黒猫:こんばんは。今夜は森が前回すっぽかした21日分の活字ラジオです。

作者:そんなことをわざわざ言わなくてもいい。

黒猫:言わないとなんで1日にやってるのかわからないだろう。

作者:今日は正月だったかな、とか思ってくれるかもしれない。

黒猫:誰も思わないよ。だいたい正月に活字ラジオやるのか? やらないだろ。

作者:まあ黒猫のしつこい冗談は置いておいて。

黒猫:誰がしつこい冗談を言った! 君のボケを拾ってやっただけだろうが。

作者:拾うのは自分の部屋のゴミだけにしておけよ。彼女がくるまでには毎日きれいにお掃除をしないとだね……。

黒猫:だああああ! オホン…ええと、話を変えようか、今日はこんなことを言っている場合じゃないだろ? 何か話があったはずだぞ?

作者:話、はて……あ、そうそう。現在黒猫シリーズ子猫(文庫版)飼育促進期間ということで、親猫(単行本版)『黒猫の約束あるいは遡行未来』のときの特典の一部であった17編の即興断篇集PDFが再度特典として復活しています。詳しくは一つ前のブログをご覧くださいませ。

黒猫:君はやり口が営業マンみたいだな。

作者:(無視)宣伝ついでにもう一つ。今月の22日に明治記念館でクリスティー賞&SFコンテストの授賞式があるんだけれど、その前に座談会が企画されている。柴田勝家さん、藤井太洋さん、吉上亮さんといっしょに僕も登壇します。それぞれのデビューの経緯や創作の裏側を語るというもので、ほかではなかなか聞けない話が聞けるのではないか、と。詳しくはこちらをご覧ください。

http://www.hayakawa-online.co.jp/new/2016-10-18-152814.html

締め切りが間近なのでお気をつけください。

黒猫:君の緊張具合でも見に行こうか。

作者:やめれ。いや、実際緊張するね。自分一人のトークショウは最近あんまり緊張しないんだけど、それは司会進行が僕で、しかも手元に最大の親友たるノートパソコンがいるからね。

黒猫:ノートパソコンは友達って、おまえはキャプテン翼か。

作者:ちょっと何言ってるのかわからないんですが。

黒猫:……でも司会進行やらなくていいんだからラクなはずだろ。

作者:いやいや、そうでもない。司会から何から何まで一人なら何でも自分で決めればいいんだからラクでしょ。でも人といっしょに空間を作り上げてくのはたいへんだよ。それができないから小説家なんかやってるわけでね。

黒猫:そうか。君も曲がりなりにも社会的不適合者というわけか。

作者:そうだよ。というわけで森の緊張してるところを覗きにきてやってください(助けてください)。それはそうと、黒猫、言ってくれればいいのに。

黒猫:何を?

作者:今月発売する文庫版『恋路ヶ島サービスエリア』の特典に黒猫が登場してるらしいじゃないか。ヒューヒュー。

黒猫:ヒューヒューじゃない、だいたいそれ君が書いたんだろうが。

作者:しかも付き人じゃない女性と二人で恋路ヶ島を訪れているとか?

黒猫:だから、その話は君が……。

作者:付き人怒ってるんじゃないかなぁ。

黒猫:だからおまえが……。

作者:怒ってるだろうなぁ。ハロウィンの日は日曜美術館も起こし忘れたみたいだし。

黒猫:なぜそれを……。

作者:さっき彼女、男の人と二人でカフェへ出かけていったぞ。君に愛想つかしたのかもしれない。

黒猫:ふふ、どうせ唐草教授だろ。

作者:忘れたのか、黒猫。付き人が最近もっともキュンとした相手は、エレベータのドアに顔をぶつけた唐草教授なんだぞ。

黒猫:ハッ……いやいや、あれは何かのギャグで……。

作者:それに唐草教授はナイスミドル好きにはたまらないという噂もきく。

黒猫:ミドル……いちおうミドルかまだ(だいたい教授、綿谷さんはどうしたのですか)。

作者:ほらほらだんだん心配になってきた。

黒猫:なってない。第一、彼女が誰と逢おうとそれは彼女の自由だよ。僕には何も関係がない。

作者:そうか。よく言った! たしかに俺は嘘を言ったよ。唐草教授とは会ってない。本当は、君のよく知る華影なんとかという人物と……。

黒猫:(ダッシュ逃走)

作者:あ、消えた……。一日遅いハロウィンてことで、お菓子をくれないからいたずらしただけだったのに。まあいいや。

では最後になりますが、黒猫シリーズ文庫飼い主促進企画と座談会の件、よろしくお願い致します。そして、、、まもなく発売の『恋路ヶ島サービスエリアとその夜の獣たち』。単行本から内容も補填され、さらにグレードが高まっております。エピソードが追加されたことで、改めて「完全版」と言っていい仕上がりになったのではないかと。そこに加えて、QRコードからは黒猫の登場する短篇が! というわけで、黒猫が誰と恋路ヶ島へ行ったのか、そして付き人は何を思うのか? 乞うご期待。といったところで今夜の活字ラジオはここまで。