今年の新人選手選択会議から一夜が明けた。
昨晩は興奮して寝れなかった選手も少なくないのではないだろうか。夢の世界への切符を手にした者、希望とは違う球団から指名を受けた者、指名を受けることが出来なかった者。それぞれに思いがあり色んなことを考えながら夜を過ごしたのではないだろうか。
嬉しいニュースが飛び込んで来た。
我がコビーズの会員からも東京ヤクルトスワローズに育成1巡目で大村孟選手(石川ミリオンスターズ)が指名された。
2016年1月撮影 @KOBES
昨年、キュウミツ(九州三菱自動車野球部)を退部し今年一年に賭けるため、トレーニング環境を求めてコビーズへやって来た。
「来年は独立リーグからNPBを目指します」
自分の想いや考えをハキハキと話す彼からは捕手としても能力のカギとなる「賢さ」を感じた。24歳。社会人として働いていたのだから普通かも知れないがモノゴトを建設的に考え、行動に移すことのできる選手は残念ながら多くない。「チャンスは必ずやってくる」はスポーツの世界では稀だ。動いて取りに行かなければチャンスを引き寄せることは難しいと自身の経験からもそう学んで来た。
トレーニング風景
そんな彼だからトレーニングに関しても自ら学んでいてトレーナーさんから教わったメニューを黙々と取り組んでいた。僕は動作のポイントや気づいた点を伝えただけで大した指導はしていない。それよりも、僕自身が現役時代に悩んでいた「安定した練習場所と練習相手の確保」には少しだけ役に立てたかなと思う。コビーズがそんな役割を果たせたのであれば本望だ。
【トレーニング×技術練習】
その効率を上げ短時間で濃度の濃いセルフワークアウトをデザインする。
それはこれからのアスリートには最も求められることだと現役時代から考えていた。時間と費用を効率よく投資することで空いた時間で身体のケアをしたり他の学びを得ることも、仕事やアルバイトを継続出来るので収入を得ながら希望のチャレンジが出来る。僕が現役時代に必要とし、これからのアスリートにとっても必要になってくるだろうと考え創ったコビーズ。それを上手く利用してチャンスを掴んでくれた事が素直に嬉しかった。
そして、残念ながらドラフト漏れをしてしまった選手達もいる。チームに属している者、フリーの者、立場は様々だが夢を追う者達は「その先」も自分の意思で決定して行かなければならない。出来るか出来ないか?ではなくやるかやらないか、だから。またここからスタートラインに立って前を向いて欲しい。
アスリートは孤独との戦いだ。
多くの人がテレビや新聞で目にするプロアスリートはキラキラ光り輝いているように見える。しかし、その栄光の舞台に立つまでには孤独との戦いは避けられない。何度も心が折れそうになる。疑心暗鬼になったり、人間不信になったり、世の中がみんな敵なのではないかと錯覚してしまう瞬間もある。
普通ってなんだ?常識ってなんだ?幸せってなんだ?正しい選択とは?
何をしてるんだ?何故こんなことになってるんだ?誰のために?何のために?
理想と現実の狭間で、そんな事を自問自答しながら過ごす時間が僕には沢山あった。そんな経験を乗り越えて来た時のエピソードや思考が少しでも役に立てば。若かりし日の自分の様な「諦めない選手」達の相談に乗って上げたり、僕の経験や知識、知恵や人脈が彼らの役に立てばと思う。
選手のため、野球界のため、力になれるよう、またここから勉強していきたいと思う。
最後に。
ドラフト指名を受けた選手の皆さん、おめでとうございます。人生は思う様に行かないことが多いですが目標として来た場所の入口に立ったこと、心から尊敬しお祝い申し上げます。これからの日本の野球界をリードしていくのは皆さんです。野球の、野球選手の素晴らしさを高めて行って下さい。プロフェッショナルへの追求を心から期待しています。
o(・∀・)o 「ざぁぁぁっす。」