●女房言葉(女房詞・にょうぼうことば)
●女房言葉(女房詞・にょうぼうことば)
http://p.tl/-RVD
室町時代初期頃から宮中や院に仕える女房が使い始め、その一部は現在でも用いられる隠語的な言葉である。語頭に「お」を付けて丁寧さをあらわすものや、語の最後に「もじ」を付けて婉曲的に表現する文字詞(もじことば)などがある。

省略形や擬態語・擬音語、比喩などの表現を用いる。優美で上品な言葉遣いとされ、主に衣食住に関する事物について用いられた。のちに将軍家に仕える女性・侍女に伝わり、武家や町家の女性へ、さらに男性へと広まった。

有職故実書『海人藻芥』や『日葡辞書』・『日本大文典』などのキリスト教宣教師による日本語本にも一部が記されている。
 
●宮中(きゅうちゅう)
http://p.tl/DiEa
皇居の中のこと。後に政府の中を意味する府中が国政そのものを意味するようになったのに対して、宮廷の事務・皇室の家政を意味するようになった。
・宮中 (曖昧さ回避) 
http://p.tl/mvvd
・宮中(きゅうちゅう、くじゅう)
 ・宮殿の中を指し、禁中(禁裏)にほぼ同じ。とくに日本では御所・皇居を指す。
 (
http://p.tl/V6ZC ) 禁中(きんちゅう)http://p.tl/5SQF  
    《禁闕(きんけつ)の中の意》皇居。宮中。禁裏。
・きんけつ【禁闕】
皇居の門。また,皇居。宮闕。金闕。 「願はくは建立成就して-鳳暦御願円満/平家 5」
 ・神社の境内を指す。
 ・茨城県鹿嶋市の町名(鹿島神宮がある)⇒宮中(きゅうちゅう) (鹿嶋市)。
宮中(きゅうちゅう)は茨城県鹿嶋市の地名。現行行政地名は宮中一丁目から宮中八丁目及び大字宮中。2010年4月1日現在の人口は9,774人。郵便番号は314-0031。
 
●もじことば【文字詞】
物の名を直接に言うことを避け,ある語の頭の一音ないし二音に「もじ(文字)」という語を添えていうもの。中世後期の女房詞から起こる。「湯具」を「ゆもじ」,「はずかしい」を「はもじ」などという類。
・もじことば 【文字詞】
物の名を直接に言うことを避け、ある語の頭の一音ないし二音に「もじ(文字)」という語を添えていうもの。中世後期の女房詞から起こる。「湯具」を「ゆもじ」、「はずかしい」を「はもじ」などという類。
 
●語尾(ごび)
http://p.tl/qLB9  語の最後に「もじ」を付けて婉曲的に表現する
形態論で活用する語の変化する部分を指す。これに対して変化しない部分は語幹という。語幹が語尾と結びつき、派生語幹となってさらに語尾を取るものがある。語尾に実質的な意味はなく、文法的な意味を表している。語尾は名詞、動詞、形容詞等違う品詞から文法化したものが多い。語尾を伴わずに語幹だけでも用いられる場合には、語尾は接尾辞と見ることもできる。

又日常の語として語尾と言った場合、単に「台詞の終わり」「言葉尻」のことを意味する場合もある。これは上記のような文法上の定義と概ね重なるが、必ずしも一致しない。

単純に語の末尾に在る音、文字等を指す場合は、語末のほうが正確である。
 
●優美(ゆうび、ゆみ、ゆうみ、まさみ)
 ・優美(ゆうび) - 優れて美しい様を表す日本語の名詞・形容動詞、朝鮮語の名詞、中国語の形容詞。
 ・優美(ゆみ、ゆうみ) - いずれも日本の女性に使われる人名の一つ。
 ・優美(まさみ) - 日本の人名の一つ。
 
●転義法(てんぎほう)あるいは転義(てんぎ)(英、trope)(比喩から転送)
http://p.tl/U2oe
修辞学の修辞技法の一種で、例えば、言葉を文字通りの使い方あるいは標準的な使い方とは別の方法で用いることを指すための学術的な用語。
 
日本語で通常「比喩」「比喩的用法」あるいは「喩」などと呼ばれているものは、およそこれに相当する。洒落も転義法に含まれる
 
●「シャレ」
http://p.tl/VYsD
 洒落(しゃれ)とは、垢抜けていること、気の利いていること。洒落の利いていることを洒落るという。
 
語源は、一説には、「曝れる(しゃれる)」、つまり「曝される(さらされる)」の意味で、曝されて余分なものがなくなったということからという。
 
洒落に関する言葉
お洒落(おしゃれ) - 特に、服装や髪型,身なりが洒落ていること。
駄洒落(だじゃれ) - 出来の悪い洒落。ここでは地口のこと。
洒落女(しゃれおんな) - 遊女のこと。
洒落本(しゃれぼん) - 主に遊郭をテーマにした江戸中期の大衆文学。
洒落風(しゃれふう) - 芭蕉の弟子其角が興した俳諧の一派。
お洒落番長(おしゃればんちょう)- グループの中でもファッションリーダーのこと。
    または、ファッションに強いこだわりを持った格段にオシャレな人物に与えられる称号のこと。
マツダ・トリビュートの台湾名、「マツダ・オシャレ」。

