加持祈祷/護摩/誤魔化す/i | 獨と玖人の舌先三寸

加持祈祷/護摩/誤魔化す/i

●加持――
“かじ”は、仏教用語のひとつです。
元々は、仏あるいは菩薩が不可思議な力によって衆生を守るという鎮加護持(ちんかごじ)、神変加持(じんべんかじ)を指します。仏の大悲の力が衆生に加えられ、一方 衆生の信心が仏に伝わることでその効果を発揮するとされています。
密教においては、
「加持とは、如来の大悲と衆生の信心とを表す。仏日の影、衆生の心水に現ずるを加といい、行者の心水よく仏日を感ずるを持と名づく。」(弘法大師“即身成仏義”)
仏が大悲・大智によって衆生に応じることを「加(加被)」、衆生がそれを受け入れることを「持(摂持)」と解釈します。双方が相応一致することで三密が融合し、他を己におさめ持ち、死後の成仏をはじめ各種の効果を成就させること、これを「三密加持」と称します。
三密加持を実現させるために、行者は手に仏の印契(いんげい)を結び(身密)、口に仏の真言を唱え(口密)、心に仏を観ずる(心密)こと(即身成仏が可能になる)が必要とされ、そのために各種の行が行われます。それらの行のために、必要な呪禁の作法も加持と称します。
また、衆生が神仏の助けを借りるために、衆生自身あるいは仲立ちである僧侶が行う祈りのことも加持と呼ばれ、祈祷と同一視され、両者を組み合わせた“加持祈祷(かじ きとう)”とも呼ばれました。

国語では、 「仏の加護」、「密教での意味(上記)」、「真言行者としての意味(上記)」、「神仏の加護を受けて災いをはらうこと」、「“祈祷と同意に用いる”」となっています。
文化では、「密教の行法に始まり、民間にも広まった祈祷の形態」、「神仏の加護を求める行法を修し、病気平癒や災禍除去などの現世利益(げんぜりやく)を祈ること」、「“祈祷・念仏などによって神仏から授けられる、この世でのしあわせ”」、「現益」などと表されます。


●加持祈祷――
密教において重視される、仏の呪力を願う一種の儀式のことです。
加持は(上記)、手印、真言、観想などの方法で加護を衆生に与えることです。
祈祷は、呪文を唱えて神仏に祈ることを意味しており、加持を得るための手段の1つに過ぎない意味だったはずが、いつからか混同されて用いられるようになりました。
真言宗においては、手に印契を結び鈷(こ)を用い、護摩をたき、真言(マントラ)を詠唱して仏の加護を求めます。祈祷を行う儀式である修法(ずほう(→すほう→しゅほう))には、大きく分けて息災・増益(そうやく)・敬愛・調伏(ちょうぶく)の4つの体系があり、これにより除災招福などの現世利益を期待しました。
効験を得るために、特定の陀羅尼、印契を修して念じる呪法を祈祷と捉え、積極的に行われました。鎮護国家の思想とも結びつき、“金光明経”や“仁王経”の読経が盛んに行われたようです。
また、陰陽道の発達によって、その要素を取り込みながら日本独自の加持祈祷が成立していきます。
平安時代中期には、皇室から庶民に至るまで、国家の大事から日常の些事まで、全て加持祈祷によって解決しようとする風潮が深まっていました。
天皇個人のための祈祷を行う護持僧は、延暦寺・園城寺・東寺などの密教の大寺院の高僧から選任されました。
国家・宮中行事は然も、天災・疫病・出産など様々な名目で各種の祈祷(請雨法、孔雀王法、愛染王法、北斗法ほか数多)が行われました。

陰陽師の呪法は、仏僧の加持祈祷と目的が重複したため、陰陽師が占いで神気を見た場合には仏僧は修法を辞退して陰陽師に任せました。病気を引き起こす祟りの起因によって、僧侶に依頼するか陰陽師に依頼するかが異なったようです。
鎌倉時代以降、日蓮宗や曹洞宗などでも民衆の取り込みのために、加持祈祷と救済活動を組み合わせた活動が行われました。陰陽道ともども加持祈祷と医療知識が組み合わさり、民間医療的な活動も行っていたようです。
一方で、浄土真宗はこれを否定しました。


※陀羅尼――
だらに。仏教において用いられる比較的長い呪文の一種を言います。
意訳すると総持、能持、能遮などといい、サンスクリット語「ダーラニー」は“記憶して忘れない”という意味であって、元来 仏教修行者が覚えるべき教えや作法などを指していました。陀羅尼は、暗記して繰り返しとなえる事で雑念を払い、無念無想の境地に至る事を目的としていたのです。“能遮”という意訳は、雑念妄想を「能く遮る(よくさえぎる)」という意味です。
構成は、多くの場合が仏や三宝などに帰依する事を宣言する句で始まります。本文は、神仏への呼びかけや賛嘆、願い事を意味する動詞の命令形等で、思想上 深い意味は持たせていません。文末は、成功を祈る聖句「スヴァーハー(ソワカ、ソモコなどと音写される言葉)」で終わります。
意味の希薄な言葉で綴られているのは、元来これが無念無想の境地に至る事を目的としていたためで、具体的かつ意味のある言葉では、かえって日常的な連想が働いて雑念を呼び起こしてしまうと捉えられていたためです。
やがてこれは“暗記されるべき呪文”と浅はかな解釈で捉えられる様になり、一定の形式を満たす呪文を特に陀羅尼と呼ぶ様になっていきました。しかし、その神秘的な詠唱の響きから、これを唱えたり書写したり、なにより暗記する事で、様々な霊験が現れるという信仰が生まれていったのです。

