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『自然失業率①』三橋貴明 AJER2014.12.16(3)

http://youtu.be/AjgzRylJOYk

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 三橋経済塾第四期「経済時事」、開講しました。ID、PDの送付は、明日から開始となります。

 すでに、四期から入塾される方向けのコンテンツ(事前講習)はアップしてあります。三期から引き続き入塾される方は、特に不要だと思いますが、復習したい人は受講しておいてください。



 昨年、移民亡国論執筆のため、「移民問題」先進国であるスウェーデンを取材しました。ヒュースビーやマルメなど、移民の集住化によりネイティブのスウェーデン人が少数派になってしまった街について、現状をお伝えしました。


 怖かったのは、移民(主に中東・アフリカ系)たちが暮らす街が、一見、ごくごく普通の「古びた団地」にしか見えなかったことです。つまりは、いわゆる「スラム」ではないのです。


 普通の団地に、いつの間にか移民が住み着き、集住化し、ネイティブなスウェーデン人が出て行き、住民の八割以上が移民と化してしまう。日本でいえば、いつの間にか多摩ニュータウンの住人の八割が中国人になってしまうようなものです。同行者の多くが、同じ感想を抱いたわけですが、日本にとって全く他人事ではありません。


 さらに怖かったのは、ストックホルム中心地など、「移民が集住化した街」と離れた場所で暮らしているスウェーデン人が、移民問題を気にも留めていない(ように見える)ことでした。「自分とは関係ない」と思っているのか、あるいは「移民を問題視すことはタブー」なのか、双方かも知れませんが、いずれにせよ、
「国家というのは、このようにして解体されていくんだなあ」
 という感想を抱いたものです。


 とはいえ、表向きのスウェーデン人の対応が「移民無視」「移民容認」に見えても、社会分裂に対する不満は、マグマのように溜まりつつあるのは確かなようです


 スウェーデンにおいて、中東というか「イスラム」移民に対する、ネイティブなスウェーデン人の抗議のように見える動き(すみません。確定していないので、曖昧に書かざるを得ないのです)が始まっています。


スウェーデン モスク襲撃相次ぐ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150103/k10014410481000.html
 中東などから移民や難民を大勢受け入れてきたスウェーデンでイスラム教のモスクを狙った襲撃事件が相次ぎ、警察は移民の排斥を訴える者による犯行の可能性があるとみて捜査を進めています。

 スウェーデンの都市ウプサラで1日、モスクに火炎瓶のようなものが投げ込まれたうえ、建物の壁に「帰れ」と落書きされる被害が出ました。
 けが人は出ませんでしたが、スウェーデンでは去年の年末から各地で、モスクに火が放たれたり、窓ガラスが割られたりする事件が相次いでいます。
 スウェーデンは、内戦が続くシリアからの難民5万人以上を受け入れるなど、中東などからの移民や難民の受け入れに寛容な政策をとってきましたが、国民の一部の間で移民排斥を訴える声が高まっています。

 警察は、今回の一連の事件は移民排斥を訴える者による犯行の可能性があるとみて捜査を進めています。
 一方、首都ストックホルムでは2日、イスラム教徒への連帯を示す集会が行われ、現役の閣僚など数百人が参加しました。
 閣僚の1人は「モスクへの攻撃は人々を恐怖に陥れることを狙ったものだ」と事件を非難し、移民に寛容な社会の継続を呼びかけました。
 スウェーデンでは、去年9月の議会選挙で移民の規制を強く訴える極右政党が第3党になっており、移民や難民の受け入れを巡る議論が激しくなっています。』


 相変わらず、NHKはスウェーデン民主党(やフランスの国民戦線)について「極右政党」などとレッテル貼りをしていますが、ス民主党の移民政策は、別に過激とは思えません。


 スウェーデン民主党の公約はシンプルで、「スウェーデンをわれわれの手に取り戻そう」というスローガンの下、
責任ある移民政策
「安心で尊厳ある老後に」
「犯罪に妥協なき対応を」
 と、三つの重点政策を掲げています。三つめの「犯罪に妥協なき対応を」の中には、重大犯罪や再犯への厳罰化に加え、「移民重大犯罪者の国外追放」が含まれています。


 つまりは、ス民主党は「移民排斥」を掲げているわけではないのです。スウェーデンの社会福祉制度に、外国人が「フリーライド(ただ乗り)」していることを受け、
税金を納めない移民のただ乗りを認めれば社会福祉制度は崩壊する
 と、移民の受け入れを「減らす」ことを求めているに過ぎません。また、「重大犯罪を犯した移民」は外国に追放するべきと訴えていますが、移民排斥を主張しているわけではありません。


 この程度の「移民政策」で極右呼ばわりされてしまうわけですから、現在の欧州が抱える病は重いです。「移民追放」ではなく、「移民受入を減らせ」と主張するだけで、極右扱いというわけでございます。


 昨年の12月初旬、スウェーデン民主党は政府の予算案を否決することで、与党の中道左派政権を倒すことに成功しました。今年の3月22日、スウェーデンでは何と半世紀ぶりの「解散による総選挙」が実施されることになったのです。何しろ、国民の65%が、
「移民が社会にうまく融和できていない」
 と、政府の移民政策にNOを突きつけ始めています。3月の総選挙を、ス民主党は、
人口1人あたりの移民受け入れ比率が欧州で最も高いスウェーデンで、移民の是非を問う国民投票
 と位置づけようとしており、現時点で「唯一の勝者」になることが確定してしまっています。後は、どこまでス民主党が票を伸ばせるか、という状況になっているのです。


 下手をすると、NHKなどが「極右」扱いしている民主党が第一党になりかねません。フランスの国民戦線も同じですが、いい加減に日本のマスコミは「移民を減らそう」程度の移民政策を主張している政党について、極右呼ばわりすることは止めるべきです。


 いずれにせよ、2015年は昨年以上に「欧州の移民問題」がクローズアップされる一年になるでしょう。また、2月のギリシャ総選挙では「緊縮財政の是非」が争点になります。

緊縮財政による国民の貧困化
移民受入による社会の分裂
 我が国にとっても、決して他人事ではありません。この種の「世界各地の問題」と「日本の問題」の根っこが、実は同じだったりするわけで、そのあたりを解きほぐすことも、三橋経済塾第四期「経済時事」 のテーマでございます。


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