石井紘基さん暗殺から13年 ~安富歩「石井紘基は死なない」 | ☆Dancing the Dream ☆

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2002年10月25日 午前10:30頃 他界。
今日は、石井紘基さんの命日です。
十三回忌なのですね。

このブログでは、ブログ開始以来、
毎年、この日には、
石井紘基さんを取り上げさせていただいていますが、

今年は、
IWJで中継された「石井紘基没後十三年講演会」の
安富教授の講演を通して伝えられる
石井紘基さんのメッセージを心に刻むため、
会員限定の内容ですが、ここに自分のためのノートを
記したいと思います。

石井紘基さんが、明らかにして下さったことに、
興味をもって、知って頂ければと思います。



***************

ターニャさんの報告

*6年前に明らかにされた報道

伊藤白水受刑者は金の恨みではなく、何者かに頼まれてやったことを告白した
法医学博士は、石井の指の怪我は、かばんを守るために傷つけられた
      かばんの中の資料を奪うために殺されたことを証言した。

*石井紘基の遺品
残された60箱の資料の調査と保管の問題
増田さんの援助 
尾立源幸・民主党議員によってパソコンのスキャナーに取り込み調査
安富歩 東大教授のすすめで国立国会図書館に寄贈
渡辺周・民主党議員によって石井の国会質問の映像をDVDにコピー 
衆議院の憲政資料館に、同じく暗殺された浅沼稲次郎のものと同じように
石井が身につけていた遺品を寄贈

*紀藤正樹弁護士
かばんを守るため手の甲を切られた防御相があった。
石井自身が作った犯罪被害者基本法=
(不十分な点)=
犯罪被害者が記録に十分にアクセスできない。
刑事公判に上がっていない証拠にはアクセスできない。
警察官が起訴するにあたって裁判所に提出しない証拠は、
全体の9/10の証拠。
裁判の時に検察が出した証拠でも被告人が不同意の証拠は撤回され、
刑事公判に現れることがない。


*安富歩教授 講演
日本経済、日本社会の特徴についての研究=著書「経済学の船出
立場主義社会 立場という生命体のひとつの役割を演じるのが人間
江戸期・・ 家制度 家という生命体の一部が人間
明治期・・ 徴兵制が家制度を崩壊させた
      =家という単位ではなく個人単位で兵隊を出す
      明治政府の近代社会化と共に
      「家システム」から「立場システム」
へ移行。
戦時中・・ 立場上「特攻する」=「死ぬ」強制
戦後・・立場主義に従った経済活動によって繁栄した
    立場主義が日本人のイデオロギーになっていった
    =日本は「立場主義人民共和国
    =はじめは一部のエリートなどが強いエートスをもっていたが
     田中角栄の政治によって、立場主義の恩恵が
     全国民に均霑された。
    =ほぼ日本国民全体が立場主義の恩恵に浴した。

立場主義システムのルール
=人の立場を脅かす以外何をしても良いが、
 人の立場を脅かしてはいけない。

=「人の立場を脅かす人」が恐れられるようになった。

立場主義社会で「関所」経済が生まれた。
関所=銀行 大企業 マスコミ 大学
  =情報の関所ができる
  =関所に群がってエリートが利益を獲得し、
   国民からのクレームを避けるために、少しずつ利益をバラまく。

日本の経済は「立場主義経済」であるという仮説を精査するために
財政学について調べたところ唯一、日本の正しい財政学の著書に出会った。
石井の「財政学」
石井紘基著・「日本が自滅する日」死の直前・2002/1/23出版

石井の財政学の指摘
=まやかしの「一般会計」の背後にある
 「特別会計」財政投融資、
 ファミリー企業(特殊法人の仕事を独占する関連会社)の全体像を
  視野に入れていないために空虚になっている。

=「満州国のシステム」と同じである。
著書「満州国の金融」
=満州国の14年間の金の流れを徹底調査したもの
=満州にはたくさんの「特別会計」が作られ、
 金の流れはほとんど、「特別会計」で流されていた。
=特別会計の金は、「公社(企業)」に流された。
 満州国重工業開発が「満州開発5か年計画」が実行さられた。
戦争が激化する中、特別会計を経由することすら止めショートカットし、
満州中央銀行が巨大化してその金が
満州興業銀行など政府系金融機関に直接ばらまかれた。

