ひどい手荒れの予防と対策 | マクロ経済のブログ

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株式市場で注目されそうな経済のニュースを取り上げています。個人的な独断が多少入っていますが(^^)

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 空気が乾燥するこの季節は手のひらがカサカサになったり、指先がひび割れたりと、手荒れに悩む人が増えてくる。毎年のこととあきらめず、生活習慣を見直し、早めに皮膚科医に相談すれば、悪化を防げると専門家はアドバイスする。

■皮脂激減が手荒れの原因に

 家事から事務作業まで、毎日酷使される私たちの手は意外に繊細だ。肌は皮脂腺から分泌される油分で乾燥などの外的刺激から守られているが、手には皮脂腺が少ない。

 さらに秋から冬にかけては皮脂腺の働きが弱まる。このため炊事や洗濯など水仕事をこなす人の手指の皮脂が激減してさまざまな刺激が皮膚内に炎症をもたらし、手あれの原因となる。

 菊池皮膚科医院(東京都荒川区)の菊池新理事長は「親指や人さし指などよく使う指の先から荒れてくる。内部で炎症が起きていても、指先は厚い角質で覆われているので目に見える湿疹はできない。しかし、限界を超えると表面が硬く腫れ、やがてパックリと亀裂が入る」。こうなると手湿疹(主婦湿疹)と診断される。その前に生活習慣を見直すことが大切だ。

■洗剤は自分に合った製品を

 まず食器を洗う台所用洗剤の使い方を見直す。洗剤は皮脂を落とす上、皮膚に刺激を与える物質が含まれている。忙しいとスポンジに洗剤を直接かけがちだが、「使用上の注意」に従って薄めて使おう。

ゴム手袋も効果的だが、手あれのひどい人はゴムに使われる化学成分にも敏感なことが多いので、木綿のインナー手袋が有効な場合もある。ゴム手袋では細かい作業ができないという場合は、調理用や医療用として売られている透明のプラスチック手袋も便利だ。

 専門家は洗剤を変えてみてほしいとも指摘する。中山皮膚科クリニック(東京都品川区)の中山秀夫院長は「界面活性剤などの成分は洗剤ごとに異なる上、影響には個人差もある。新製品発売後に患者が急増することもあり、自分に合った製品を探したい」と話す。

■「手温浴」が効果的

 手のケアもこまめに。水仕事後はハンドクリームなどで油分を補いたい。カサカサが改善しにくい場合は、尿素、ヒアルロン酸などの保湿成分が入った製品が好ましい。女性は冬に血行が悪くなり、手荒れ悪化の要因にもなる。帰宅時に洗面器などの湯で手を温める「手温浴」を行ったり、指先のマッサージを行ったりすると血行が改善する。

 手荒れが進んで皮膚が割れ、出血したり、じくじくした状態が続いたりして、水がしみるほど悪化した場合は早めに皮膚科に相談したい。内部の炎症を鎮めるためのステロイド軟膏(なんこう)を塗り、その上から亜鉛華軟膏を重ねて皮膚を刺激から守る治療法が一般的だ。

治療中は水仕事時にプラスチック手袋を使うようにする。中山院長は「ひどい主婦湿疹になるまで3週間ぐらいかかるが、炎症が治まるには同じぐらいの時間がかかる」と話す。完全に治るまで治療を続けることが大切だ。

 手のひら全体に、かゆみを伴う小さな水疱(すいほう)ができ、放置すると乾燥してガサガサになるタイプの手荒れもある。重症の場合は水疱にうみがたまる。会社員では取引先と握手ができないといった悩みを訴えることもある。
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■金属アレルギーの可能性も

 軽度の場合は手湿疹と間違えられやすいが、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)という別の病気だ。治りにくい病気のひとつだが、最近、ノドの奥にある扁桃(へんとう)の細菌感染や金属アレルギーがその原因であることが分かってきた。1970年代に歯科金属アレルギーによる掌蹠膿疱症を日本で最初に報告した中山院長は「歯科治療に使われる水銀、パラジウムなどの金属が口内でイオンと呼ばれる状態になり体内を回る。汗とともに排出された金属イオンが、手のひらのケラチンというタンパク質と結びつくと、体内の免疫細胞がこれを攻撃して炎症を起こす」と話す。

 扁桃の感染が原因なら扁桃を切除、口内の金属が原因なら、原因金属を取り除き別の歯科材料に置き換えると症状が改善する。治療には金属の関与を診断するパッチテストが必要。菊池理事長も「症状の程度はさまざま。原因不明の手荒れで悩んでいる人は、皮膚科で相談してパッチテストを行っている医療機関を紹介してもらうといい」と助言する。

■レタスでかぶれることも

 特定の化学物質に触れるとかぶれる病気が、接触皮膚炎だ。身近なものが原因だと気づかないこともある。中山院長が携わった接触皮膚炎の原因調査で多く見られたのは、園芸植物のさくら草や野菜のレタスだった。

 レタスは切ったときに軸から染み出る白い汁が原因で起こり、調理場で働く人や主婦などに症状がみられる。また、日用品に使われる金属アレルギーの例も多い。さらに砂にはニッケルなどの金属が含まれるため、砂場で遊ぶ子供の手がかぶれることもある。よく手がかぶれる人は、皮膚科医と相談しながら生活環境を調べてみてほしい。