●語種(ごしゅ)和語(大和言葉)・漢語・外来語(洋語)、混種語
★語種(ごしゅ)日本語の単語を出自によって分けた種類。
http://p.tl/xAFG
★和語(大和言葉)・漢語・外来語(洋語)、および、それらの混ざった混種語に分けられる。
和語は、「やま」「かわ」「さくら」「あさひ」「のりもの」「おもちゃ」「さかな」など、日本古来の固有語、または、固有語の組み合わせや変化形を指す。

★漢語は、「山脈」「庭園」「桜楓」「旭日」など、中国古来の漢字音を用いた語を指す。多くは中国語からの借用語であるが、日本で漢字音を用いて作った「三味線」「演説」「哲学」「経済」などの語も含まれる。

★外来語は、「ペン」「ギター」「コーヒー」「エチケット」「エネルギー」など、一般には漢語以外で他言語に由来する借用語を指す。その多くは西洋語であり、なかでも英語に由来するものが多い。日本で作られた和製洋語・和製英語もある。

★混種語は、語種の異なる単語からなる複合語である。「歯ブラシ」(和+外)、「運動靴」(漢+和)、「プロ野球」(外+漢)、「半そでシャツ」(漢+和+外)など、その組み合わせは多様である。

★戦後の日本語では和語と漢語、和語と漢語による混種語が同義の外来語に置き換えられるか外来語が優勢になる傾向があり、「ちち(乳)」(和)→「ミルク」、「衣紋掛け」(漢+和)→「ハンガー」、「施錠(する)・錠」(漢)→「ロック(lock)」などの例がある。
 
●大和言葉(やまとことば)(和語から転送)
http://p.tl/YS5O
古くは和歌や雅語、女房言葉のことを意味したが、現在ではもっぱら日本語の語種(単語の出自)の一つであり漢語や外来語に対する日本の固有語を指す。
●大和言葉の特徴 
http://p.tl/d27X
●語彙(ごい)  http://p.tl/qsfy
漢語や外来語と動詞「する」からなる複合語を除くほとんどの動詞や形容詞、および、全ての助詞が大和言葉である。みる(見る)、はなす(話す)、よい(良い)、が(主格の助詞)、うみ(海)、やま(山)、さくら(桜)などがあげられる。
ある特定の範囲(例えば、一つの文学作品や、一個人の発言記録など)において使われる単語の総体(「彙」は「集まり」の意味)。したがって、通例「語彙」を個々の語を示す表現として用いることはできない。たとえば、「あの人は語彙が豊富だ。」という文は容認できるが、「『もったいない』という語彙」と述べることには不自然さが伴う。語彙を体系的に記述研究する言語学の分野を語彙論という。
●音韻(おんいん)
http://p.tl/fIJB
大和言葉の音韻には以下の特徴がある。
語頭に濁音・半濁音が来るものは一部の語彙に限られる。「だく(抱く)」、「ばら(薔薇)」等の場合、古くは語頭にイ・ウ・ムなどを持つ語形があり、「いだく」、「いばら・うばら・むばら」という形があった。その他「ビュービュー」「ピカピカ」などのオノマトペ、動植物名(ブリ、ブナなど)、清音から交替して作られたもの(ジジ<チチ、ババ<ハハ、ガニマタ<蟹・股など)、概してマイナスの意味を持つ語(ズルイ、ブツ(打つ)など)がある。
語頭にラ行音が来ない。これはアルタイ諸語と共通する特徴である。古語の「らうたし」、「らうがはし」のラウは漢語と推定される。
また合成語が作られる際、前の語の母音が変化することがある。き + たつ(木 + 立つ) → こだち(木立)、さけ + たる(酒 + 樽) → さかだる(酒樽)など。ただし、必ずしも「き」や「さけ」などが古い形とは言えない。
もともと日本語・中国語などで漢字の音を構成する声、音などの総称。漢語の音声を研究する学問を音韻学という。また近代の言語学では、意味の弁別をなす最小の音声単位であるphonemeの訳語として当てられ、phonemeを研究する学問を音韻論と呼んでいる。この場合の音韻は音素(おんそ)と同義であるが、各言語の歴史的な変化や体系性といった文脈で語られることが多い。中国音韻学と音韻論とはまったく別の学問である。
●参考文献    
http://p.tl/ICpu
中西進 『ひらがなでよめばわかる日本語のふしぎ』 小学館(原著2003年7月20日)、初版。ISBN 9784093874526。
木村晟編 『江戸期女性語辞典』 港の人、2006年
●関連項目
http://p.tl/sI6Y 日本語
http://p.tl/F0tB 上代日本語
http://p.tl/0V4o 中古日本語
http://p.tl/ttZb 中世日本語
http://p.tl/XNdb 女房言葉
http://p.tl/SQM0 漢語
http://p.tl/PhE2 外来語
http://p.tl/4PbP 固有語
http://p.tl/rnyf 借用語
http://p.tl/cY79 音読み
http://p.tl/LJXl 訓読み
http://p.tl/jyK5 重箱読み
http://p.tl/4qm0 湯桶読み
http://p.tl/zFQu 有職読み(ゆうそくよみ)
http://p.tl/5YoL 日本の文化
http://p.tl/yL6G 古事記(こじき、ふることふみ)
http://p.tl/9mbJ 日本書紀
http://p.tl/H1AT 本居宣長