※厩戸皇子が父 用明天皇のために法隆寺を建立したこと、天武天皇が皇后 うののひめみこ(漢字出ず)のために薬師寺を建立したことも加持祈祷の一環であったと考えられていますが、加持祈祷が広く行われるようになったのは、密教伝来以後の平安時代以降であることから、誤りかと思われます。



●護摩――
ごま。焚く、焼くを意味するサンスクリット語のホーマ(homa)を音訳して書き写した語になります。
古代インド、バラモン教の儀礼でした。仏教には大乗成立の過程で、“密教”という一派に取り入れられました。現在に至っても、護摩焚きが行われている宗派は天台宗と真言宗のみです。
護摩焚きを修法するための御堂が“護摩堂”と呼ばれます。
御本尊の前に護摩壇を設け、その周囲に御香、供物を備えます。そして壇に火を点じ、まずは「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」を称え弘法大師の供養から始まります。
火は御本尊の智慧を象徴し、薪は煩悩を表します。
火中に供物を投じ、護摩木(ごまき。薪)を焚いて祈願を行う外護摩、
護摩壇を自身に見立て、その火で心中の煩悩や業を焼き払い、願望を清める内護摩――があります。
御護摩の修法を行ない、祈りをささげる儀式を「加持祈祷」と呼びます。

※神道には本来 護摩焚きは存在しません。行われている所は神仏習合されていた権現社やお宮、また、明治の神仏分離で神社に強制改組された神道神社かと思われます。



●誤魔化す――
ごまかす。漢字は当て字のようです。胡麻化すとも書きます。これまた、江戸時代に登場した言葉です┐(゜∀゜≡゜∀゜)┌
本心を見やぶられないよう、話をそらしたり、でまかせを言ったりして、その場やうわべをとりつくろうこと、不利益を被らないように取り繕うことを意味します。紛らす、騙す、嘘、言い抜け、逃げ口上、詐欺、瞞着などなど…。

・“護摩の灰”――
旅人を騙して金品を巻き上げる泥棒のことです。
高野聖(こうやひじり)の装束を身に着けて、弘法大師の護摩の灰だと偽って売り歩いた者がいたことから、押し売りや詐欺商人をこう呼ぶようになりました(▼▼メ)

護摩に、「紛らかす」、「騙かす」の“かす”をつけたという説が存在しています。
燃えカスなどという言葉を使いますが、灰や煤はカスと言いません。

・“胡麻胴乱”――
ごまどうらん。江戸時代(文化文政期(1804~1830年))にあった“胡麻胴乱”というお菓子。小麦粉に胡麻をまぜて水でこね、焼き膨らませたものです。中が胴乱のように空洞になっていたようです。

この“胡麻菓子(ごまかし)”説。外見はよいが内容のない人を嘲笑った言葉です。見かけ倒しの意味があります。

(某は、これとは違う意味を考えていましたが…┐(-ε-)┌)










作成本日3月8日。思い出した言葉なう。

つひにゆく 道とはかねて 聞きしかど きのふけふとは 思はざりしを――

“死”というものは、誰もが最期には行かねばならぬ道とは聞いていたが、昨日今日とこんなに早くやってくるものとは思ってもみなかった。
「しまった~(○□○;) それならもっと早く、なにか考えておくんだった!」
ヽ(゚ロ゚; )ギャアア!!ΞΞ\(  )/ΞΞギャアア!!( ;゚ロ゚)/
「もっと遊んでおくんだった!!ダッε=ε=ε=ε=ε=┏( >_<)┛ ... ...ズベッ(ノ_ _)ノ 」

平安時代、“好色無双”と称された在原業平(ありわらの なりひら)が、死を感じた時に詠んだ歌です。
古今和歌集のみならず、伊勢物語、大和物語にも収録されています。
顔文字付きの二文は某の勝手な解釈ではありますがwwww 一種の後悔にも似た気持ちが表れている歌とは思いませんか。
それに、共感できるんですよねー………(。-ω・)『+』┳-━┴ ∝ ドギュ――-----…‥ ン
大病、大怪我………そのような時、それまで他人事と見ていた“死”が、身近なものとして認識されます。その愕然たる気持ちが、よく表現されてますねー... ... ...⊂⌒~⊃。Д。)⊃ バタン……










まあ。東武スカイツリーラインとか、東京スカイツリー駅とか。超つまらん。長いわダサイわ勘弁してくれ。17日からだっけ?('・言・`)ケ
スカイツリーはいい。業平の地名はまんまだ。しかし――なんか気に入らんのだよ┐(○`ε´○)┌ 沿線に住む者だがね。「東武線」でいいじゃねえか。「業平橋駅」でいいじゃねえか。めんどくせー。マジメンドクセー。