元山手線運転士で、現在は参議院議員の たしろかおる です。
今回は、現場の仲間から聞いた山手線に投入された新型車両E235系の話を書きます。
デビュー初日に故障が発生し、途中で運転を打ち切ったE235系。現在は運用に復帰していますが、運転士の評判は・・・。
悪いです・・・。
「スイッチ類の配置が変わり、ワイパースイッチが遠くなった」「眠気を感じた時や入換運転時に起立運転ができるよう(E233系は起立運転ができません)、運転台の椅子が変更されたが、非常に座りづらい」等々。色々な話を聞きました。
機器類も様々なメーカーの機器が搭載されていて、制御関係機器は主に日立製と三菱製が採用されていて、内回りでは日立製、外回りでは三菱製を使用することから、ブレーキ感覚が違うとのこと。
新機能を満載しているがために、試作的要素も多いE235系。検修を担当する東京総合車両センターの皆さんも大変なようです・・・。
試作といえども、本線試運転に入るまでには、試作段階で考えられる障害は完全にクリアしていなければ、利用者はもとより、日々の安全運行を支える現場にも多大な負担がかかり、安全を阻害する要因になることは、しっかりと肝に銘じなければならないと思います。
JR東日本に新系列車両の209系が導入されるときの話を聞いたことがありますが、今はJR東日本の新型車両の定番となったワンハンドルマスコンも、京浜東北線に901系(後の209系900番台)に試作導入されたときの運転士の評判は「慣れたツーハンドルの方がいい」という意見が大勢で、職場で大議論になったと聞いたことがあります。
今までになかった新しい機構、機能を採り入れ、試作時に出た様々な現場の意見も採り入れながら量産型へと移行していくのが常ですから、現在のE235系も現場の評判が悪いのも仕方ないのかもしれません。しかし、現場の意見を採り入れる姿勢がマネジメントする側になければ、問題が改善されないまま量産車製造に突入してしまうことになります。これは、安全上の問題にも発展しかねません。
現在、1編成が運用につき、現場での調整が続いているE235系。現場の意見が反映された、利用者にも現場の鉄道マンにも使いやすい車両に成長することを願ってやみません。
現在のE235系をめぐる現場での議論のように、私も現場で働く皆さんの悩みを聞きながら、空論ではなく具体的な解決策を追求していく、その姿勢を貫き、国政の場で働かさせていただきたいと思っております。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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