久しぶりに新興国で生活をしている友人にあった。

海外生活15年目、会社も幾つか立ち上げ仕事も上向き、ノリに乗っている感じだった。

雑談のなかで日本の「貧困」の話に。

僕が説明がうまくない事も含めて、なかなか理解して貰えていない様子なので、7月15日に発表された国民生活基礎調査 で、「6人にひとりは貧困」と言う発表がされた、と説明した。


日本の相対的貧困率、「16・1%」

「相対的貧困率」って?

それぞれの収入から税金、社会保障料等を除いた「手取り収入」を世帯人数で割る。

高収入から低収入まで全部、順に並べて、全人口の中央値のさらに半分未満の世帯員が「貧困」って事になるんだって。


先日発表があった平成25年国民生活基礎調査で言うと、中央値が244万円。
その半分の「貧困線」が 122万円 。

真ん中の(244万)、そのまた半分(122万)未満が「貧困」、それに該当する人が「16・1%」もいる。


「6人にひとりは貧困」ってこと。

イメージが湧きにくいなら、あくまで例えだけど、

近所のお祭りや、満員電車、都会のスクランブル交差点をイメージすればいい。
すれ違う人の「6人にひとり」は「貧困」って凄くないか?


他にも

☆子どもの貧困率、16・3%

☆一人親家庭の貧困、54・6%

大規模な調査は3年おきに行われているらしいが前回の調査と比べ、改善するどころか、それぞれの貧困のパーセンテージは確実に上昇、貧困が広くジワジワと日本に生きる人々に迫って来ている。

これが「美しい国」「強い国」とうたう、我が国の状況なんだ。


ひと通り説明を聞いた彼の口から出た言葉は、

「俺が住んでる国じゃ貧困なんて当たり前だしな、貧困であり続ける人にも、やり方とか何かしら問題があるんじゃないの」

関東の農村地帯から海外に飛び出し、「自分の力だけでやってきた」と自負する彼の目には、現在の貧困の広がりも「甘え」や「努力不足」に映るようだ。


確かに、彼が生きる国で貧しい生活は珍しくないのかもしれないが、全体の収入自体が低く、若い世代が多い新興国と、日本の貧困は比べようがない。それに現在も将来的にも、経済的に上昇傾向にあり、雇用やチャンスが急激に増える国と、遠い過去にピークを過ぎ、経済は頭打ち、労働者の賃金から搾取し大企業・大資本の利益を捻り出そうと安易な考えを推し進めるアベノミクスの老先進国と言う違いもある。


一瞬、友人を「ひどい考え方だ」と思った。


が、昔の自分はどうだっただろう?


先進国日本で毎日5人もの、食糧の不足と栄養失調による餓死者が出ていて、何の保障もなく、いつ首を切られるか分からない状況で働き続け、住む場所もなく、希望も持てず不安の中で生きる人々が若年層にも溢れているなんて知らなかった、原発事故が起きて社会問題に目がむくまでは。


政治によるシステムの不備で、貧困のループから抜け出せない多くの人々が存在する現実を知らず、たまたまラッキーだった自分の人生を俯瞰して観る事もせず、病気や障がいや高齢以外でチャンスに恵まれないのは「努力が足りない」と、意味も解らず切り捨てていたかも知れない自分の過去を、友人の発言と重ね合わせて深く反省した。


当事者か、その近くにいる人以外は、昔の自分や友人の様に考えていて、日本で「貧困」と言ってもピンと来ない人はかなりいるだろう。

「賃金は上がらない」「社会保障は削られる」「自己負担が増える・拡がる」

大企業・大資本への利益の還元として、安い労働力を提供する為にも使い勝手のいい貧困層や低賃金で働く人々に対する労働環境改善は、なかなか行われない可能性が高い、と僕は思う。


国によるサービスを受けようだって?

図々しい事言うな。

国を愛していないのか?

国に頼るな、自己責任で生きろ。

国にもたれ掛かって生きようとする奴は、コストでしかない、って態度が今の政治。


貧困問題はこれからますます加速、あなたが当事者になる恐れは大いにある。

それと並行するのが人口の減少。高齢化が急激に進むこの国で若い世代が少なくなっていけば、高齢者層を支えるひとが少なくなる。

お年寄りは長生きさせない世の中にしていくつもりかな?

終末医療について「さっさと死ねるように」との麻生(副総理・財務大臣)発言もあった。

詳しくは☞http://www.47news.jp/CN/201301/CN2013012101001752.html



賃金が安い中、自分一人生きるのに精一杯な状況で、

家族を持ったり、子どもを作るなんて、難しすぎる。

実際、その状況で家族を養っている人たちが苦しい立場におかれている。

口先で「人口減少」を憂い、「少子化対策」の必要性を、お経の様にただ、唱えているのが今の政府。


貧困や少子化に対する「抜本的な解決策は?」

「少子化」「貧困」を本気で考えるならやることは、はっきりしている。

まず、教育を受けたい、受けさせたい親と子に負担を掛けない、教育の無償化。

高校までの教育無償化は5000億円で達成出来る、と言う試算がある。

法政大学教授林論文
http://www.i.hosei.ac.jp/hayashi/kodomoteate2.pdf(1ページ)


