2016年10月16日

 午後。 中之条町で行われた六合地区(旧六合村)の前山本一太後援会長の葬儀に参列。 指名焼香をさせていただいた。 

 中之条町に合併される前の六合村で議長まで務めた立派な人物。 亡父の時代から本当にお世話になった。 猫を膝に抱いたあの優しい笑顔が忘れられない。 ご冥福をお祈りします。(合掌)

 今日は新潟知事選挙の開票日。 自民党と公明党が推薦した前長岡市長の森民夫候補が敗れた。 事前の世論調査データ等から、共産、自由、社民が推す米山隆一候補と激しく競り合っている状況であることは分かっていた。 が、思った以上の票差がついた。 これは自民党にとって手痛い敗北だ。 今後の政局にも少なからぬ影響を与えると思う。

 原発再稼働問題に対する県民の関心は高い。 柏崎刈谷原発の再稼働の是非が、今回の知事選の大きな争点の1つになったことは間違いなさそうだ。 新潟の有権者の間に「再稼働に慎重な意見」が多いことも証明された。 ただし、自公推薦候補が当選に届かなかった原因は他にもある気がする。

 山本一太も(微力ながら)森陣営の応援に入った。 遊説カーの中でマイクも握ったし、森民夫候補の個人演説会で熱烈な言霊も放った。 候補者自身の実力や実績は「知事として申し分ない」と感じた。 

 森候補にとって不運だったのは、今回の知事選で「県の市長会長であり、現職の泉田知事を批判していた森民夫候補自身が現職知事を引き摺り下ろした張本人である」かのような悪役のイメージを持たれてしまったことではないか。 この空気を最後まで払拭出来なかった。 そのことが、無党派層に根強い人気を持つ泉田知事の支持者たちの強い反発を招いた。 自分はそう分析している。

 加えて、米国大統領選のトランプ現象と比べるのは適当でないとしても、既存の政党に対する国民(有権者)の不信感が強まりつつある兆候と見ることも出来る。 落選した森候補は、自民党と公明党の推薦を受け、さらに連合の支持まで取り付けていた。 加えて、最大野党の民進党は米山候補を推薦しなかった。 自主投票にしたのだ。 通常なら、森候補が圧勝してもいい構図だ。 事実、当初は楽観ムードが漂っていた。

 今回の新潟知事選の結果は「次の衆院選に向けての警鐘」として重く受け止めるべきだ。 すなわち、「安倍内閣の支持率が歴代内閣に比べてどれほど高くても、野党がどれほど弱かったとしても、自民党はけっして慢心したり、傲慢になってはならない」という警告と捉えるべきだと思う。

 仮に12月の日露首脳会談で何らかの「目に見える進展」があったとする。 2島先行返還(?)の筋道や平和条約に向けての展望を示せるとすれば、それだけで内閣支持率は6割を超えるかもしれない。

 もちろん、内閣支持率が高いに越したことはない。 当然、総理の人気は選挙全体に有利に働く。 前人未到の「国政選挙4連覇」を達成している安倍首相のもとで次の総選挙を戦うのが、今の自民党にとってベストの選択肢であることも疑う余地がない。

 ただし、たとえ65%前後の高支持率で総選挙に突入したとしても、その勢いだけで「簡単に圧勝出来る」などとタカを括らないことだ。 小選挙区の戦いをけっして甘く見てはならない。 安倍総理を支持する有権者が、無条件に自民党の候補者に1票を投じるとは限らない。 

 たとえば、ある地元の会合で有力な支持者にこう言われた。 「一太さん、安倍内閣は支持しているよ。政権交代はコリゴリだし、今の日本には安定政権が必要だ。反面、自民党をあまりに勝たせ過ぎるのもバランスが良くない。暴走や慢心は防がないと。周りにオレと同じ感覚のひとは多いそ!」と。

 「TPPも新潟県民の判断に影響した」と指摘する声もある。 与党議員の1人として、「何としても今国会でTPP関連法案を成立させる」という安倍総理の方針には賛同している。 が、内閣支持率が高く、政権基盤が安定しているからと言って、「よしっ!この際、TPP法案に加えて、国民の間に根強い反対論のある他の法案も一緒に片付けてしまおう!」みたいな乱暴な手法は断じて取るべきではない。 そういう横暴な(?)ことをすれば、次の総選挙で必ずしっぺ返しを食うことになる。

 危機感を口にする若手議員は多い。 が、そうした言葉とは裏腹に、党全体が緩んでいる気がしてならない。 党内の危機感を煽る二階幹事長の言動には理由がある。 

 そもそも衆院で「与党が3分の2以上の議席を維持している」こと自体が、ある種の「異常事態」なのだ。 次の選挙では「必ず議席が減る」ということも肝に銘じておく必要がある。

 気がつけば、午前2時を回っている。 この続きは次回のブログで。 おやすみなさい!


「◇山本一太オリジナル曲:
「素顔のエンジェル」
「マルガリータ」
「かいかくの詩」
「一衣帯水」
「エイシア」