予算超過は当たり前、誰も望まない五輪招致 ローマも撤退(CNN)

2024年夏季五輪の招致に名乗りを上げていたイタリアのローマが11日、正式に撤退を表明した。世界各地で近年、財政上の懸念から五輪開催を断念する都市が相次いでいる。

世界の都市はその昔、こぞって五輪招致を目指したものだ。開催地に選ばれることは華々しい栄誉を意味していたが、それはもはや過去の話となった。

イタリア

24年五輪ではすでにハンブルク(ドイツ)が、いったん立候補しながら撤退していた。22年冬季五輪はストックホルム(スウェーデン)クラクフ(ポーランド)が途中で断念し、最終的に北京での開催が決まっている。

五輪の開催地は巨大なインフラ事業の計画、資金調達、建設を担うことになる。治安対策の費用は数十億ドルに及ぶ可能性があり、選手や観客の宿泊施設も用意しなければならない。

費用の大半が税金でまかなわれる一方、目に見える経済効果はほとんど期待できない。開催地の首長らはチケットの売り上げや建設業界の雇用促進、観光業振興などの効果がコストを上回ると主張する。だが経済学者らによると、開催地が期待できる見返りは決して大きくない。

かつてのオリンピック施設の信じられない映像


長期的なコストを考えるうえで一番分かりやすい例は、1976年夏季五輪の開催地となったモントリオール(カナダ)だろう。

当時の市長は五輪開催を前にこう宣言していた。「男性が出産することはあり得ないのと同じく、五輪で損失が出ることはあり得ない」――しかしそれは間違いだった。放漫財政と予算超過による負債は15億ドルに上り、返済がようやく完了したのは06年のことだった。

その頃までに、「ビッグオー(Big O)」の愛称で知られたメイン会場のスタジアムは野球場となり、やがて廃墟と化した。愛称の「O」は、いつしか「借金を負う」という意味の「オー(Owe)」に変わっていた。

モントリオールは極端なケースだとしても、招致費用が膨れ上がるのはいつものことだと、専門家らは指摘する。英オックスフォード大学経営大学院の研究チームが13年に発表した論文によると、五輪が予算超過になる確率は100%。ほかの大規模プロジェクトは予算通りに収まるケースもあり、100%という数字は類を見ないという。

五輪

モントリオールの経緯にほかの都市が恐れをなした結果、84年五輪の招致に名乗りを上げたのはロサンゼルス(米国)だけだった。そのため、開催地となった同市は国際オリンピック委員会(IOC)に対し、強い立場で条件を示すことができた。

ロサンゼルスは民間資金を積極的に導入する新たなモデルを追求。競技会場には既存のスタジアムを活用することで、開催にかかわる最大のコストを削減した。そして見事、黒字への転換に成功したのだ。

しかし公的資金を最小限に抑える時代は続かなかったようだ。中国は08年に開催された北京での夏季五輪に惜しみなく予算を注ぎ、ロシアは14年のソチ冬季五輪に500億ドルという巨額の資金を投入した。今夏のブラジル・リオ五輪でも複数のスタジアムが新設されたが、終了後にそのままフル活用される見込みはない。

IOCは来年の会合で、24年五輪の開催地を選ぶ。現時点で候補に残っているのはブダペスト(ハンガリー)、パリ(フランス)、そしてロサンゼルスの3都市だけだ。(転載終了)

五輪02

このニュースはTVで報道されないような気がしますね。「2020年東京オリンピック開催」に疑問を持つ国民が増えるのは困るでしょうからね~。

以前から、オリンピック開催地を固定した方がいいと言ってきました。夏季はオリンピック発祥の地「アテネ」で固定、冬季はインフラが維持できなくなる時点で持ち回りにするなど・・・。そうしないと、どこの都市も立候補しなくなるでしょう。

五輪01

「2020年東京オリンピック」がどうなるか分かりませんが、もし仮に開催されることになりましたら、その後のツケは全て日本国民に圧し掛かってきます。パラリンピックを含めてたった1ヶ月ほどのために「3兆円(もっと増える?)」も使ったところで、思い出はすぐに人々の記憶から消え去ってしまい、残るのは「負の遺産」のみとなるでしょう。

オリンピック出場を夢見て日々の練習に励まれている選手の皆さん、楽しみにされている子どもたちには申し訳ないですが、その夢を食い物にしている輩が世界中にはいっぱい存在しているのがこの世の現実です。