「刀とは魔物ですね。人を斬るだけでなく己の心まで切り刻む。
人を動かすには、恐怖こそが最も簡単な作法。
御屋形様、今ようやく貴方のお心が分かります」
「皆様、ご異論ございませんね?」
我こそは~ し~ば~た~ かつ、YEAH!!
ジャスティス!
「勝家殿は自刃せしめられた」
「・・・なんか、俺の知ってるお前じゃねえよ」
「どう違う」
「・・・」
「どう違う」
「…俺はお前が変わってねぇって信じる!」
「気を付けろよ。狸は八回化けるっていうからな」
「その見事な化けっぷり、期待するとするか」
尾張の狸、徳川家康。
「相変わらず、人たらしの猿め。うう」
信雄様には厳しい徳川の皆さん。
「今は戦国。そのような恨み、些事に過ぎぬわ」
「申し訳ございません」
秀吉様の母、なかさん
ねね様と秀吉さま
妹の朝日様と秀吉さま
「おに~たま~」
「…甘いな、利家。天下統一無くして平和とは呼べない。」
「そう、あの月に誓ったのだ。」
と。
天下に動きが。
「僕はどうしたらいいの?助けて!い~えや~すく~ん!!」
「時は、このわしに加担した
織田の世継ぎ、三法師様の伯父上、織田信雄様が命の危機と申せられる。この徳川家康、織田家のために秀吉討伐の軍を出しましょう」
そしてはじまる、小牧・長久手の戦い。
「もう手は打ってあるよ。」
ねね
なあに?
なぜ人は、刀を振り回すんだろう…。
信雄様、勝手に秀吉さまと和睦。
「石川数正、そなたは先見の明がある。今の奴をみてどう感じる」
「天下とは、本能寺よろしく絶対の確約がございません。ただ、天下人となる御方へ風が吹くのみ。どれだけの兵力を集め、どれだけの根回しがされたとて、その風が吹かなければ天下は取れませぬ」
「家康様は、心根のお優しい方です」
「知ってるよ」
「しかし今は乱世だ、戦国だ。それが分からぬ数正じゃあるまい」
「私には、風が吹いてみえるか?」
「その背に追い風が、砂塵吹き上げきらきらと」
数正ヘッドハンティング。
秀吉でなっしー
「私のことを…嫌いになってもかまわないからな。…やるなら天下の猿芝居だ。」
「ばかっ!利家の大馬鹿っ!! 仲直りしてやってよ」
姓を改め、豊臣秀吉
「羽柴秀吉はもういない。今日から私の名は豊臣秀吉。天下人となるのだ。誰が想像しただろう、一介の水呑百姓だった藤吉郎が、大名となり、藤原家の一員となり、関白となるだなんて。・・・お前だって、想像しなかったろう?」
「こんな女に嫁がれて、康くんは世界一の幸せものだゾ」
「嫌だ、離せ!」
「・・・そうだ、朝日姫。僕ら新婚旅行がまだだったね」
「えー、嘘―、考えてくれてたんだー」
「僕と一緒ならどこでもいいよね?」
そして、秘密の夜
猿と狸の化かし合いは果たしてどこまででしょうか。
猿狸合戦、これにて、めでたし、めでたし。
「…今のところは、な」
というわけで、
ご来場くださいましたお客様、本公演を応援くださいました皆様
誠にありがとうございました。
短い稽古期間ではございましたが、稽古が始まったのが、ものすごく大分と前に感じると
キャスト陣がおっしゃっておられるほどに、皆様がそれぞれ役を創りこみ急ピッチで走って参りました。
皆様の一致団結ぶりは素晴らしく
辻本座長を先頭に、ここまで駆け抜けて参りました。
打ち上げにて、技術スタッフたちがこぞって
「いい座長さんだねぇ。いい、メンバーだねぇ」
と、辻本座長をご覧になりながら目を細め語っていました。
座長のお人柄と、そして座長を含めたキャスト全員の作品への取り組み。
辻本座長は、いつも何よりもお客様を大切に想われています。
公演がはじまって、お客様が入られて、
毎公演、毎公演、目の前のお客様に真摯に向かっていかれます。
そんな座長とキャストの皆様、そして毎公演暖かく応援して下さるお客様で創り上げた「猿狸合戦」はいかがだったでしょうか。
「るの祭典」から約2年。
「いつまでも…」のその先が見たいと思いました。
弊社にとっても、「続きの物語」を舞台公演として上演するのは初めての試みです。
辻本座長がその挑戦を引き受けて下さり、そしてお客様が沢山ご来場下さり
こうして新たな舞台として上演することが叶いました。
沢山のお客様から、「続きが見たい」と言っていただけたこと、本当にありがたく。
また、客席数いっぱいになるほど沢山のアンケートを頂戴しております。
作品について、ご感想やご意見を頂けること、
こうして沢山のお客様のお声を聞かせていただけると言う事に感謝させていただくと共に
お客様の温かな、そして強い作品への想いや愛情を感じ、改めまして
皆様の想いを裏切ることのないよう今後も精進して作品作りに励んで参りたいと感じております。本当にいつもありがとうございます。
この「さるたぬ」が、新たな「シリーズ」としてお見せ出来るのか、まだ分かりませんが
お客様から頂戴しましたお声にお応え出来るよう、引き続き挑戦していきたいと
考えております。
ご来場、誠にありがとうございました。
またいつか、お会いできますことを。