その4 腸内環境の役割 | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 人間の恒常性(ホメオスターシシス)には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深くかかわっており、その一角に免疫系があります。この免疫系は「腸内環境」が重要な位置を占めております。


人生は腸で決まる!?


 実は私たちの健康と腸内の環境は本当に深くつながっているのです。特に近年、腸の免疫機能が注目されています。というのも腸管に体の中で最も重要で最も大きな免疫器官があるからです。


 腸は、毎日の食べ物や飲み物などを栄養を吸収してくれる大切な場所です。吸収された栄養は、その人の血液の質や体質を決定するようになります。つまり、人の生命維持にかかわる最も大切な器官なのです。また、腸は体の内側にある器官でありながら、外界と直接接しているという特徴があります。というのも、腸は体に必要な栄養素だけを吸収し、細菌やウイルスなど害のあるものは排除するという体を守る役割も果たさなくてはなりません。
 一般的に腸の粘膜のヒダが健康なピンク色で、ポリープや宿便がない人は、肌にもハリがあり、若々しく、健康な場合が多いようです。逆に腸がかたく、狭く、便の停滞がある人は見た目も年齢よりも老けて見え、 実際にも生活習慣病を抱えている場合が多いということも納得できると思います。では、腸と免疫の関係をもう少し深く調べて見ましょう。


腸の役割ってそもそもナニ?


 腸は「第二の脳」と呼ばれます。腸内に入ってきた物質を良いか悪いかを判断する以外に、それをパターン化して記憶する仕組みのほか、実は脳内の神経伝達物質「セロトニン」の95%が腸で作られているという報告もあります。 またさまざまなホルモン(ペプチド性ホルモン=脳内ペプチド)を生産し、多くの血管や神経が集まっている腸の状態は全身に影響します。皆さんも経験があると思いますが、子供のころ試験前や発表会などの前に緊張のあまり、急な腹痛や下痢に襲われたりしたことが。このように頭で考えることと腸の活動は密接につながっているのです。つまり腸が「第二の脳」と呼ばれる理由になるのです。.
 さてそこで、皆さんは我々日本人と欧米人との間で腸の長さに違いがあることご存知ですか?個人差はあるものの、日本人の大腸の長さが約1.5m、欧米人で約1m。そう、我々の方が1.5倍も長いのです。昔から欧米人は、肉中心の脂肪分が多い食事でしたが、日本人は野菜や穀物中心の繊維が多い食事だったことに関係があるといわれています。

 このことが、欧米人と日本人の片頭痛の症状に差異があることになっています。


小腸の絨毛


 腸は、栄養分を吸収する小腸と水分を吸収する大腸の2つに分かれます。小腸は、約6m。内側は、絨毛(じゅうもう)とよばれる無数のヒダに覆われそこから栄養分を吸収し毛細血管を通じてその栄養素を全身へ送る役目をもっています。大腸は、約1.5m。小腸で吸収仕切れなかった食べ物のカスや水分が吸収され最終的に便となり排泄されます。 便秘などで排泄がたまると食べ物に含まる添加物などの影響で、腸内の腐敗が進みます。これが大腸の粘膜に接し続けるとがんなど様々な病気の原因になるといわれています。
 便は通常7,8割が水分、残り2,3割が食物繊維や消化されなかった食物や腸内細菌などの死骸などが含まれています。理想的な便は色が黄土色~こげ茶色でバナナのような形と熟した際の硬さを持ったものが良いといわれています。.
 食物繊維が多く含まれている野菜類や海草、きのこ類などなどが、ある程度消化されないでカサとなって出てくることで良い便となり、スムーズな排泄が出来るのです。
 逆に悪い便は、2種類あります。1つは水分90%以上の下痢状の便です。もうひとつはコロコロ丸くて硬い便です。これは、水分が50%以下でもっとも悪い便です。
 最悪の理由は、本来、排出すべき便を長時間、腸内に留めている結果、水分が減少し、硬くなるからです。普段から肉食が多い人はこの2つのタイプの便になることが多いようです。最近、便秘をする人が非常に増えています。特に女性は悩みが深く、子供も増加傾向にあります。このままでは腸の健康がどんどん損なわれてしまう危険があります。
 では、なぜ便秘になるのでしょうか?便秘には多くの原因がありますが、まず見直すべきは、食事の内容であり、特に動物性たんぱく質の取りすぎと食物繊維不足です。大腸の長さの違いにもあるように、私たち日本人は、草食向きに出来ている長い腸のため、ただでさえ便がたまりがちなことに加え、急速に変化した食生活がさらに追い討ちを掛けています。


