「東電は福島の災害に関する真実を隠蔽していた」とRT(ロシア・トゥデイ)が報道

‘TEPCO covered up the truth about Fukushima disaster’
10月28日【RT】http://rt.com/op-edge/200107-fukushima-japan-tepco-nuclear-disaster/





AFP Photo / Pool / Kimimasa Mayama


福島原発の核災害についての真実を東電が隠蔽し続けており、現在、情報を小出しに出しているのは、一般人が次の悪いニュースに対して心の準備ができるようにするためだ、とRTの「In the Now」という番組の中で、コーベット・レポート(The Corbett report)の編集者であるジェームス・コーベット氏が発言した。


ジャーナリストの堀 潤氏はNHKから自主退職しているが、この日本の公共放送のアナウンサーであった彼は、彼が福島原発の災害について話せることはNHKによって制限されており、放射性物質がどこまで飛散しているかという情報の報道については、他局よりも遅れていたと話している。


RT:東電は一般市民から情報を隠蔽していたことについて、何の咎めも受けなくて済むのでしょうか。

ジェームス・コバート:東電は嘘をついて意図的に一般人を混乱させ、同社が把握している真実、あるいは現場で起こっていることについて認識していることを隠蔽してきました。事故が起こった初日からです。

それはもちろん、事故発生当初から始ったもので、72時間内に福島第一原発の3基の原子炉が完全にメルトダウンしていたことも、東電は知っていました。
実際に、東電はメルトダウン発生から、3ヶ月近くも経ってからようやくこの事実を明らかにしています。

そしてそこからも、ずっと続いています。

投棄された放射物の量についても隠蔽がありました。東電は当初の見積もりの250%であったと訂正する羽目になりました。

東電がかつて、そして現在も、300トンの放射能汚染水が現場から放水されているという事実についても隠蔽がなされています。

これについても、この出来事が始ってから2年後の2013年の夏になるまで公に公開されていませんでした。

隠蔽につぐ隠蔽が明らかにされていますが、その上、その出来事が起きてからかなり時間が経ってから明らかにされています。

東電はかなりの問題から免れているのは確実だと思います。

同社の慣習を見ていると、これが協調戦略なのかどうかはわかりませんが、情報をごく少量ずつ長い時間をかけて公開することで、前回の悪い報せに慣れてから、新しいニュースが一般人を襲うように、あえて時間を設けさせているのは確実ではないかと思われます。



AFP Photo / Pool / Kimimasa Mayama



RT:東電と日本政府はどれくらい緊密な関係なのでしょう。


ジェームス:現在、日本政府が東電の筆頭株主になっていますので、厳密に言うと東電は国営だと言えるでしょう。

つまり、日本政府は東電との間に直接的な利害関係があるわけです。明らかに政府の利害と企業の利害が直接、財政的に結びつき、企業と政府の間に一種の直接的なつながりがあることが明白なケースです。

さらに日本政府は国内の原子力規制機関を改革しようと試み、また、福島原発の除去作業対策に特化した東電の別部門を設置しようと試みているという、非常に危惧されるべき状況が作られています。

しかし、このようなプロセスを監督するはずの独立した団体や機関は、現在は実質上同じ立場にある政府と東電両者の単なる緩衝装置に過ぎません。両者は婚姻状態にあるも同然ですから。


RT:つまり、福島の原子力事故から明らかにされた新事実や、そこから引き起こされるであろう影響をもってしても、原子力産業に対する統制の引き締めが実際には行われていない、ということですか?


ジェームス:現時点では、日本政府も東電も引き締めなどは行っていないことは確実です。

実際、日本国内の他の原子炉は保守管理の目的ですべて閉鎖されていますが、現在までこれらの原子炉は再開されていない状況を私たちは目の当たりにしてきました。

そして今、私たちの目の前では、これらの原子炉の再開をめぐって原発反対派と日本政府の間の争いが繰り広げられています。

他の原子炉の一部に対する安全対策に関するガイドラインの見直しが、福島の事故以来行われてきました。

しかし、発電所が安全とされる範囲内で運営をされているかどうかを決めるガイドラインとして使われている基準は、福島が信じられないほど不安定な環境の中での稼動が認められていましたが、そういった規制と同じくらい脆弱なものです。


ここの原子力規制機関に関して、また、多くのメンバーが原子力産業から様々な形で明白な賄賂を受け取っているという事実については、依然として多くの懸念が残されています。

日本国内での原子力産業と日本政府の長年に渡るつながりは微動もしておらず、両者は日本政府の原子力エネルギーに関する政策に引き続き影響力を持っているように思われます。



【注】このコラム内で表現された声明文や視点、意見などは著者のみに属するものであり、必ずしもRTの立場を表明しているとは限りません。




(翻訳終了)


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【コメント】


最後の注意文は、RTのお抱え経済評論家のマックス・カイザー氏のレギュラー番組の際などにもいつも表示されるお決まりの文句ですが、これを入れた上で大手メディアとしてはかなり過激な発言も報道させる、という報道方針がおもしろいと思います。


日本ではよく知られた事実なのですが、世界的な表舞台のプラットフォームでこのような発言を見るのはなかなか新鮮ですね。



また、最近はTIMES誌もNHKの言論統制について触れていました。

【真実を探すブログ様】「イギリスの新聞「Times」がNHKの内部文書を暴露!
日本政府がNHKに南京大虐殺や慰安婦などへの言及禁止を指示していた模様!


外交にもかかわる問題については慎重に取り扱われるべきだとは思いますが、日本の放送についてはNHKだけじゃなく、全体的に言論統制の度合いが激しいですよね。