新人OLひなたと学ぶ どんな会社でも評価されるトヨタのPDCA/原 マサヒコ
「PDCA」という言葉は、たいていの人は知っているはずです。ただ、そのサイクルをきちんとまわせている人はそれほど多くないのではないか、と感じています。
<目次>
Proiogue 今のキミには、PDCAが足りない
Chapter1 〈PLAN〉計画も立てずに、給料が上がると思ってない?
Chapter2 〈DO〉実行しなければ、キミは変われるワケがない
Chapter3 〈CHECK〉自分を正しく評価できれば、会社からも評価される
Chapter4 〈ACTION〉カイゼンを続けていけば、ヒナ鳥だって世界ではばたける
よくわかる! 解説 「トヨタのPDCA」は、なぜ強い社員・強い組織を作るのか?
若手の人、入社2~3年目の人をターゲットにして書いた、と著者の原さんから聞きました。そのためストーリー仕立てにしたそうです。確かに、シチュエーションが明確なのでわかりやすくなっていると思います。
PDCAは仕事の基本に直結するので、若い人は早めに読んで、どういうことなのか理解しておくといいと思います。若手社員の課題本にする、研修教材にするのは良いと思います。
では、ミドル以上の人は読む意味がないかというと、そんなことはないと思います。
ひとつは、若手を指導する時の手引きとして。こういう風に伝えていけばいいんだ!と納得できる場面がたくさんあります。
そしてもうひとつ、自分が本当にPDCAをまわせているのか、確認するために読んでみるのもいいと思います。
冒頭に書いた通り、言葉としてなんとなくわかっているように思っていても、実際にPDCAのサイクルをきちんとまわせている人は少ないのではないでしょうか?なんとなく回した気になっていませんか?少なくとも僕はまわせている自信はありません。
本書は、PDCAをどうまわしていくのか、具体的に書かれています。普段の自分と照らし合わせて、CHECKしていくことができます。
たとえば、スタートのPLANについて、こんな一節があります。
いくらプランを立てるからといっても、数字ばかり追いかけちゃダメだよ。何かをする時は、『なんのためにやるのか』を忘れちゃいけない。『なんのためにやるのか』を常に問いかけていれば、本当に意味のある計画を作ることができるはずだからね。(p56)
同じような罠に陥っていませんか?目標達成が目的になってしまうことはありがちな
事だと思います。時によってはそれも悪くはありませんが、本来から言えば、目標達成は目的達成の手段にすぎません。
「なんのため」
を忘れてしまえば、その後のサイクルをまわしていく意味もなくなってしまいます。
一つひとつの行動に意味を持たせること。惰性で仕事をしない。
動くんじゃなくて、働くんだな(p160)
そんな当たり前であるはずの、でも忘れてしまいがちなことの大切さを思い出させてくれる本です。
PS
ちなみに僕の今年の目標は「目標を持たない生き方をする」です。
PDCAのサイクルをまわすことと矛盾するのでは、という指摘もあり得ると思います。しかし矛盾しません(笑)
「目標を持たない生き方」というのは、自分の可能性を規定しないということ。だから想像もしていなかったことに出会えます。
でも、出合ってしまったら、それを完遂しないといけない。しないと次の可能性が開けない。そのときには「PDCA」をまわして(短期)目標を達成しないといけない、となるわけです。