便秘の理由ワースト3


食生活に問題あり ・・・お肉や加工食品ばかり、過剰なダイエット
睡眠不足・運動不足 ・・不規則な生活、運動もしない怠惰な習慣
精神的なストレス ・・・仕事場、学校、子育てなど家庭での悩み


 また、大腸がんが、特に日本の女性に増えていることが大きな問題です。特に肉や加工食品ばかりとり続けると腸や体内が酸化してきます。老化を早める原因である酸化は食べ物が大きく関わってくるのです。大腸に送られた食物のカスは煽動運動によって結腸、直腸に運ばれます。それが直腸に達した際にその刺激が脊髄を通して大脳に伝わり、便意がもよおされる仕組みなっています。慢性的な便秘の場合、便意をがまんすることを繰り返したために直腸から脳に伝わる刺激が弱くなったりします。また、睡眠不足、運動不足や精神的なストレスなどの原因も多く見られ、便秘薬への過度な依存も良くありません。もちろん、大腸の病気の影響も考えられますので、便に血が混じったり、激しい腹痛を伴う場合は早めに医師に相談しましょう。.


腸は人の体で最大の免疫器官


 先ほども記載しましたが、腸は人の生命維持にかかわる最も大切な器官で、腸の粘膜の表面積は実に全身の皮膚のおよそ200倍ともいわれています。腸は飲食物に含まれる栄養分を吸収する一方で細菌やウイルスはその感染を防ぐため吸収せず便として体外に排出しなければなりません。従って血液中を流れるリンパ球といわれる免疫細胞の多くが腸に集まっており、それら免疫細胞が腸の粘膜やヒダに集まってバイエル版と言うリンパ組織を形成しています。また、人の体の全免疫システム全体の70%が腸に集中してと言われています。.


腸内の免疫の主な働きは3つ

 

腸内に入ってきたものを免疫細胞が認識
免疫細胞が腸内に入ってきたものの無害、有害を判断
無害なものは受け入れ、有害な場合は免疫細胞が攻撃

 

 なぜ腸管にこれほど多くの免疫システムが集まるのでしょうか?日々、口に入れられる飲食物にも必ず多くの細菌やウイルスなどが含まれています。それらの有害物質は腸の粘膜から最も侵入しやすいとされています。また、正常な人でも毎日3,000~4,000個発生すると言われているがん細胞が生じる場所もほとんどが腸内の粘膜からといわれています。そのような病原菌や有害菌などの外敵を素早く感知し、攻撃し、排除するため、免疫細胞が24時間365日、常に腸を守り続けなければなりません。つまり腸が人の体で最大の免疫器官である理由がここにあるわけです。そしてこの腸内の免疫と腸内細菌は密接な関係をもっています。


とっても大事な腸内細菌って何?


 人の腸の中には、約500種類、100兆個の細菌が住み着いています。その細菌は「腸内細菌」といわれるています。腸内細菌の種類は、乳酸菌を代表とする善玉菌と有害菌である悪玉菌が存在しますが、さらに詳しく分けると、腸内の環境状態によって「善玉菌」にも「悪玉菌」にもなったりする「日和見菌」という3種類に分類できます。健康な人の腸内環境は善玉菌と悪玉菌それぞれが上手く保たれています。小腸から大腸にかけては、これらの腸内細菌がびっしり存在し、まるで草むら(フローラ)のようであることから、腸内フローラとも呼ばれています。腸内フローラのなかの細菌は、さまざまな働きで、人の健康に多大な影響を与えているのです。