石井が解明した日本の姿は、
中期の満州国の姿に酷似していた。


国民は、日本の「特別会計」経済では持たないと判断し、
小泉内閣に期待をかけたが裏切られ、
民主党に政権を交代させた。

民主党は、石井の理論を元に、
問題である関所システムに手を入れようとした。
=そのシステムが揺らぐと、日本国民に均霑された利益を失いかけ、
 民主党の変革をおそれた。=立場主義が脅かされた
=国民は、民主党から自民党に戻し、安倍政権が誕生した。

安倍政権の不気味さ恐ろしさ
「安倍ノミクス」=「満州国の後期の金融システム」と同じ
=「日本銀行」を巨大化させ、その資金を民間金融機関に直接流すという政策。

日本国は、まさに、
満州国でやったことを戦後に拡大して成功した事例であり、
崩壊の過程までそっくりなのではないか。


石井の著書に触れるまで、
まさか、それは経済の一部であって、
経済の主力は、国際的な競争力をもつ大企業に支えられていると思っていたが、
経済発展した巨大な強力な国家が、
そのような「ガランドウ」なもので構成されているに過ぎないということが
解った。
まさか、シャープ、パナソニックというような大企業が、
倒産の危機に瀕する日が来るとは思っていなかった。

石井が指摘した「官・経済」
戦前・・国家の周りには「財閥=三井 三菱 住友 安田」があり
    国家の仕事を引き受け、国家に対する影響力を持っていた。
戦後・・「財閥解体」され、代わりにその地位に「公・企業」が埋めた。
    この構造は、満州国と同じであった。
    =満州国は、「財閥はいるべからず」と言い、
     国家の周りに「特殊会社」を作った。
    財閥系の企業は、「公企業」の下請けになってしまった。
   ただし、70-80年代の日本の生産様式には、
   「立場主義システム」が、合致して繁栄していた。
   =当時は、巨大な沢山の機械を操作する人間が必要な工業であり、
    士気の高い死に物狂いの人間の集団が支えた
   =日本人に限られる特質「立場主義」

   「コンピューターの出現」=コンピュータに付属したセンサーが制御する
   =オートメーション工場
   =機械は人間を必要としなくなった。
   =コートメーションシステムを担う少数の技術者と、
    機械を使うには割に合わない仕事を低賃金労働者のみが必要となり、
    それに見合うよう、生産拠点を移していった。
   =高い賃金の士気をもった「立場主義集団」は不要になり、
    日本の繁栄を支えた基盤が失われて行き、
    企業が危機に瀕していった。
   =EX.日本に工場を作ったシャープの危機は合理性を欠いていた。

   短期間に時代が変わっていった。
   私たちは、立場主義を離れて、
   全く違う新しい創造的な社会を作りださなければならない。
   人間一人一人が、常に新しいイノベーションを引き起こし
   創造的で柔軟な社会を作らねばならなかったが、
   大半の日本国民が、立場主義のイデオロギーから離脱できず、
   これを拒否した。
 
   私たちの立場を守るために財政を出動させた。
   立場主義企業を支えるために、
   我々の子孫に対する裏切りを行い、
   財政出動、日本銀行の膨張というようなことをしてしまっている。

 石井紘基は、
 このようなシステムで最も大きな利益を得る利権構造
 =財政とその周辺のシステムを明確にし、
 特殊法人を解体された。
 ただし、石井が反対していた「民営化」という方法を取ってしまった。
 =石井は、特殊法人解体の方法として、
  「政治の手が及ばなくなり闇に隠れる」ため「民営化」という方法を
  取ってはならないと主張していた。
 =EX.「日本道路公団」は、分割民営化され日本中に「ネクスコ」を作った。
   巨大な債務を抱える清算機構があり、
   そこまでは政治の手が及ぶが、その先の
   バラバラにある民間企業「ネクスコ」、そこから先は調査できない。
  (これらの企業は、官僚の天下り先として作られる。)

 石井紘基は、このような危機的状態、
 政治の手の及ばない闇の利権構造の存在を
 白日の下に晒され、人々に知らしめた。

 石井紘基は、本当に特別な政治家であった。
 特別であったがゆえに、暗殺された。

 暗殺の直接の原因は、かばんの中にあった資料であることは確かだが、
 根本的な原因は、徹底した「本当の学者」であったからである。

 いわゆる大学で給料を食んでいる学者というものは、
 「いわゆる学者」であって「本当の学者」ではない。

 学会に論文を書き、出世して偉くなって
 人々の尊敬を集めるという道を歩む。

 しかし、中には「本当の学者」もいる。
 知的好奇心に駆動されて、ひたすらに真理を追究してしまう、
 というタイプである。
 こういうタイプは、往々にして、アカデミズムの中には存在しない。
 石井紘基もそうであった。

