2014.5.12 静岡県の川勝平太知事の定例記者会見の書き起こし | しずおかハートnetのBlog

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2014.5.12 静岡県の川勝平太知事の定例記者会見が行われました。
http://youtu.be/cw21UZbwdhQ (動画57;26)

その書き起こしをしました。
ポイントは、以下の二項目です。

■浜岡原発について
「小さくすれば安全に」
原発の安全技術研究受け入れも。

■原子力過酷事故避難
「多段階避難方式を実施する。あとはどのように周知徹底していくかである」
 

浜岡原発が政府の要請で停止して、5月14日で丸3年になります。
しかし浜岡原発の今後や、過酷事故避難対策など、課題は残されたままです。

静岡県知事は、「浜岡を原発の安全技術研究の拠点としたい」と述べ、原子力過酷事故避難については、「多段階的避難方式を実施し、周知徹底していく」と述べました。

安全な原発とはどういうものなのか?
原子力複合災害時に全ての人々が安全&スムーズに避難ができるのか?
31km圏外に住む住民の避難は必要がないのか?
避難後の生活はどうなるのか?
etc...

静岡県知事の言葉に不安は益々募ります。

この記者会見について書かれた新聞記事へのリンクも集めましたので、あわせてお読み頂ければと思います。

 

書き起こし______________________________
  

▼記者質問と知事答弁 (8:00~25:10)
  

1. 浜岡原子力発電所全面停止から丸3年をむかえて
  

① 浜岡原発の津波対策などの安全対策について十分だと考えますか
   
  
【知事】
(安全対策を)高く評価している。
津波の破壊力に対する抵抗力を実験で確かめ公表している。全ての疑念に正面から応えている。
中部電力は考えられる全ての安全対策を行い、浜岡原発の安全性確保に軸足を明確に移した。
難点があるとすれば、安全技術のチェックを原子炉メーカー(東芝)にも視点を置き、電力会社と原子炉メーカーが連携し一緒に行うべきだ。
県の防災原子力学術会議や、中部電力の原子力安全技術研究所にもメーカーが入って安全技術を上げて行く必要があると思っている。
  
    
② 新規制基準をクリアーしたら再稼働を認めますか
   
【知事】
安全審査まで相当時間がかかる。
来年中に審査に入れるかも怪しい。
   
   
③ 安倍首相は原発を再稼働させると明言していますが、原発立地県の知事として再稼働の是非についてどう考えますか
   
【知事】
安倍首相の発言は単なるスローガンとしか見ていない。そこには立地風土や各電力会社の原発依存度の違いが考慮されていない。権力者の要請が再稼働の判断に繋がるものではない。
   
  
④ 再稼働を認めない場合は永久停止、廃炉とすべきなのでしょうか
  
【知事】
大切なことは浜岡原発の安全レベルを上げて行くこと。
安全レベルを上げる方法はまだまだ人類史的、国家的課題で確立されていない。だから浜岡は安全技術のメッカとなる道もあるのではないか。
単純に廃炉か永久停止か『怖いからやめて』というぐらいのレベルでの話から一歩突っ込んで、安全技術を上げる中身を検討する必要がある。
事故報告のない原子力潜水艦のように原発のサイズを小さくすれば安全の確保ができると考える。
浜岡原発には資産であり活用できる配電線がある。
単純に永久停止か廃炉かではなく、原発の安全レベルを上げる技術についてありとあらゆる角度から検証する必要があると考えているし、定期的に中部電力や県の防災原子力学術会議でも意見交換を行っている。
   
また廃炉予定の浜岡原発1号・2号機を福島原発の廃炉に向けた模擬訓練施設として訓練に活用し原発の安全対策に役立てるべきである。
   
   
2. 浜岡原発で過酷事故が発生した場合、直ちに避難が求められる半径5km圏内に住む5万人が圏外に避難するまで最長13時間かかるとの県シュミレーションが発表されましたが、結果の感想と今後の対策をお聞かせください
   
【知事】
  最長13時間というのは、複合災害が起こった時にかかる避難時間である。これだけの時間がかかるが、これだけしかかからないとも言える。事故が起こったら UPZ圏(31km圏内)の住民は外に出ず、PAZ圏(5km圏内)の住民は避難体制に入っていただく、多段階避難方式を実施する。あとはどのように周知 徹底していくかである。そのあとは避難ルートはどうするかなど個別のことが出てくるわけであります。
   