 それぞれの代表的な例をあげてみましょう。


腸内細菌の3種類


善玉菌とは


 腸内を酸性にし、病原菌をやっつけてくれたり、免疫力を高めてくれます。
 食べ物の消化・吸収を促進し、ビタミン合成、腸管運動を促進などの働きをします。
・乳酸菌、ビフィズス菌など。


悪玉菌とは


 腸内をアルカリ性にし、腸内を腐敗したり、発がん物資や毒素のある有害物質を作り出します。糞便・ガスの形成はもちろん体の抵抗力を弱め、下痢や便秘を引き起こします。
・ウェルシュ菌、ブドウ球菌、大腸菌、バクテロイデスなど。


日和見菌とは


 食べ物や体調によって善玉・悪玉どちらにも傾きます。
 例えば、バイテロイデスという菌は、ビタミンを合成したり、病原菌感染を防ぐという有用な働きを持つ反面、腸内の腐敗、発ガン物質の生産、腹部を膨張させるといった悪さもします。


腸内細菌の主な役割は何?


有害なものが腸に感染するのを防ぐ


 腸内に住み着いて壁面を覆うことにより侵入した病原菌や有害菌の増殖を防ぎ、感染から私たちを守っています。


免疫の働きを活性化する


 腸の免疫の仕組みを刺激して免疫の働きを活性化する。


消化を促進する


 消化を助ける酵素を分泌して腸の働きを活発にし、消化を促進する
 また、コレステロールや中性脂肪などの脂質の消化、吸収をコントロールしたり、余分な脂質の排泄を促進する


 これら非常に大切な腸内細菌ですが、常に一定の状態ではなく、様々な要因で変動します。健康な状態では、善玉菌が増え、悪玉菌が減り、悪くなると勢力はその逆になります。
では、悪玉菌優勢になるとなぜ人体に悪い影響を与えるのでしょうか?


腸が悪いと体調も悪い!?


 日本人の腸はもともと「低脂肪・ 高繊維」の食事に適応してきたのですが、近年急速に「高脂肪・低繊維」の食事へと変化してきました。また加工食品やインスタント食品など栄養バランスの悪い食事も多く摂取するようになってきました。このように腸に入ってくるものの量・質・内容の変化により、腸内細菌のバランスに乱れが腸の免疫の乱れの大きな原因となります。 また、老化、ストレス、睡眠不足、過労、抗生物質の服用等などで腸はダメージが溜まり、結果として善玉菌が減り、悪玉菌が増えるといった悪循環に陥ります。特にストレスは腸の免疫の乱れの大敵で、腸内細菌のバランスが崩れやすくなります。.
 そして、腸内の免疫細胞が有害物質やウイルスなどを感知できなくなり、外敵が有害なのか無害なのかの仕組みにエラーが発生したり、逆に無害なものまで攻撃してしまうという異常などが発生したりすることで免疫力は弱っていきます。


腸が元気で体も元気


 元気な家族のイメージこのように腸内細菌は腸内の免疫に非常に大きな役割を果たしており、体に良いものと悪いものを区別し、有害なものは排除するといった仕組みは腸内の細菌によって調整されているといわれています。つまり腸内細菌のバランスが保たれることによって免疫の仕組みが正常に働くのです。
 逆に細菌の中の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れ、悪玉菌が増えると、免疫機能が低下して病魔に侵されやすくなるわけです。理想的な腸内環境は、乳酸菌などの善玉菌がおよそ90%、大腸菌などの悪玉菌が10%というバランスだと言われています。
 従って、腸内細菌を健常な状態に維持することは、健康を維持していくうえでも、病気の予防や老化防止などに役立つで上でも大変重要な問題です。その為には善玉菌をできるだけ多くし、日々、腸内細菌のバランスを整えてあげる必要があるのです。「腸内細菌」が病気になると、私達も病気になるのです。「腸内細菌」に元気でいてもらわなければ困ります。


腸内環境の悪化原因


 腸内環境はいろいろな原因で変化しますが、なかでも食生活は大きな影響を及ぼします。 欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。食物繊維が不足した「不健全な食事」では、腸内細菌のよい働きを引き出すことはできません。高タンパク・高脂肪・低食物繊維の欧米型食事は、腸内環境にとって最大の敵と言えます。
 また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。抗生物質は病原菌をやっつけるだけでなく、よい腸内細菌まで殺し、腸内フローラを悪化させます。家畜に投与された抗生物質が肉を摂ることで体内に取り入れられ、有益菌を弱らせるようなこともあります。