 
●玉兎 (舞踊)  
http://p.tl/Gw7f
『玉兎』(たまうさぎ)
歌舞伎・日本舞踊の演目のひとつ。
月の兎が臼と杵で団子を搗き、またかちかち山の狸退治の様子も踊るというもの。
●解説
『月雪花名残文台』のうち「玉兎月景勝」。三代目坂東三津五郎の兎の精。左上の月に見立てた丸の中には、「月雪花之所作事 御名残り狂言仕(つかまつり)候」とある。歌川豊国画。文政3年(1820年)9月の江戸中村座で『一谷嫩軍記』の二番目大切に、七変化舞踊『月雪花名残文台』(つきゆきはななごりのぶんだい)のひとつとして三代目坂東三津五郎が初演した。二代目桜田治助作詞、作曲は清澤満吉。七変化の内容は、

浪枕月浅妻(なみまくらつきのあさづま)…長唄
玉兎月影勝(たまうさぎつきのかげかつ)…清元節
狂乱雪空解(きょうらんゆきのそらどけ)…長唄と清元の掛合い
猩々雪酔覚(しょうじょうゆきのよいざめ)…長唄
寒行雪姿見(かんぎょうゆきのすがたみ)…長唄
女扇花文箱(おんなおうぎはなのふみばこ)…富本節
恋奴花供待(こいのやっこはなのともまち)…長唄
と、月・雪・花の構成で演じたもので、今に伝わる『玉兎』はこのうち月の部の「玉兎月影勝」にあたる。ちなみに「浪枕月浅妻」と「寒行雪姿見」も、現在それぞれ所作事の『浅妻船』、『まかしょ』として残り演じられている。

舞台はススキなどのある秋の野で空には月、舞台中央に臼が置かれ、まず月の兎の精が杵を持って団子をつく所作を見せる。そのあと『かちかち山』の話となりひとりで兎、狸、爺と婆の四人を踊り分け、さらに「お月様さへ嫁入りなさる」とひなびた唄で踊り、最後はまた臼と杵を出し、杵を振り上げたかたちで決まって幕となる(振付けによってはこうでは無い幕切れもある)。

三津五郎初演の時には舞台の上から月の作り物が降りてきて、その月の中に三津五郎扮する兎の精が杵を持って現れ、そこから舞台に飛び降りるという登場をした。そして兎の精の姿は下がりを付けたふんどしだけの裸の上に襦袢ひとつ、頭には鉢巻を巻くがその両端を兎の耳に見立てて角のように立てるというものであった。現在でもこの通りの姿で演じられることがある。歌詞にある「月の影勝飛び団子」とは、江戸や大坂で売られていた影勝団子(かげかつだんご)という団子のことで当時の名物のひとつ。『月雪花名残文台』は三代目三津五郎が大坂へ下る暇乞いとして出されたもので非常に好評を博し、9月9日から10月20日まで演じられた。11月の顔見世がなければ春までも続くだろうといわれたほどの大入りだったという
 
●歌詞
実に楽天が唐歌に つらねし秋の名にしおう三五夜中新月の 中に餅つく玉兎 餅じゃござらぬ望月の月の影勝 飛び団子
やれもさ うややれ やれさてな 臼と杵とは 女夫でござる
やれもさやれもさ 夜がな夜一夜 おおやれ ととんが上から月夜にそこだぞ
やれこりゃ よいこの団子ができたぞ おおやれやれさて あれはさて これはさて どっこいさてな 
よいと よいと よいと よいと よいとなとな これはさのよい これはさておき
昔むかし やつがれが 手柄を夕べの添乳にも 婆食た爺やが その敵 討つや ぽんぽらぽんと腹鼓 狸の近所へ 柴刈りに きゃつめも背たら大束を えっちり えっちり えじ雁股 しゃござんなれ こここそと あとから火打ちでかっちかち
かっちかち かっちかち かっちかちのお山といううちに あつっ あつっ そこで火傷のお薬と唐辛子なんぞでみしらして
今度は猪牙船 合点だ こころえ狸に 土の船 面舵 取り舵ぎっちらこ 浮いた波とよ山谷の小船 こがれ こがれて通わんせ
いや こいつはおもしろ俺様と 洒落る下より ぶくぶくぶく のうのう これはも泣きっ面 よい気味しゃんと敵討ち 
それで市が栄えた手柄話にのりがきて
お月様さえ 嫁入りなさる やときなさろせ とこせい とこせい 年はおいくつ十三 七つ ほんにさぁ お若いあの子を産んで
やときなさろせ とこせとこせ 誰に抱かせましょうぞ お万に抱かしょ 見てもうまそな品物め しどもなや
風に千種の花兎 風情ありける月見か
 
●女房言葉の事例  
http://p.tl/nAiD
●語頭に「お」が付く
●語尾に「もじ」が付く(文字詞)
●その他
こうこ(たくあん)
こん(肴)
いしいし(団子)
青物(野菜)
なみのはな、波の花(塩)
なす、ナス(旧名は奈須比)
みずのはな、水の花、水の華(鮎、鱸)
へちま(糸瓜、旧名はいとうり→とうり
 
●もじことば・・文字詞   
http://p.tl/Z28q
ことばの 虫 メガネ   織田道代