スティーンのYBコスチュームでの入場に始まり、空気感から試合運びまで非常にPWGらしい。華やかさであったり小ネタに富んでいたり。ハイフライから連携まで過剰供給となるギリギリまで提供しています。
お祭りのような空気感で飛んで、跳ねて、投げてを繰り返すのでインパクト完全先行型の試合運び。それが許容されるのがPWGではありますが、点の羅列になってしまっては何とももったいない。それぞれのシーンに意味を持たせることができると良かったのですが、パッと出のスポットが連続してしまいました。
ひとり重量級のスティーンの役回りを差別化できれば良かったのですが、普段と異なる環境もあって、ただ面白いだけになってしまいました。フォックスが孤立役でしたが、作業的になっていて、意味のあるものにならなかったのが残念。
点の羅列は多いものの、終盤の乱れ打ちは圧倒的なまでの自由度で、見ごたえ十分。突き抜けきった驚愕のスポットの連続は圧巻です。それ故に中盤の展開が惜しい。良質な試合。
アダム・コール(ch) vs.クリス・ヒーロー PWG王座戦
コールが観客の反応を使って好き勝手に遊んでいます。ヒーローのカムバックもあって、ヒールのコールが、クリーンに先手を取ったのは興味深い導入です。
レスリングでは、その導入は生かせません。あえてきれいに試合を進めていくのはいいことですが、体格差をさばき切れていない。ヒールとしてヘタレを半端に見せるので印象が弱い。
場外に出てからは良化されました。コール主導でことを進め、首を狙う。ファンの反応もユニークで面白い。
ヒーローが主導権を取り返した後も良かった。力強さ、スピード感。エルボースタイルを軸としてスローテンポの試合運び。一撃の重さを強調する余韻を利かせる試合展開です。痛烈な反撃をもらいやすくしておくことも忘れていない。
一進一退の攻防に戻すと、コールの策士ぶりが光る。策でヒーローを上回っていきます。終盤に来て脚に焦点を当てたのも面白い選択でした。好勝負です。
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試合結果
○マウント・ラッシュモア(ケビン・スティーン&ニック・ジャクソン&マット・ジャクソン) vs.ジ・インナーシティ・マシンガンズ(リコシェ&リッチ・スワン&ARフォックス)
○アダム・コール(ch) vs.クリス・ヒーロー PWG王座戦