから。
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