この宙にあってたったひとり | 江口昌記の 月のうさぎ

この宙にあってたったひとり


どうせだったら
他人と違う自分になりたい

そうはげんできたのだから

火の粉とかぶる区別や孤立だって
心配されるほどの苦しみじゃない

確かにひとときは
寂しさにめいったり
哀しみにまみれたりはするけれど

それは時の試練
蜜のトゲ


 この宙にあってたったひとり


白金の勲章は
紅薔薇の棘の中に
素手をねじ込みつかんだもの

自分が傷つかずに手にできる宝物てのは
どこかで売られていたレプリカなんだよ






この宙にあってたったひとり

in the shadows... / Visual Images provided by Nicolas Alejandro


1512014