大潟体操アリーナ拡張『計画性のない「夢物語」には加担できない』 | 地方都市は死なず! 滝沢いっせい ブログ爽創通信  *09016693890*kpissey@rf6.so-net.ne.jp*

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上越市議会議員滝沢一成のブログです! 日々感じたこと、考えたことを、できるだけ素直に書いてゆきます。
滝沢一成のテーマは「雪」「老い」「貧困」、これらを追及します。

テーマ:
圧倒的多数で採択された大潟体操アリーナ拡張の請願に疑問。
計画性が無い請願をなぜ認めるのだろう!?

6:1で請願は採択された。たった一人の反対者は、僕だった…。


文教経済常任委員会2日目。午後1時、一つの請願が審議の俎上にあがった。
『大潟区にある「大潟体操アリーナ」を拡張してほしい、そのために議会から市に次期の総合計画に入れることを働きかけてほしい』という請願だ。
請願者が参考人として出席し約5分間の説明と質疑応答、そののち議員間の意見交換、採決が行われた。

現存の大潟体操アリーナ。
本格的な体操の練習設備で全国的にも評価されている。しかし合宿所が充実していないのが珠に瑕だった。

請願者は、その施設を今回の東京オリンピック開催決定を契機に、体操アリーナに加え、新体操・トランポリンアリーナを新設、その他野外ゾーン、研修所(合宿所)も新設したいという。
請願者にとって「地元から金メダリストを!」それが悲願であり、今回の拡張で全国から有望な選手を集め育てるとともに、東京オリンピックの際に世界各国の選手団の練習場として使いたいのだそうだ。

そのアイデアと熱意は良しとしたい。私たちのまちの設備がそのように使われるのはワクワクする。
しかし、問題が多いのだ。

参考人への僕からの質疑で明らかになったが、
「現在のアリーナのほかに、新しくもう一棟同規模のアリーナを建設する必要がある」
「野外ゾーンと研修所も敷地を新規に取得し建設する」という。
現存するアリーナは建設時に、土地取得に1億円弱、建設に4億円弱かかった(体育課から聞き取り)。ということは、今回請願された設備を新設するには、少なくとも同額の5億円弱はかかると想像される。
さらに参考人によると「土地の取得はいまのところなかなか難しい。ぜひ行政と議会のご協力をいただきたい」とのこと。
土地確保の見込みがついていないのだ。

それらが明らかになった時点で、僕としては「この計画に実現性は乏しい」と判断せざるを得なくなった。
また5億超という金額も、いま財政的に厳しい上越市の状況を考えると厳しいものがあると感じた。この請願は認めるわけにはいかない…。

ところが、他の委員の意見は違ったのだ。
「確かに多額の費用がかかること、土地取得の目途がついていないことは問題だ。しかし『金メダリストを上越から』という目指す方向は良い。だから請願に賛成する」という。
ちょうど僕の論理をひっくり返している。
「実現性に問題はあるが、心意気で良しとする」、そういうことだ。

結果は、冒頭に述べた通り6:1、圧倒的多数で採択。

数万、数十万、数百万の維持費が負担となり廃止となる数多の地域施設、計画予算が半額以下に削られた某コミュニティセンター…苦しい財政状況下、市は厳しい財政改革を進めている。
そこへ降って湧いたような今回の請願。
多額の出費が必要、しかも土地取得の目途もない。

こうした『夢物語』に加担することはできない。
私は、本会議でも反対するつもりである。
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