自分が高校の時には習わなかった!? エピジェネティクス | 医療事務会社のサラリーマンのブログ

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医療事務業界(会社の仕事です)や読んだ本、日々気になる出来事について綴ります。
なお、このブログに記載していることは、あくまでわたくし個人の意見であり、会社の意見を反映したものではありません。

エピジェネティクス
出版社 岩波新書
著者 仲野 徹
出版年 2014/5/20
価格 780円(税別)
評価 ★★★★

久々にブログ更新します。
ブログ更新頻度には
その時の自分の精神状態が、
如実に現れますねぇ。

閑話休題
以前この本
を読んだ時に、エピジェネティクスの話しが出ていたので、
読んでみました。

以前は、
母親の胎内で飢餓状態(本当に食べ物が無かったり、極度のダイエットを
していたりした場合)を感じたら、子どもは胎内にいる時から、
間葉系幹細胞が脂肪細胞により多く変わる。

といった例の要因として語られていました。

なかなか難しいのですが、
自分(40代前半)が高校生の時に習っていたのとは、
別の(新たな)知見が生物学に発生しているのだなぁ、
と思いました。

自分が高校のときはまだヒトゲノム解明前でした。
ヒトゲノムが2次元の地図とすると、
エピジェネティクスは3Dの画像ぐらいの差が
あるみたいですので、本当に隔世の感があります。

でも、これからの“教養”としても、
覚えておいたほうが良いかなぁ、という気がしますので、メモ

■エピジェネティクスの定義(P21)
エピジェネティクスの定義とは、
 DNAの塩基配列の変化を伴わずに、
 染色体における変化によって生じる、
 安定的に受け継がれうる表現型である

表現型の変化は、必ずしも突然変異のみで生じるものではないんですね。

■エピジェネティクスの特徴(P50)
・ヒストンがアセチル化を受けると遺伝子発現が活性化される
 →これ読んで下さいね、という付箋が付与されているイメージ
・DNAがメチル化されると遺伝子発現が抑制される
 →遺伝子に伏字されているイメージ
いやぁ、自分たちの高校時には“ヒストン”なんて言葉、
知らなかったなぁ。

■体細胞と生殖細胞の違い(P76)
体細胞;受精卵の段階で徐々にDNAがメチル化される
生殖細胞;始源生殖細胞の段階で、それまで受けていたDNAメチル化が
     再度脱メチル化を受ける


遺伝子の塩基配列は薬で替えることはできません。
でもエピジェネティクスの状態は、薬でコントロールが可能な場合があります。
もし、特定の疾患の主たる要因がエピジェネティクスによるものであるなら、
その疾患は薬でコントロールが可能という事にもなります。
それを聞くと、今後に期待を抱かせる内容です。
もっとも著者は今後の展望について随分抑制的な
感じで、最終章で述べていますが。
それだけまだまだ分からないことが多い領域という事なんだと思います。

わからないけど、わかるととても面白い気がします。
エピジェネティクス――新しい生命像をえがく (岩波新書)/岩波書店

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どうせならこれも読みたい。


人体 ミクロの大冒険 60兆の細胞が紡ぐ人生 (ノンフィクション単行本)/KADOKAWA/角川書店

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