お箸の文化

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お箸の文化


言うまでもないことですが、健康でいるためには和食中心の食事を
心がけることが大切です。

和食は、今や世界にも注目されています。

そんな和食をいただく時にお箸はなくてはならないものです。


2本の棒を使って食べ物を掴む、押さえる、すくう、運ぶ、割る、
支える、かき混ぜる、刺す、など様々に使うことができます。


お箸は、中国から伝わってきて、その後日本に定着したとされます

その他にも韓国、タイ、シンガポールでもお箸が用いられています
が、匙と一緒に使います。
お箸だけを使って食事をするのは日本人だけです。


お箸を使う上で人に失礼にならないように、美しく見えるように様
々な作法があります。
してはいけないお箸の使い方を「嫌い箸」と言いますが、その一部
を以下にご紹介します。


◇指し箸・・・箸で人を指さすこと。
◇二人箸・・・二人で一つの食べものを同時に挟むこと。
◇ねぶり箸・・・箸についた食べ物をなめること。
◇涙箸・・・箸の先からぽたぽたと汁が落ちること。
◇迷い箸・・・どの料理を取ろうかと迷いながらあちこち箸を動か
すこと。
◇寄せ箸・・・箸を使って食器を手前に引き寄せること。


「はし」という言葉は、向こうとこちらの橋渡しの役目を持つ道具
につけられました。
お箸は、口に運ぶ方の端は人のもの、もう一方の端は神様のものと
考えられていました。
食事の時には、お箸に神様が宿ると言われていました。

割り箸がどんどん世に出回ったことが、日本人の食文化が崩れた一
因になっているのではと思えます。

最近では、嬉しいことにマイ箸を持ち歩く人が増えました。
お箸を大切にすることは、食べることに感謝して食べ物を尊ぶこと
につながっています。


お箸は必ず2本1組で使用し、「一膳」と数えます。

月(にくづき)は、体の器官(肺、肩など)に用いられます。
「膳」と数えることから日本人が箸を体の一部のように使ってきた
ことが伺えます。


昔の人は、どこへ行くにも箸を持ち歩き、食事が終わると箸を拭い
て仕舞っていました。

亡くなった時にはお箸をお棺に入れたり、お棺の上に箸を立てる風
習があります。


また、昔は爪楊枝も自分の物を持ち歩く人が多かったと言います。
カツオの骨で作られた万年爪楊枝を使っていて、亡くなると箸と同
じようにお棺の中へ入れたそうです。

日本人は、箸と共に始まり箸と共に終わる唯一の民族です。

生まれて間もなくお食い初めでお箸を使い、
人生最期の葬儀では、火葬した後お骨をお箸で拾います。
お供え物にはお箸を立てて供養します。


シンプルな2本の棒をこのような文化へ発展させた日本人は、
やはり優秀な民族なのだと改めて感じました。