 こうした食事やライフスタイルの間違いが、腸内細菌のバランスを崩し、人体にマイナスの働きを引き出すことになってしまいます。人間と共存・共生している細菌のトータル的な働きを、よい方向に向けられるかどうかは、人間サイドの姿勢によって決まるのです。
 特に食事のよし悪しは、腸の健康にとって決定的ともいえる重要性をもっています。高タンパク・高脂肪の肉や牛乳などを減らし、野菜料理に漬物や納豆などの発酵食品を加えた伝統的な日本食にすれば、“腸内フローラ”の崩れたバランスは回復し、健康を取り戻すことができるようになります。「食物繊維」の豊富な食事によって、腸内細菌をよい状態に維持することができるのです。欧米型の食事をやめて、野菜や発酵食品を中心とした伝統的な日本食にすることが、腸内細菌をよい状態に保つ強力な方法となります。腸の健康のためには、真っ先に「食事改善」に取り組まなければなりません。


便秘は腸内環境が悪くなっているサイン


 便秘とは一般的に、「3日以上便通がない」、「便がかたい・量が少ない」、「うまく排便できない・残便感がある」などの状態のことを言います。便は、からだの毒物を排出する機能として重要で、口から入った毒物の約7割は、便として排泄されます。便秘はおもに、自律神経や腸内細菌のバランスの異常、偏った食事、ストレス、我慢のしすぎ、妊娠などによっておこります。
 便秘は軽く考えられがちですが、腸内環境が悪くなっているというサイン。便の状態は、腸および腸内細菌の状態を反映する、とてもわかりやすい健康の指標です。慢性的に便秘が続く場合は、すぐにでも生活習慣をあらためる必要があります。
 便秘によっておこる病気には、おなかのはりや痔以外にも、有害物質の発生・毒素の再吸収による肝障害、頭痛、肩こり、疲れ、ニキビ・肌荒れ、冷え、むくみなどがあります。さらに、腸や腸内細菌の状態の悪化は、自律神経系、免疫系に悪い影響をおよぼし、アレルギー性疾患やがんなど、あらゆる病気の原因になります。
 便秘には、腸が動かないタイプの、高齢者に多い「弛緩性便秘」と、若い人から中年女性に多く、腸が動きすぎて腹痛やコロコロ便、下痢になるタイプの「けいれん性便秘」の2種類があります。いずれも交感神経の緊張が原因であり、副交感神経が働かない場合が「弛緩性便秘」、反動で副交感神経が働きすぎた状態が「けいれん性便秘」を引きおこすということになります。
 対策はどちらも同じ。交感神経の緊張状態を緩和することです。規則正しい生活を心がけ、よく水分をとり、軽い運動をすることで、リラックスできるようにしましよう。また、腸内環境をととのえる食事をとることが大切です。食物繊維、発酵食品、乳酸菌をたっぷりとり、よく噛みましょう。食物繊維のとりすぎで、かえって便が詰まってしまうタイプの便秘もありますが、この場合には、オリーブ油かオメガ-3系の油をとると効果的です。
 気をつけたいのは、安易に下剤を使用すること。下剤による排便は、くり返し使用することにより習慣化します。下剤は、5日以上排便がないときなどに限定して使用しましょう。かちかちに詰まってしまった便秘に対しては、浣腸がもっとも効きます。でも、下剤以上に習慣性があり、くり返すと浣腸しないと排便しない状態になります。下剤や浣腸に頼らず、食事や生活の改善により、排便力を高めることが大切です。


日本人の健康を守ってきた発酵食品


 日本は、世界でも有数の発酵食文化を持ちます。毎日の食生活のなかで、みそ、しょうゆ、酢、みりん、ぬか漬け、納豆、けずり節、麹など、さまざまな発酵食品が使われています。こうした発酵食品が、昔から日本人の健康を支えてきました。
 発酵食品は、微生物の働きで食品を発酵させることにより、栄養価や保存性が高まるなど、人にとって有用な食べものに変化した食品のことです。発酵を行う微生物には、一般に善玉菌と言われる麹菌、酵母、乳酸菌(ビフィズス菌を含む)、酢酸菌、納豆菌などがあります。
 発酵食品には、以下のような、健康にいいさまざまな効果があります。