 石井紘基は、ロシアに留学し、ロシアのシステムの恐ろしさを感じ、
 「ロシアのシステムは、もはや動いていない。死んでいる。」
 「ロシアは崩壊する」ということを30代にして理解した、と聞く。

 そして、石井が帰国した日本は、
 立場主義の作動が狂い始めた時期であり、
 日本は、ロシアと同じシステムが形成されつつあると気付いた。


 石井は、その後国会議員になるが、
 そのシステムを止めるためではなかったのではないか。
 彼が、国会議員になったのは、国政調査権を手に入れて、 
 その中身を理解したいという欲望だったのではないだろうか。
 石井が国会議員になった理由は、知的欲望であったと思う。
 
 知的好奇心に駆動された者ほど厄介な人間はいない。
 なぜか?知的好奇心に駆動された者を止めることはできないからである。
 そのような人間を権力は恐れる。

 アインシュタインは、物理学者であったにもかかわらず、
 何十年にもわたってFBIが監視していた。
 権力システムにとって、アインシュタインのような、
 知的好奇心に駆動された人間ほど恐ろしいものはなかったからだろう。

 大抵の知的好奇心に駆動された人間は、孤独であったり、
 力がなかったりするが、
 石井は、日本の権力システムに興味を持ち、
 国会議員になっているという状態は、
 権力システムにとっては悪夢であったはずだ。

 権力システムは、石井のやろうとすることに、
 圧力をかけたり、ブロックすることは可能だが、
 知的好奇心に駆動された人間は、それがだめなら
 別のことを調べようとし、思いもかけないものを発見する。
 彼は、妨害を受けるたびにそれを繰り返し、
 モグラたたき状態である。
 そうすると、もはや残された方法は、
 息の根を止めるしかないということになる。
 これが、石井紘基が、殺されてしまった根本的な原因ではないだろうか。

 石井によって、立場を脅かされる人は、
 数多くいる。おそらく何千万人の人が立場を脅かされ、
 石井を止めることを願っていた。
 そうであるなら、石井の死は、私たちと無関係ではない。
 
 石井の*手紙にあるように、
 「こんな国に命をささげる必要があるのか」と思うと。
 正確に言うと、「こんな国民のために」である。
 自分の立場を守りために汲々とする国民のために
 自分が命をささげる必要があるのかと自問したのは当然のことである。
 
 *注)石井紘基衆議院議員は、殺される半年前に友人へ宛てた手紙で次のように書いている。
 「小泉さん達だけじゃなくて、民主党はもっとわからないんだけど..
  うちの民主党は残念ながら もっとわからない.. これが さみしいんだよね。」
 「 これにより、不都合な人は沢山居ますので、身辺には注意しますが、
  所詮身を挺して闘わなければ努まらないのが、歴史的仕事ということでしょうから、
  覚悟はしていますが、それにしても、こんな国のために身を挺する必要があるのかな、
  との自問葛藤も無きにしも在らずです。」


 
 石井は、日本国民が信じていること、願っていることを否定した。
 まさに石井は、預言者である。
 預言者とは、常に命を狙われるものであり、石井は殺された。

 しかし、石井の発見した真理は、彼によって明らかにされ、
 これは、石井の死によって、止められるものではない。
 石井の肉体はほろんだかもしれないが、
 石井が発見した真理は、残っている。
 その真実に触れた人間は、探求を開始してしまう。
 石井の遺した真理は探究を止めていない。
 石井の知的活動が継承されるかぎり、石井紘基は死なない。
 
 石井の遺志を継ぐのではなく、
 石井が遺し明らかにしたことに興味を持ってもらいたい。
 その知的好奇心を継承してほしい。

 秘密保護法というのは明らかに、
 石井のような人間が二度とあらわれないようにするための法律である。
 それでも、国政調査権は、国会議員、地方議員にあるので、
 そこへ手を突っ込んで理解してほしい。
 それは、誰かの立場を失わせるためのものではなく、 
 なにが起きているのかを理解する人が数多く現れれば、
 そのシステムは維持できなくなる。
 これが石井を生かし、石井という預言者を復活させる道であると信じている。