さてEU離脱か残留かの選挙を控え、殺人事件まで起こってしまったイギリス。
昨日は通勤電車内でもひと悶着あった。

夫が帰宅する際に乗った電車での事。
後部席に2人の男が座っていた。
この2人が「外国人を追い出さねば、この国が乗っ取られる」という内容を話していた。
2人は「移民は1時間100円で働く。俺らを採用するよりも、採用側は安い賃金の移民を採用したがるのは当然。だから俺たちにまともな仕事が残っていない」と話していた。

移民が100円の時給で・・・何情報であろうか。
同じ条件の元、仕事を得ているだけであるが、無知は偏見と化し、それが怒りになるのが最も怖い。
結果、そんな人がアジア人にさえ「俺らの税金で暮らしてやがる」と言うから、困ったものである。
アジアもヨーロッパも区別が付かず、「移民」への憎悪になるのは間違いにもほどがある。
がしかし、これが現実。

そんな2人の横を、次の駅から乗ってきた乗客が通った。
背負ったリュックサックには、「EU残留」と書かれた風船が付けられてあった。
これを見た2人がその人に罵り始めた。
そのうち立ち上がり、2人は男の顔に鼻をくっつける距離まで顔を近づけ「かかって来いよ」と喧嘩を売り始めた。

1人の男が風船を取り上げ割った。
それを見ていた乗客がこれに参戦。
罵り合いに発展し、掴み合いになった。
誰かが乗務員を呼びに行き、次のカーライル駅のホームで警官が乗りこんできたため終結した。

思想や意見の違いを選挙結果で待てばよい。
それを道行く人に暴言や暴力で訴える人々がいる事に恐怖感を覚える。

先日、ここに住む日本人の友人に聞いた話。
友人がカーライルの街中を歩いていると、白いバンに乗った男2人が声をかけてきたと言う。
車の中から声をかけられ、不審ながらも振り返った友人。
男は「お前はここで働いているのか?」と聞いて来たと言う。
友人は一瞬、考えた。
働いていないと言えば「俺らの税金で暮らしやがって」と言い、働いていると言えば「俺らの仕事を取りやがって」と言うであろう。
ならばどちらを答えても、結果的には外国人嫌いな奴らである。
正直に「NO」と答えると、暴言を吐きながら車で走り去って行った。

この選挙がごく一部と思いたいが、その人達により「外国人追放」と化している気がしてならない。
結果はいよいよ数時間後である。

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