今日の開幕戦はレノファ山口と1-1で引き分けました。試合の詳細に関してはここでお話しすることはしません。ただ、選手それぞれの個性がよく見えた試合で、昨年から監督と話してきたチームの目指す形は少し垣間見えたように思います。

勝負の年。目標を成し遂げることができるとすれば、それは各選手の色が随所で表現されるチームになっている時だと思います。それは各選手が今より10%、20%成長することと同義です。結局、プロ選手にとっての成長とは、自分の個性を試合で表現できるようになることだと思います。昨年、チームで丁寧に蒔き続けた種はやっと少し芽を出しつつあるかなと思っています。

ただ、結果としては昨年たくさん味わった悔しい勝ち点1と同じです。ここからいかに勝ち点3を取っていけるチームになっていくか。それを試されるシーズンになっていくことは間違いありません。みんなで積み上げたもので、みんなでそこに挑戦していこうと思っています。

さて、試合が終わってすぐにブログを書いているのには理由があります。それは、山口の皆さんにお礼を伝えるためです。

山口を離れて16年が経ちました。その間、レノファというクラブができ、私は大学生活を経てプロサッカー選手として歩んできました。当たり前のことですが、私にとっての故郷は山口だけです。私に子供ができるまでは、2日の連休があればすぐに山口に帰っていました。

自分の脳で勝手に作り出していることかもしれませんが、故郷には故郷の匂いがあります。昨日、山口に入るまでは試合の準備に追われ、いつもと変わらない気持ちで過ごしていましたが、山口に降り立ったとき、いつも私を迎えてくれるその匂いがして、今日の試合が特別なのだと知らせてくれました。

そして今日、試合前のメンバー紹介でファジアーノの一員として私の名前が呼ばれたとき、メインスタンドから大きな拍手が聞こえました。そのようなことは、もちろんこれまでアウェイのスタジアムで経験したことはありません。本当に感動的な時間でした。

これまでは山口で試合が行われたことはなく、私がプロサッカー選手になって初めてプレーを見てくださった方もたくさんいらっしゃったと思います。お世話になった方々やたくさんの友達も見に来てくれました。皆さんが今日の試合を楽しみにしていただいていたこと、そして山口を離れてこれまでずっと応援していただいていたことを実感しました。ありがとうございました。

日本代表や鹿島でプレーしていたときに比べたら、今の私の仕事は地味かもしれませんが、私はまだまだ元気にやっています。もしかしたら、あの頃よりも大きい熱量で毎日を過ごしているかもしれません。これからもどこかで気に掛けていただき、レノファと共にファジアーノも応援していただけたら嬉しいです。今日は本当にありがとうございました。