   
▼再質問と知事答弁 (30:45~
浜岡原発を安全技術のメッカにしたいという話で、浜岡原発のサイズを小さくするとおっしゃいましたが、今後浜岡原発のサイズを小さくして稼働すればいいということですか。
   
【知事】
これは安全性の技術確保へのアプローチにはどんな方法があるかですね。私はこの4月に川崎にあります東芝の技術研究センターに見学に行きました。元東芝の矢野さんの計らいで、元東芝の社長の西村さんに間に入ってもらって。
すごいもんです。
10万kwぐらいでプルトニウムを出さない、今そういう技術があるという説明を受けたりして。
100万kwに比べて10万kwですから随分小さいですね。サイズを小さくする方法もあるんだと気がついたのです。
日本の原発再稼働の課題はプルトニウムをどうするかです。再稼働の課題は燃料棒をどうするかということですね。その燃料棒の入れ替えに場所があるかという問題もあります。
六ヶ所村はほぼ満杯な訳です。浜岡も殆ど置き場は残っていない。同時に今までつくり出してきたプルトニウムはどうするのですかと。MOXは無期限延期になっています。もんじゅも極めて厳しいと。
  ではどのように原子力の安全利用をするのかということは研究以外ありません。ですから原子力の放射能の半減期を縮める方法があるのか。またプルトニウムを 処理する方法としてブレイクスルーがあるのか。原子力が直面している原子力の最大の課題で何処かがやらなければならない。他人任せにしないでウチでやれば いい。ウチにはやる余裕があるのです。原子力の依存度が低いから。そういうこともございましてサイズを小さくするというのは、安全性を高めるひとつの方法 で、実際に東芝の実験場で行われていて成る程と思ったのでご紹介した次第です。
   
   
▼県の浜岡原発の避難計画について、地震がくれば道路もダメになるし小さな子どもがいる家庭が避難の順番を待てるのかなど本当にシュミレーション通りに行くとお考えですか。
   
【知事】
それは本当に難しい質問です。
どのような道路事情になるかわかりませんし。
  しかし一番危険なのは5km圏内の人たちであると、これは間違いありません。まずこの地域の人々から避難していただくというのが筋でしょう。ですからまず そこを優先するということですね。13時間というのは30km圏内の人々が一応危険区域だと、過酷事故が起こった場合そこの人々が避難しなくてはいけない ということで、PAZ、UPZという区分がなされた訳ですが、UPZ以外全部出ろ~っとなると混乱が大きくなると。差し当たっては指示があるまで放射能を 被ることがないように家の中でじっとしていることが安全でもあるのでこの点は徹底できるのではないか。5km圏内の人、ひとり残らずということを確かめる ことはなかなかできないでしょう。(県原子力安全対策課 杉浦課長に)したがって大概5km圏内の人々がまず出るであろう時間はシュミレーションしてありますね?
ですから100%と言わなくてもほぼ全員が出られたということで残っている人は、それはそれとして対処する訳ですが、そういう意味で身体の不自由な方と か、様々な事情で直ぐ移動できない方がいるに違いありませんのでそれを踏まえた上で多段階的な形の避難というのが一番効率のよい避難でございます。
   
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5月13日の夕刊各紙

静岡)浜岡原発「再稼働は困難」 知事、改めて見解
朝日新聞デジタル
http://t.asahi.com/epk9

「サイズ小さくすれば」
浜岡原発停止“川勝流”安全対策 
静岡 MSN産経ニュース
http://t.co/tnnBrr89XJ

浜岡原発:「小さくすれば安全に」
知事、技術研究受け入れも
静岡 - 毎日新聞
http://t.co/yQUCNnIGSz

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本日(5月14日)の朝刊各紙

黒字転換でも「原発不可欠」 中電、再稼働の姿勢維持
静岡新聞 http://www.at-s.com/news/detail/1039583370.html

中部電力の安全対策 
県、独自チェック
静岡新聞 http://www.at-s.com/news/detail/1039583366.html

浜岡原発、全炉停止から3年 
再稼働割れる賛否
静岡新聞 http://www.at-s.com/news/detail/1039583361.html

中日新聞:全面停止から3年 
浜岡再稼働へ高い壁:静岡
中日新聞 http://t.co/4LQxySk9k4

浜岡停止3年:避難計画策定でも認めず…周辺11首長 - 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20140514k0000m040070000c.html
     
     


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