イスラエルの嘘とメディアの嘘がよくわかる投稿 必読

Facebookより 以下転載・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■拡散歓迎■ 京都の岡真理です。

ジャーナリストのジョナサン・クックの
「「拉致された」兵士のストーリーが露わにするイスラエルの嘘」をご紹介します。

ジョナサン・クックは英国出身、パレスチナ(現イスラエル)のナザレ在住、中東、
とくにパレスチナ・イスラエル問題を専門とするフリー・ジャーナリスト。
『消えゆくパレスチナ』、『イスラエルと文明の衝突』などの著書があります。
2011年には、マーサ・ゲルホーン・ジャーナリズム特別賞を受賞しています。
同賞は、著名なジャーナリストであったマーサ・ゲルホーン
[ヘミングウェイの3番目の奥さんでもありました]
を記念して創設された賞で、現場の視点に立ち、
ニュースから零れ落ちる人間の真実を伝えるジャーナリストに贈られる章です。

タイトルの「拉致された」に引用符がついているのは、
通常私たちは、戦争で兵士が相手側の手に落ちた場合、
それは、「捕虜になった」と言います。
「拉致」というのは、一般市民が何者かに誘拐されたり、
囚われたりした場合に使う言葉です。

しかし、主流マスメディアは、ラファで捕虜になった
イスラエル兵(ハダル・ゴルディン)について、
「捕虜になった」とは言わずに、「拉致された」という、
バイアスのかかった表現を用いています。

チェックしたところ、日本のメディア(朝日、毎日など)も、
このグローバル・スタンダードに倣って、
「拉致された」という表現を使っています。

日本のメディアで言えば、
「戦闘で殺された者の数は・・・・人になりました」という表現も、おかしいですね。
ガザでハマースその他のレジスタンスと
ガザに侵攻したイスラエル軍のあいだで戦闘が起きているのは事実ですが、
1800人を超えた死者たちの大半は、
イスラエル軍の無差別かつ一方的な砲撃・爆撃によって殺された民間人です。

犠牲者の8割以上は、イスラエルによる
一方的な無差別攻撃によって殺戮されたのであり、
これを「戦闘で殺された」というのは、事実を大きく歪めています。


企業メディアの報道は、少なくともパレスチナ・イスラエル問題に関する限り、
事実を伝えるのではなく、むしろ積極的に事実を歪め、隠ぺいし、
視聴者や読者を事実から遠ざけるものとして機能していると言えるでしょう。

本文中、「ハンニバル方式」という言葉が出てきます。
これは、ハンニバル・プロトコル、あるいはハンニバル・ドクトリンとも
呼ばれるイスラエル軍の戦略で、
自軍兵士が生きたまま捕虜となるのをあらゆる手段
[兵士自身を殺すことも含む]を講じて阻止することを意味します。

捕虜になると、相手に、交渉の切り札を与えることになるからです。

たとえば、2006年にハマースの捕虜となったギラド・シャリットの場合、
2011年に捕虜交換で、1027名のパレスチナ人政治犯の釈放と引き換えに
解放されています。

ラファの市街地に対する集中的な砲撃で70名以上の市民が殺されましたが、
これは、捕虜になったハダル・ゴルディンを敵の掌中で生かしておかないために、
ハンニバル・ドクトリンが発動されたためでした。

もう一点、重要なこと。
世界は、表面的には、オスロ合意に基づく二国家解決を推進しています。
西岸とガザにパレスチナの独立国家を建設することで紛争の解決を図るということに、
世界は同意しているということです。

他方、主流メディアは「イスラエルの生存権を認めないハマス」と喧伝することで、
あたかも和平が進展しないのは、ハマースに責任があるかのような
イメージ形成
を行っています。

しかし、記事の末尾で、著者は重要なことを指摘しています。
これまでご紹介してきたいくつかの文章においても異口同音に語られてきたのは、
ネタニヤフ政権のイスラエルは、独立したパレスチナ国家の存在を
決して認めていない、ということです。


むしろ、同首相のもとでイスラエルは、
パレスチナ国家の建設につながるあらゆる可能性を潰しており、
もし、「パレスチナ国家」なるものが許されるとすれば、それは、
「「非軍事化され」、厳しく限定され、イスラエルと合衆国に絶対的に依存する、
 そのような存在だけ」だと、クックは述べています。

この、「非軍事化され」、厳しく限定され、イスラエルと米国に
絶対的に依存するパレスチナとは、西岸のことです。

日本の主流メディアは、西岸のアッバース大統領率を「穏健派」と呼び、
彼が、和平反対派のハマースとは逆に、イスラエルの存在を認め、
二国家解決による「和平」に同意しているからだという印象を与えていますが、
クックの記事を読むと、事実は逆で、
和平(=パレスチナ国家の真の独立)に反対する
イスラエルと米国の意志に従っているからなのだということが分かります。