●腸内環境をととのえる(整腸作用、便秘解消、腸内細菌の安定、免疫カアップなど)
●抗酸化作用がある
●デトックス作用がある
●うま味、甘みなど、風味がよくなる
●ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養価が高くなる
●食品の保存性が増す


 発酵食品は、できるだけ天然素材(自然農や有機農でつくられた食材で、添加物を使用しない)、天然醸造(伝統的な製法)でつくられたものを選びましょう。もし可能なら、自分でつくってみるといいでしょう。
 わが家でも、みそ、しょうゆ、みりん、酢、麹などは自作しています。つくり方を覚えれば、じつはそれほど難しくないのです。ほかにも、野菜や果物でつくった酵素ジュース、天然酵母をとって活用したパンづくりなど、いろいろな自家製の発酵食品を楽しんでいます。
 ヨーグルトやチーズも代表的な発酵食品ですが、動物性食品であるため、とりすぎには注意が必要。その点、豆乳ヨーグルトはおすすめで、わが家では自作して毎日食べています。
乳酸菌とひと言で言っても、何百もの種類があります。腸内細菌は、できるだけ多くの種類が共存していることが望ましいので、多くの種類の発酵食品を積極的に食べましょう。


腸内環境を整える食物繊維


 食物繊維とは、炭水化物の一種で、人の消化酵素では分解されない食物の成分です。発酵食品とともに、おもに腸内環境を整えるための重要な役割を果たしています。
 食物繊維には水溶性と不溶性があり、どちらも大切です。
 以下のように、とても多くの健康にいい働きがあります。


●整腸作用がある(腸内有用菌群を増やす)
●便秘を解消する(便をやわらかくする、容量を増やす、排泄を促進する)
●大腸がん、直腸がんを予防する
●血糖値が安定する(糖の吸収をコントロールする)
●コレステロールの吸収を抑制する(胆汁酸を排出する)
●ミネラルの吸収を促進する
●満腹感を維持する
●よく噛む必要がある(唾液の分泌が増え、消化・吸収を促進する)
●解毒作用がある(農薬、発がん性物質、放射能などの毒物を吸着する)
●消化管の免疫が増強される
●活性酸素が減少する(活性酸素は病気の85~90%に関与している)


 ちなみに、食物繊維の摂取は、成人女性で1日17g以上、男性で19g以上が目標量ですが、現代人のほとんどは摂取量が足リていません。足りない最大の理由は、主食が玄米から白米にかわったためです。また、やわらかくて□あたりのいい食べものが増えたことも理由のひとつです。
 食物繊維を意識してとるようにしましょう。


〈食物繊維の多い食べものの例〉


 穀物(玄米、玄麦、ひえ、あわ)、豆(大豆、とくに納豆)、根菜(ごぼう、にんじん、大根、こんにやく)、いも類(さつまいも、里いも)、海藻(ひじき、わかめ、ふのり)、その他(きのこ類、ごま、たけのこ、おから、オクラ、かぼちや、とうもろこし、ブロッコリー、ブルーベリー)など


腸内環境を整えるためには


1)肉の多い食事をやめる
 

 腸内の悪玉菌の大好物は、肉などたんぱく質や脂肪を多く含む食品です。
 ハンバーガーなどのファーストフードは悪玉菌が好む典型的な食事といえるでしょう。
 悪玉菌はたんぱく質やアミノ酸を分解し、悪臭のする有害物質を作り出します。便秘や下痢、肌荒れ、腸炎はもちろん、これらの物質が体中に運ばれ、動脈硬化、高血圧などの病気の原因にもなります。
 肉類は悪玉菌の格好のエサです。この点を忘れてはなりません。肉食の多い欧米人の片頭痛は日本人に比べ、強度なことは、ここに原因があります。
 肉の食べ過ぎでニトロソアミンと二次胆汁酸がそろうと、大腸がんのリスクが跳ね上がります。