大学に行きたいけど経済的に余裕のない学生は、「奨学金」を受ける。

大学生の二人に一人が奨学金を受けているらしい。

親世代の収入自体が減っているから、「奨学金」を借りなきゃ、
進学出来ない状況になってる。



奨学金は「無利子」と「有利子」の二種類。

「無利子」は成績優秀者など、枠が少ない。

一番の問題は「有利子」の奨学金。

借りたお金に利息がつく。

返せなければ、延滞金がつく。

それも払えなければ差し押さえまでする。

連帯保証人がいる人はそこから回収する。



高校中退の僕は、「奨学金」と聞いてタダで教育が受けられる制度、と思ってた。

奨学金の実態は、ただの「サラ金」

年間の利息収入は平成24年度で317億6700万円。

その利益は大手銀行の利益に。


年間の延滞金の利益43億1900万円は、サービサー(民間債権回収企業)に流れる。

返済の順番も、 延滞金☞利息☞元金

元金は最後にならないと減らせない、ってシステム。

だからドンドン借金が膨らんでいく。

民間企業は大喜びだね、大サービスだね。

いい大人が遊ぶ為に借りたお金じゃないよ。

勉強する為に、学校に行く為に掛かる費用を借りた、って話。


まずはこの支払い方法を早急に見直し「元金」を一番に減らしていける支払い方法にかえろよ。

あまりにもやり方が酷すぎる。


奨学金問題について中京大学国際教養学部大内裕和教授の解説


山本太郎質疑(平成26年5月29日参議院内閣委員会



社会に出る前に、借金を背負わされた学生が、返済があるから就職に焦ってブラック企業へ、なんて話をよく聞く。

社会に出て、同じ境遇で借金を背負った男女が家庭を持つ、何て考える余裕ある?

自分が生きるだけで精一杯なのに?


家族を持つだって?

子どもを作れ、だって?

「自己責任で生きてもらう」が加速するこの国で?

「学生」を大企業・大資本の為に金融商品の道具にまでして、ないところからも更に搾り取り、
借金でがんじがらめにして大企業が旨味を吸い続ける事を許す政治なのに?


総理と呼ばれる人物が発した言葉。
「若者が輝き、女性が活躍する、それが私の成長戦略です」

はい?

どうやって活躍する?

どうやって輝く?

言ってる事と、やってる事が全く違う、全てにおいて。

ろくな大人が運営しない国に未来なんてない。

未来なんて見据えずに「今だけ」の利益を追求し続けている大人が運営してる国なんだ、今の日
本は。当然、未来は真っ暗だよ。



「少子化対策」「貧困対策」って本気で言うなら、

☆教育を無償化

☆最低賃金を大幅に上げる

☆非正規社員を、希望者は全員正社員にする

☆セーフティーネットである生活保護の利用率を上げる



あくまで超最低限でザックリだけど、大急ぎでこれをやらなきゃ、少しも改善できる訳ない、って高校中退の一年生議員でも理解できるわ。裕福でなくても平等に教育の機会があたえられなければ、賃金を上げて、少しでも余裕を持てる生活が出来なきゃ、仕事を失っても暮らしていける後ろ盾がなければ、貧困、少子化どころか、生きてるのも嫌になる。



自殺対策が話し合われているけど、この根本的な部分を変えなきゃ、自殺者はこれから年々増えていくだけ。

なんとかしなくちゃ!え?政府はもう既に手を打ってるって。

外国人労働者や永住外国人の新規受け入れで対処しようとしているのは先日のブログでお伝えした通り。
ブログ7月1日山本太郎ブログ「シッポ振ってるんですね③」



貧困率が上がろうが、子どもが減ろうが、賃金が安かろうが、非正規労働者が増えようが、餓死者がいようが、

政府は安易な対策を押し出して、根本的な解決をしようとしない 。


こんなふうに人の命を大切にしない国だったら、原発は再稼働されるし、事故っても隠蔽するし、被曝させても平気だし、労働時間は際限なく緩和されるし、残業代はゼロになるし、賃金も上がらないし、過重労働は酷くなる一方だし、TPPで国民の財産は売り払われるし、武器も世界に売るし、ビジネスパートナーが攻撃を続けるガザで、大量殺戮をおこしてもダンマリ決め込むし、大企業や大資本「軍需産業」の為に地球の裏側まで戦争出来る状態にするし、ひとり一人の生活なんてどうでもいいし、庶民はいつだって最初に、簡単に切り捨てられる存在でしかない、当然だよ。だったら、何の為に税金を払ってるの?自分にもしもの事があった時、手を差し伸べてくれるのが国や行政でないなら、税金を払う意味ってある?だからって「税金を払わない」のは最も重い罪の一つになる。


だったら、税金がこの国に生きる人々の為に使われるよう、

政治家を目覚めさせるか、選挙で入れ替えるしかない。

こんなに無茶苦茶を押し通す安倍政権も、僕たちにたった一つだけ教えてくれた事がある。
政権をとれば、なんでも出来るって事。



だったら、政権とって、全部ヒックリ返せばいい。

来年の統一地方選挙までに、あなたは何人の仲間を作れますか?

再来年の参議院選までに、あなたは何人の仲間を作れますか?

次の衆議院総選挙(早ければ今年の秋、遅ければ2年半後)までに、あなたは何人の仲間を作れますか?

絶望だらけの世の中で、あなたと言う希望が存在してくれている。

それが僕の原動力です。

PS 壺や浄水器は売りつけません笑