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【「拉致された」兵士のストーリーが露わにするイスラエルの嘘】

「原文」 ジョナサン・クック Mondoweiss / 2014年8月4日


週末に起きたある一つの出来事――金曜日にハマースがトンネルで1人のイスラエル兵を捕虜にしたと伝えられていること――が、ガザに対する攻撃に関し、イスラエルが見事に積み重ねてきた嘘をくっきりと浮き彫りにした。

日曜日、イスラエル軍は限定的撤退を始めると表明したが、このときハダル・ゴルディンについて、彼がさらわれた地域をイスラエルが爆撃した際、おそらくは崩壊したトンネルの下敷きになり死んだものと主張した。ゴルディンの家族も、彼はあとに取り残されていたと語った。イスラエル当局者やメディアは、ハマースの軍事作戦を公平な目では見ていない。ゴルディンは「捕虜になった」のではなく「拉致された」と、あたかも罪のない者が便乗犯にさらわれたかのような口ぶりだ。

頻繁に起きていることだが、今回も西洋の主流のジャーナリストたちは、イスラエルの指揮に従った。ロンドンタイムズは一面で叫んだ、「ガザで拉致」。ボストン・グローブはゴルディンを「拉致されたイスラエル兵」と呼んだ。

西洋の反応からさらに明らかなのは、過去数週間において、パレスチナ人の身に生じるいかなる集団殺戮よりも、イスラエル兵が捕虜になることの方が、はるかに重大なニュースである、ということだ。

イスラエルのシニカルな計算――膨大な数のパレスチナ人民間人が死ぬことよりも、ひとりの兵士の方が価値がある――は、ワシントン、ロンドン、パリの外交および報道の回路でこだましている。

さらにミスリーディングなのは、ハマースはラファで兵士の一団を攻撃し、ゴルディンをさらったとき、始まったばかりの72時間の人道的停戦を侵犯したのだとみなが同意していることだ。

ワシントン・ポストはその状況について、ハマースの自爆者がトンネルから現れ、着ていたヴェストを爆発させ、2人の兵士が死に、ゴルディンがシャフトに引きずり込まれたと報じている。「金曜の朝、イスラエルの部隊はガザ地区南部で、ハマースのトンネルを破壊する準備をしていた、とイスラエル軍当局者は語る。突然、パレスチナ人戦闘員がシャフトから現れた。」

CBSの記者、チャーリー・ダガタは、イスラエルのブリーフィングと同じことを鸚鵡のように繰り返し、不注意にも、嘘の核心部分をさらけ出してしまった。兵士は、「トンネルを一掃する軍事作戦中に誘拐されたと思われる。肝心なことは、と軍当局者は言う、これが起きたのは停戦が始まってからなのだ」

ということは、停戦が始まっているなら、ゴルディンとその仲間たちは、いったい何をしていたのだ、ハマースが隠れているとイスラエルが言うトンネルを破壊しながら? ハマースの戦闘員たちは攻撃の休止中、掩蔽壕に生き埋めになるのを坐して待っているべきだとでも言うのか? あるいは、イスラエルが停戦を侵犯していたのか?

そのあと、兵士が行方不明になっていることにイスラエルが気づいて、軍事的怒りが爆発した。イスラエル人特派員は、悪名高い「ハンニバル方式」が行使されたと認めている。ハンニバル・プロトコールとは、殺害を含むあらゆる手段を講じて、兵士が生きたまま捕 虜となるのを止めることだ。敵が、交渉で心理的優位を獲得するのを防ぐためである。

大量の兵器が解き放たれたのは、ゴルディンおよび彼を捕らえた者たちが絶対にトンネルから出て来られなくするためだが、その過程で何十名ものパレスチナ人が殺された。

これは、民間人の安全などイスラエルが歯牙にもかけていないことを証明するもう一つの事例だ。少なくとも、これまで殺された1700人以上のパレスチナ人のうち4分の3以上が非戦闘員だ。一方、イスラエルの死傷者のほぼすべてが兵士である。これは、近年、イスラエルが[ハマースと]対峙する際のひとつのパターンとなっている。

ガザに対する戦闘を始めることをイスラエルがどのように公式に正当化したのかということについても、嘘で塗り固められている。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエルはしなければならない戦争に引きずり込まれたと主張した。バラク・オバマの発言にもネタニヤフの言葉がこだましている。「イスラエルはロケットの雨から自らを守る権利がある。」だが、後になると、イスラエルは「テロ・トンネル」を破壊しなければならない、ということが[攻撃の]口実となった。」

