PWG : Battle of Los Angeles N2 Part2~Old school~ | コアドラのプロレス研究室

コアドラのプロレス研究室

プロレスレビュー、泥陀羅、ライブ雑感記など書いてます。
WWE/TNA/ROH/PWG/CHIKARA/CZW/DGUSA/AAW/AIW/EVOLVE/ドラゲー/新日/全日/DDT/大日/ K-DOJO/Wrestle-1/CMLL/AAA/IWRG/DTU



マット・サイダル vs.クリス・ヒーロー トーナメント1回戦
ゆったりとしたレスリング。チェーンレスリング的な趣の中に体格差を緩やかに反映させています。ヒーロー主導で打撃も徐々に解禁。このあたりから体格差を生かした見せ方も増やしていきます。
打撃の比率は多めではありますが、ただ打ち合うのではなく、ユニークなカウンターや技の居間に挟むので淡泊な展開にはなっていません。
剛柔をうまく織り交ぜ、豊かな展開を生み出しましたが、実験的な内容も多く、深みは出せず。良質な試合どまり。


ザック・セイバー・ジュニア vs.アダム・コール トーナメント1回戦
セイバーのヨーロピアンレスリング教室。
前日の6メン同様、コールの適応も素晴らしいですが、より密なやり取りを求められるうえで、適切な対応を続けています。
技を掛け合う原点へと立ち返った試合運びで、セイバーのことを歓迎していますが、わかりやすくファンへ示す気概も忘れていません。また、セイバー自身も卓越したテクニックの中に、PWGという空間に適したユーモアを加えるのを忘れていない。
独特のテクニックから腕攻めを提示したセイバーに対し、コールはいつものヒールとしての立ち回りに戻って鉄柱攻撃。試合進行のプロセスを全てセイバーに合わせるのではなく、自分らしさも織り交ぜます。
コールは普段行わない立ち回りを見せたことでセイバーと積み上げの方法論でずれが生じたのだけがもったいなかった。
終盤の攻防の重ね方と落とし方は素晴らしい。テクニカルバウトとして理想的な決着でした。好勝負。


ケニー・オメガ vs.ACH トーナメント1回戦
陽気な二人がコメディタッチでプロレスを繰り広げます。エンターテイナーとしての立ち振る舞いで、PWGの空間にアジャストしていきます。
いざ動き始めるとユニークな攻防。身体能力の高さをいかんなく発揮していますが、ムーブはムーブで、しっかり見せてほしいところです。形式ばったモノであっても二人の動きそのもので差別化は可能でしょう。
コメディに寄ってしまうとダメージや感情の表現が軽くなってしまうので、シリアスさの同居も忘れてはいけません。オメガはDDTでその辺の感覚を培っているので、うまくコントロールできています。問題はACH。両方をコントロールするのはまだできていないようで、どちらかに振り切るような試合運びにしてあげないといけないようです。動きの良さを見せるだけに留まっています。
終盤はオースチンネタをてっぺんにしつつ、ロックvsオースチンのパロディへ。レスポンスの良さも手伝って、盛り上がりだけはどの団体をも凌ぐものとなっています。演武的な素養をここにきて混ぜてしまったので、前半のうちに昇華しておいて、終盤は独自の攻防を紡いだ方が変に長くならずに済んだか。好勝負には届かず良質な試合どまり。



ヤング・バックス(ニック&マット・ジャクソン) vs.フランキー・カザリアン&クリストファー・ダニエルズ
秩序も何もない導入から、乱戦状態へ。本筋からも外れてしまっているので、基本的にはやりたい放題になっています。
ダニエルズ、カザリアンともにコンディションがいいですね。全盛期ほどのキレはないにしろ、動きの良さは健在です。手数を使った展開にしっかり適応したうえで、新たな展開を提供してくれています。
常に4人が動き続ける展開で、立体的な攻防。スーパーキックスポットが日に日に過剰になっていきますが、パターン化されてばかりでなく、新たな展開を生み出し続けているし、フィニッシュは驚きでした。好勝負。


購入はこちらから!

試合結果
○マット・サイダル vs.クリス・ヒーロー トーナメント1回戦
○ザック・セイバー・ジュニア vs.アダム・コール トーナメント1回戦
○ケニー・オメガ vs.ACH トーナメント1回戦
○ヤング・バックス(ニック&マット・ジャクソン) vs.フランキー・カザリアン&クリストファー・ダニエルズ