2)食物繊維や発酵食品を摂取する


 食物繊維は、便の元となり腸を刺激して便通につながる「不溶性食物繊維」と、腸内で水に溶けて有害物質を吸着し体外へ排出する「水溶性食物繊維」に分けられます。

 不溶性と水溶性の食物繊維をバランスよくとることで、お腹の中をよりキレイにすることができます。
 水溶性食物繊維を多く含む食べ物には、りんご、バナナなどの果物類、しいたけ、えのきだけなどのきのこ類、わかめ、こんぶなどの海藻類があります。
 不溶性食物繊維を多く含む食べ物には、大豆、いんげん豆などの豆類、ブロッコリー、ごぼうなどの野菜類、さつまいも、さといもなどのいも類があります。この二つをバランスよく摂取しましょう。
  善玉菌を増やすにはヨーグルト、漬物、納豆、チーズなど発酵食品を食べることです。


 3)適度な運動をする

 
 運動不足になると、腹筋が弱まり、腸の蠕動運動が弱まって便秘になりやすくなります。運動をすれば腸が揺れて動きが活発になりますが、強すぎる運動は交感神経を興奮させます。交感神経が興奮すると腸は動かなくなりますので、むしろ軽い運動がいいのです。
過度な運動は逆効果です。軽い腹筋運動や、ウォーキングなどの有酸素運動が効果的です。

 
4)ストレスをため込まない
 

 ストレスがたまると、自律神経のバランスが乱れ、腸の運動が悪くなって便秘が起こりやすくなります。
 健康な腸内細菌を持つ個体は、不安や心配などのストレスが少ないのが普通です。
 腸の健康を保つためには、副交感神経が優位となる「リラックスして過ごす時間」をバランスよく確保することが必要になります。
 自分に合ったリラクゼーション方法を見つけて、腸内環境を良くしましょう。

 
5)腸内環境を整える「善玉菌」のヒミツ
 

 女性の大半がかかえているのは便秘の悩みです。便秘になると、腸内に悪玉菌が増殖します。悪玉菌が増えることでさらに便秘は悪化し、負のスパイラルに陥ってしまいます。 そこで、腸内環境を整えてくれる『善玉菌』に注目しましょう! 腸内をクリーンにしたら、次のステップとしては善玉菌を増やすことが重要なのです。ここでは、善玉菌を増やしてくれる食べ物をご紹介します。
 
・その1:『生きた乳酸菌』を含むヨーグルト
 

 乳酸菌は悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。乳酸菌は体内に存在していますが、加齢とともに減少してしまいます。しかも、ストレスの多い現代人は、乳酸菌の減量スピードも速いのだとか。そのために、乳酸菌を含む乳製品を外部から摂取する必要があるのです。ヨーグルトを朝食べることで腸が1日中活発になります!
 乳酸菌と言えば、一番に思い浮かぶのがヨーグルトです。でも、先程述べたように”ヨーグルトなら全てOK”というわけではありません。乳酸菌は胃酸などによって死滅しがちなので、しっかりと生きて腸に届くものをチョイスする必要があるのです。


・その2:『植物性乳酸菌』を含む発酵食品


 善玉菌の増殖をサポートしてくれる、発酵食品。いま流行りの発酵食品ですが、たとえばキムチや漬物、味噌、コウジなどが挙げられます。
 おなじみキムチなら手軽に植物性乳酸菌チャージ!
 これらは『植物性乳酸菌』とよばれるものです。同じ発酵食品でもチーズなどの『動物性乳酸菌』よりも、生きて腸まで届きやすいという特徴があります。


・その3:『オリゴ糖』を含む大豆製品
 

 大豆製品には、食物繊維がたっぷり含まれています。特にオススメなのが納豆ですが、納豆には善玉菌の増殖をサポートするオリゴ糖も含まれています。
 納豆が苦手な方は、豆乳、おからなどでもOKです。
 さらに、悪玉菌の増殖を阻害するのに役立つリノール酸も入っているので一石二鳥!
腸内をクリーンにしながら、さらに善玉菌を増やして健康な腸へと導いてくれるのでとても効率的です。納豆は健康な腸づくりのためにはパーフェクトな食べ物と言えるかもしれません。


「ラブレクラウト」の勧め


 この腸内環境の改善のためには、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生は、「ラブレクラウト」を勧められています。
 

  そもそも”ラブレ菌”って何???