だが、その論理は大きく破綻している。イスラエルはガザを占領し封鎖しているのである。そのことによりガザの住民に、国際法のもとで、自分たちの自由のために闘う権利を付与しているのである。抑圧者に、無法者に、自衛の権利などあるのか? イスラエルが引っ掻かれたり、血を流したりすることに反対するなら、犠牲者の首を絞めるのをやめねばならない。

「自衛」というイスラエルのナラティヴがニュース報道や外交声明を支配するに至っていることは、CNNのインタビューを見れば明らかだ。アンカーのキャロル・コステルは当惑を隠せないインタビュー相手に大真面目で訊ねたのだ、「なぜハマースはイスラエルに、トンネルがどこにあるか教えないんですか?」

同様に重要なことは、イスラエルが現在進行中のハマースとの戦闘の中でも、とりわけこのラウンドを取り上げたという事実をイスラエルが曖昧にしていることだ。実際、イスラエルはすべてをシニカルに曖昧にした。

BBCのある記者が最近、イスラエル警察のスポークスマンから、何週間も軍事担当記者のあいだで流れていた噂が事実であることを確認した。6月に西岸で起きた、3人のイスラエル人の10代の少年たちの誘拐――ハマースに対する軍事攻撃の引き金となった事件だ――は、単独犯の犯行であるということだ。

ネタニヤフはそれとはまったく反対のことを主張して――ハマースの組織的犯行であることの強固な証拠を自分は持っていると――、軍に対し、何百人ものハマースのメンバーを逮捕し、西岸のハマースの諸機関を粉砕する自由手形を与えたのだった。

弾圧は必然的な怒りを生み出した。ハマースはガザの諸党派に限定的なロケット発射を認めた。アナリストのネイサン・スロールが最近、述べているところによれば、イスラエルがガザの封鎖を維持することで18カ月前の停戦合意を侵犯しているにもかかわらず[2012年11月の8日間にわたる攻撃の停戦に際し、イスラエルによる封鎖解除が停戦条件だった――訳者]、ハマースはそのときになるまで停戦を遵守していたことに、イスラエル軍は感心していたという。

こうして、ロケットがネタニヤフにガザを攻撃する言い訳を与えた。だとすれば、ネタニヤフの、ガザ侵攻の真の理由とは何か? これら数多くの嘘が隠そうと企図しているものとは何か?

ネタニヤフは戦略的脅威に終止符を打ちたいと思っているのではないか。ハマースのロケットでもトンネルでもなく、ハマースと、前々からライヴァル関係にあるファタハのあいだの統一政府の樹立という脅威である。パレスチナ人が統一すると、ネタニヤフに対し[和平]交渉の席につけという圧力がまたもやかかり、あるいは、国連においてパレスチナ国家樹立に向けての新たな、さらに説得力のあるキャンペーンに直面することになる。

だが、ハマースは予想を裏切りイスラエルに対しかなりの軍事的成果をあげたことで――兵士数十名を殺害し、イスラエル全土に長距離ロケットを発射、イスラエル唯一の国際空港を束の間だが閉鎖に追い込み、40億ドル以上と推定される経済的損失をもたらしている――イスラエルは計算をやり直しているのかもしれない。

今のところネタニヤフは、ハマースと交渉しろと国際的に圧力をかけられるより、イスラエル兵を引き上げた方がいいと考えているようだ。ハマースの要求の核とは、イスラエルが封鎖を解除することだとネタニヤフには分かっている。

だが、長期的に考えると、ネタニヤフはパレスチナの統一を必要とするかもしれない。少なくとも、彼の任期中は。ハマースが得た成果を切り崩すためだ。

イスラエルがガザに対する攻撃を始めたとき、ネタニヤフは西岸に関心を向け、通告した、「我々はいかなる合意のもとでも、西岸における安全保障のコントロールを断念するつもりはない」と。西岸がガザよりはるかに大きいことを考えると、イスラエルは「さらに20ものガザを生み出して」しまうかもしれないことを恐れているのだ。」

ネタニヤフは、パレスチナ国家についてのいかなる希望も妨げてきた。「非軍事化され」、厳しく限定され、イスラエルと合衆国に絶対的に依存する、そのような存在だけが唯一、イスラエルが協議の対象にしてもよいと考えているものだ。

パレスチナのリーダーであるマフムード・アッバースとファタハをガザに入れることは、封鎖を緩和することを正当化する理由になるだろう。だが、それは、アッバースが、ハマースの軍事的インフラを取り除き、彼が西岸に作ったモデルをこの海岸の飛び地に輸出することに同意する限りにおいてだ。そのモデルとはすなわち、イスラエルと合衆国の命令に際限なく従うということだ。[翻訳:岡 真理]

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ガザの実態はまさにゲットー....だ...

どうしてこんなことが許されるのか



「ガザの苦悩を思うことは
 反ユダヤになることでも
 ハマス支持や反イスラエルになることでもなく
 それは私を人間にする」