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『国民経済は繋がっている①』三橋貴明 AJER2017.1.31(3)

https://youtu.be/KARKeRtEL4Q

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 日本の2016年、および16年10-12月期の経済成長率が発表になりました。


『去年10~12月のGDP 年率換算で+1.0%
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170213/k10010874451000.html
 去年10月から12月までのGDP=国内総生産は、個人消費の不振を輸出の増加が支えた結果、前の3か月と比べた伸び率は物価の変動を除いた実質でプラス0.2%、年率に換算してプラス1.0%となり、4期連続でプラス成長を維持しました。
 内閣府が発表した去年10月から12月までのGDPの速報値は、物価の変動を除いた実質で、前の3か月と比べてプラス0.2%となりました。この伸びが1年間続いた場合の年率に換算するとプラス1.0%となり、4期連続でプラス成長を維持しました。(後略)』


 2016年通年は対前年比1%、10-12月期は対前期比0.2%


 10-12月期の中身は、以下の通りです。


● 民間最終消費支出 ▲0%
● 民間住宅 0.2%
● 民間企業設備 0.9%
● 政府最終消費支出 0.4%
● 公的固定資本形成 ▲1.8%
● 財貨・サービスの輸出 2.6%
● 財貨・サービスの輸入(控除項目) 1.3%


 個人的にショッキングというか、「やはり・・・」と思ってしまったのは、16年の公的固定資本形成(公共投資から用地費等を除いたもの)が対前年比でマイナスになってしまったことです。


【日本の公的固定資本形成(左軸)と対GDP比率(右軸)】


 2013年から四年間の公的固定資本形成の額は、以下の通りです。


2013年 26兆3353億円
2014年 27兆2412億円
2015年 27兆0341億円
2016年 26兆0966億円


 何と、2016年の公的固定資本形成は、2013年よりも小さい水準になってしまったのです。


 対GDP比も4.86%。これは、民主党政権期に「コンクリートから人へ」政策が採用され、公的固定資本形成が容赦なく削減された時期よりも低い水準です。

 安倍政権は、公共投資を増やしていないのです。と言いますか、15年以降は減らしています。


 アメリカでは、カルフォルニア州のオーロビル・ダムの放水路が浸食により損傷。ダム決壊の危険が高まり、住民約19万人が避難する事態になっています。

 緊急用放水路に巨大な陥没穴が発見され、避難指示が出され、住民は大混乱に陥りました。

 インフラの老朽化、メンテナンス不足によるリスク増大、生産性低下は、日本だけの問題ではないのです。それにしても、「デフレ脱却」を標榜して誕生した安倍政権が、総需要の不足(デフレギャップ)を解消しなければならない状況で、需要(公的固定資本形成)を減らしている

 これが、我が国の現実です。

 2016年のインフレ率が▲0.3%となってしまった最大の理由は、安倍政権による緊縮財政なのです。


 世界屈指の自然災害大国で、かつインフラの老朽化が切迫した問題になり、デフレーションという総需要の不足に苦しんでいる我が国が、公共投資を減らす。


 これを「国家的自殺」と呼ばずして、何と表現したらいいのでしょうか


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