 私たちの腸にとって大切な役割をしてくれるのが乳酸菌です。
 乳酸菌には様々な種類がありますが、最近注目されている乳酸菌といえば「ラブレ菌」ではないでしょうか。CMなどで聞いたことのある人は多いと思います。
 ラブレ菌は「ラクトバチルス ブレビス サブスピーシス コアギュランス」という長い正式名称が付いています。
 ルイ・パストゥール医学研究センターの岸田綱太郎博士が、京野菜である「すぐき」というカブの一種の漬物から発見しました。
 1993年にはマスコミで報道され、日本で生まれた乳酸菌として大きな話題になり、注目されるようになりました。
 健康志向が強いアメリカでも「マジックピクルス」などと称されて注目される食品となっています。
 ラブレ乳酸菌は他の植物性乳酸菌と同様に、生きたまま腸まで届いて悪玉菌の増殖を抑えたり、便通を良くしたりといった働きをしてくれますが、これらの働きとは別に、ガンやエイズなどの大きな病気を予防するといった働きもあると期待されています。
 ラブレ菌を含む「すぐき漬」は、京都の三大漬物の1つで独特の味わいのある漬物です。ラブレ菌が注目されるようになり、すぐき漬を買い求める人も多くなっていて在庫切れの販売店も多いようです。
 

 以上のように、ラブレ菌は、「すぐき漬け」から発見された植物由来の乳酸菌です。酸の強い漬けものの中に存在できることで、体内の酸にも大変強く、強力な生命力で生きたまま腸に届くのが特徴です。
 整腸作用による便秘解消、美肌効果や、免疫力を高める効果、コレステロール値を下げる効果のほかにも、アレルギーを抑制する効果などが期待できます。NK細胞はガン治療にも用いられていますが、ラブレ菌はNK細胞を活性化させる働きがあるため、治療のサポートとしても活躍してくれます。
 ラブレ菌は、便秘や肌荒れに悩まされている女性だけでなく、生活習慣病に悩まされている人すべてにぴったりの乳酸菌だといえます。


ラブレ菌でガンやインフルエンザのリスク低減!?


 ラブレ菌とは京漬物“すぐき”から発見された乳酸菌で、整腸作用や免疫賦活に効果があると言われてきました。そんな免疫力を高める効果を持つラブレ菌を含む飲料が、インフルエンザ予防にも有効であるということがカゴメの研究で明らかにされました。
 カゴメは約3000人の小学生を対象とする大規模な調査を行いました。その調査によれば、対象者にラブレ菌を含む飲料を継続摂取させたところ、摂取した児童のインフルエンザ罹患率は、摂取しなかった児童に比べて明らかに低いことが確認されました。
 つまり、ラブレ菌飲料を続けて飲むことでインフルエンザのリスクを低減できる可能性が示されたということです。
 参考までに、乳酸菌のインフルエンザ予防作用についてはこれまでにも報告はいくつがありますが、今回のように、地域的な影響を考えて狭い地域内で行われた数千人規模の比較調査は、なんと世界でも初めてです。これはかなり信憑性の高い結果です。

