今日放送されたシーンは、
おこうの歩みの、ある結末だったかもしれません。
所作指導の橘先生は、
収録が終わって戻ってきた私に、
「おこうさん、よかったね」といきなり握手を求めていらっしゃいました。
昨年の夏の終わり、橘先生に初めてお会いして、所作の指導を受けた時は、
初めての時代劇の所作指導というものにまごまごして「私、大丈夫かいな」と不安になったものでした。
しかし、撮影が始まると先生は、わりとすぐにおこうの味方になってくれて、
雁金踊りが終わる頃には
「画面におこうさんがいないと寂しいわねえ」とまで
言ってくださるようになりました。
それから撮影開始が待ち遠しくて待ち遠しくて、
一方で、三谷さんからの注文をどうしたらいいかと思いあぐねいたのは
秋めいて来たちょうど今頃。
一年でここまで来たんだなあと、一人感慨にふけっています
(終わったわけではないですよ まだまだ出ます)
おこうはもう、
私そのものというよりは、分身というか、物語の中の確固たる一人の人間として生きていて、
その人間的成長の速度には、実は私自身も追いついていないのです。
そして今日、おこうの人生は報われました。
おこうも嬉しかったけど、私自身も感動して、撮影終了後も3日間くらい、胸に温かいものが流れていました。
旦那様にも労りの言葉をかけてもらったのですが、
なんだか感極まっていて、内容をよく覚えていないのです
三谷さんにはお礼を言っても言っても足りません。
それでも、その感謝をお伝えすると、
戻ってきたお返事には
「長野さんにこの役をお願いして、本当によかった!」とありました。
泣けました