「醒めながら見る夢」愛を求めて、自分の世界を彷徨う男を誰が助けられるのだろう。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「醒めながら見る夢」の試写会に行ってきました。アメブロの会員組織である”Ameba Meister"でのご招待でした。


ストーリーは、

最近人気が出てきた劇団の新進演出家の優児(堂珍嘉邦)は、次回公演に向け稽古に励んでいた。稽古終了後、突然優児は主宰を務める竜也(松岡充)に、この公演を最後に引退したいと打ち明ける。その場を立ち去る優児のもとに、「姉の亜紀(高梨臨)のことで話がしたい」と妹の陽菜(石橋杏奈)が走り寄り……。

というお話です。


醒めながら

監督が辻さんなので、とても雰囲気を大切にした作り方がされていました。京都が舞台とのことで、祇園祭の風景や、鴨川、石畳の路地など、光と影を美しく見せるように撮られた映像が、とても興味を惹きました。そんな中で、2人の男と2人の女の話が動き出します。

優児は、舞台演出の仕事をし、仕事が終わると真っ直ぐに家に帰る。家には、妻の亜紀が待っていて、2人で幸せに暮らしているように見えるのだが、ふと見ると、あまり生活感が無いように見えるんです。そんな2人のところに、亜紀の妹の陽菜が訪ねてきます。亜紀は優児に、陽菜は、アナタを誘惑しようとしているから、出なくて良いと言い、引き止めます。段々と、優児は、外界の人との関わりを捨てて、自分の世界に籠るようになって行きます。

醒めながら

亜紀と陽菜は、京都の老舗サロンバーを経営する母親の元に生まれ、長女の亜紀は、店を継ぐように言われていたようで、母親は、優児との結婚に反対していました。その反対を押し切り、優児と一緒に暮らすようになったと2人の会話で解ります。でも、何か、この2人、雰囲気が変なんです。

陽菜は、ある手紙を持って、緊縛セラピー(縄で身体を縛って貰い癒されるセラピー)を訪ねて行きます。何で緊縛セラピーなのかと言う事は、映画を観て下さいね。そのセラピーで、見習いをしている文哉と出会います。文哉は、とても純粋そうで、陽菜の無理難題にも、必死で答えようとします。可哀想でしょ。女に振り回される男の典型のようでした。でも、2人とも愛を探して苦しんでいる感じがありました。

誰もが、愛を探して、愛を求めていて、だけど、思い通りにならず、何ともならない現実から、どう抜け出すのかということが描かれています。彼らが、それぞれに見つけた愛の形とは、映画を観て、確認してくださいね。

醒めながら

愛を手に入れようとして、段々と心が崩れて行ってしまう姿って、恐いけど、ちょっと羨ましいと思ってしまいました。現実と折り合いをつけて生きていたら、本当の愛って、手に入らないような気がするんです。ちょっと、壊れてしまった方が、周りを気にせず、本当の愛を追い求められるのではないかと思います。別に、みんなに良く思われなくても、好きな人にだけ良く思われれば、それで良いんですもんね。でも、生活の為に、仕事はしなければならないし、仕事をする為には、社会と交わる必要もあり、この相反するところが、何とも困っちゃうんですよね。お金が無いと、好きな人と一緒に居られないし、かと言って、お金を稼ごうとすると、好きな人とずっと一緒に居る事は出来ない。難しいよなぁ。

醒めながら

堂珍さん演じる優児は、とってもナイーブで神経質そうな感じでした。でも、亜紀にはとっても優しいの。その優しさを、ちょっとは周りに分けてあげてぇ。団員の人たちが、いつも怒られていて可哀想でした。(笑) 堂珍さんにお会いしたのですが、とっても優しい方で、目が落ちそうなほど大きくて、その目で見つめられると、固まってしまうほどステキでした。頭が超小さいんですよぉ。


醒めながら

村井さんは、実際にお会いしたイメージとは全く違う雰囲気の文哉という青年の役でした。映画の中の村井さんの雰囲気だと、とってもイケメンで大人しい役なのに、実際の村井さんは、とっても明るくて、楽しい方でした。”アブラクサスの祭”に出てらしたんですね。高校生役だったみたい。あの映画も、とっても良い映画だったんだよなぁ。

今回、アメブロのアメーバマイスターの企画で、試写会に行かせて頂き、まだ、開場する前に、堂珍さんと村井さんにお会いさせて頂いて、ちょっとお話をしながら、お二人のサインを頂くというものでした。まさか、本当に目の前に来て下さって、サインを頂けるなんて思っていなかったので、もう、ドキドキと感激で、頭が真っ白って感じでした。

醒めながら

話戻して、この映画、私は、お勧めしたいと思います。原作者の辻さんが監督もやられているので、彼の表現したい雰囲気が、より強く描かれていて、ダンサーを使ったり、光と影を強く表現していたり、絵がとても美しいんです。私は、光の使い方がとても印象に残りました。京都の日本的な風景は、光の当て方で、全然雰囲気が変わるんですよね。その美しさを堪能してください。この映画も、単館系の映画なので、万人向けとは言えませんが、静かに、心にズシッとくるような、そんな映画でした。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ


醒めながら
舞台挨拶の様子です。ステキでしょ。


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