地域猫の現場から思う | CAPIN(キャピン)公式活動報告

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認定NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク CAPIN」
公式ブログ

野良猫、捨て猫をどうするか。


これを考えないと、殺処分は減っていきません。




ずどん。


我が家の愛猫です。


引っ越したご夫妻の家にたくさんの猫が取り残され、世話をしに通っていました。


何匹かは捕獲器でつかまえて保護しました。


このずどんも。

でも、多くは散ってしまったのです。


あのむなしさは、忘れられません。

凶暴なボス猫のずどんとは、格闘しました。

でも、思い切ってつかまえたのです。


野良の捕獲と慣らしに自信がついたきっかけが、このずどんでした。


野良猫でも、慣れるのだ。


野良猫でも、人と感情の交流を持てるようになるのだ。


野良猫でも、変化するのだ。


野良猫でも、人を信じるようになるのだ。


野良猫でも、仁義があるのだ。

野良猫でも、飼い猫でも、変わらない。

もとは人間が飼っていて、無責任に捨てたから、その猫やその子どもが、野良猫になるだけなのだ。

罪深いのは、人間。

正さなければならないのは、この世界で我が物顔にふるまう人間のおごり。



猫のライフサイクルを知れば、猫は半年で子どもを産めることや、


いちどにたくさん出産してしまうこと、だから


えさを与えているだけではあっという間に増えてしまい、


繁殖してしまうことがわかります。





この解決策には、なんといっても、手術が必要です。


TNRが効果的です。


地域猫にするには地域の人の理解もなくてはならず、


地方ではまだまだ啓発が遅れて浸透するのに時間がかかりますが、


頭数抑止にはほかの手段がありません。





えさを与えず衰弱死させる、という選択肢は、人道的ではないし、


えさを待っている猫に、急にあげなくなるというのは、多くの方ができません。


禁止されたら?




問題が解決されぬまま、見えないところ、アンダーグラウンドに潜るだけで、


解決どころか、どんどん悪化します。




隠れても与える人が出てくると、


こっそりなされるので、清掃までの時間的・精神的余裕がありません。





だから、えさやりが堂々となされる地域であれ、隠れてなされる地域であれ、


とにかく手術だけはしておかねばならないのです。






9月、ある研究員により、地域猫に関して、その効果に誤解をうみかねないレポートが出されました。


海外では、地域猫やTNRには賛否両論ある、と。






確かに、ドイツでは、飼い主の手を離れた犬や猫は合法的に銃殺されることがあります。


が、森に囲まれ、リスや希少動物が生息しているドイツと日本では、環境事情が異なります。


リスなどの小動物を守り、ヨーロッパヤマネコなど希少種を守らねばならないドイツとは違って、


日本の本州には、野生動物であるヤマネコは生息していません。


日本では、島にツシマヤマネコとイリオモテヤマネコのみです。


本州にいるのは、家猫です。




射殺を許すことにより、バランスを保っている、と???


それを、いま、日本で訴えて、何を導きたいのでしょう?





隣国のイタリアで犬猫が銃殺されたら裁判沙汰です。


そこには、イタリアのような動物愛護の進んだ国の紹介はありません。




地域猫の取組による効果が、国会でも認められるようになり、


議会の付帯決議のなかにも謳われるようになったいま、なぜ、


このタイミングで、地域猫の評価に疑問を投げる論文発表が?


と不思議に思います。







では、野良猫を減らすための選択肢はTNRや地域猫のほかに何があるのでしょうか。


増えたら、何でも捕まえて殺せばよいというものではありません。


人道的に少なくすることを選択できるはずです。


それには、繁殖防止の手術です。


自然に任せておけばいい、というものではないのです。





これには、労力と手間と時間がかかります。


そして、よいことというのは、だいたいすべてが、労力と手間と時間がかかるものです。


手料理も、子どもの教育も、命に関わることはすべて、拙速にはいかないものです。


ひとつひとつ、丹念に取り組んでいくしかないだろうと思います。


何を選ぶか、は私たちにかかっているのでしょう。





そして、子どもたちは私たち大人の選択をじっと見ています。





音譜天国と地獄のシャコンヌ音譜

http://www.youtube.com/watch?v=EZ-VsKB_tNw



byおかめ