 
 塩分と酸の濃度が高い過酷な環境で生き抜くラブレ菌は、胃液・腸液などの乳酸菌の生存を脅かす消化液に強く、腸までの生存率が高い乳酸菌です。
 乳酸菌は、腸内で活動して乳酸を作り、悪玉菌が生存しにくく、善玉菌が活動しやすい弱酸性の腸内環境を実現するので、下痢や便秘といった腸内環境の悪化による便通の不調を改善します。
 また、腸内で悪玉菌が出す毒素は、肌荒れの原因になるので、悪玉菌の減少による美肌効果も期待できます。
  一方、ラブレ菌はがん細胞やウイルスの侵入に反応して細胞が分泌するタンパク質の「インターフェロン」の生成を促進させる効果があります。
 インターフェロンが生成されやすくなると、腫瘍細胞の発生や病原体などに素早く対応できるようになるため、身体の免疫機能が強化されます。
 特に、ラブレ菌が生成を促進させる「インターフェロンα」は、ガン細胞やウイルスを攻撃して感染症から身を守るために特に重要な「NK細胞(ナチュラル・キラー細胞)」を刺激して活発化させる機能を持っていますので、ガンやウイルス感染などの重大な疾患への防御力を効果的に高めることができます。
 この他にも、ラブレ菌には、コレステロール値を下げて動脈硬化や脳血管障害、心臓疾患などを予防したり、アレルギーを抑制したりといった様々な効能があります。
 植物性の乳酸菌であるラブレ菌は腸内にほとんど定着することはありませんが、毎日、継続して摂取すれば理想的な腸内環境を維持することはできます。
 サプリメントや乳酸菌飲料などを上手に利用して、定期的な摂取を心がけることが大切です。


意外にも、ラブレ菌を配合した市販ヨーグルトはない


 ラブレ菌を摂取したいのなら、 飲み物・ サプリメント、 このどちらかになるでしょう。ラブレの飲み物はカゴメがだしているラブレがスーパーにいけばあるでしょうし、乳酸菌サプリメントはいろいろなメーカーがラブレ菌を配合した乳酸菌サプリメントを販売しているので、ラブレ菌を配合しているサプリメントの数は多いです。
ラブレ菌を配合したヨーグルトはありませんが、ラブレ菌は摂取しやすい乳酸菌といえるでしょう。
 ただヨーグルトを食べるのが趣味で、ラブレ菌を配合したヨーグルトがほしいという人には、目的の製品がないということになってしまいます。
 自分でラブレ菌を植え継ぎして、自作ヨーグルトを作成する人もいるかもしれません。


 こうしたことから、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生が考案されたのが「ラブレクラウト」です。


「ラブレクラウト」


 ラブレクラウトの「ラブレ」は、ラブレ菌のラブレです。最近、「ラブレ乳酸飲料」が次々に発売されているので、あなたも知っているかもしれません。先程も述べたように、京都の伝統的なお漬物「すぐき漬け」から発見された植物性乳酸菌で、腸内で酢酸や乳酸などをつくり、悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。また、腸の新陳代謝を活発にしてくれるので、消化吸収力や免疫力を高めてくれるといわれています。実際、すぐき漬けをいつも食べている人ほど、がんの発生率が平均値よりも低いというデータがあり、ここに着目されました。
 「グラウト」はザワークラウトのクラウトです。ビア・レストランなどでソーセージと一緒に出てくるキャベツの塩漬けです。腸内環境を整える乳酸菌(善玉菌)がたくさん含まれていることから、かつて永い航海に出る西欧人たちが、不足しがちなビタミンを補給するために作り出した食べものです。
 ザワークラウトの主役であるキャベツには、「キャベジン」と呼ばれるビタミンUが豊富に含まれ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を予防する働きがあり、「食べる胃腸薬」といわれています。
 また、キャベツに含まれる辛み成分には解毒作用や抗酸化作用があることも知られています。さらに、血管をやわらかくして血流もよくなりますから、肩こりや片頭痛の女性にはうれしい食べものです。

 

 

 以上、腸内環境が悪化すれば、便秘を来すことになり、便秘している腸内からは、インドール、スカトール、アンモニア、アミンなどといった猛毒物質が発生しており、これらが腸から吸収され血液と一緒にあなたの身体中を巡ります。有毒なガスや腐敗した便は適度な時間に排出されませんと、再吸収といって、有毒なガスや毒素が腸の壁から血液中に取り込まれ、毒素が体にまわってしまうことで、日常的に感じる極く軽度の頭痛を始めとして、さまざまな不調が起きることになります。


 「ホメオスターシスを構成する3つの柱」の1つである腸内環境を健全化させることによって、「自然治癒力」を高めなくてはなりません。
 そして、腸内環境の悪化は、片頭痛の根幹となる「酸化ストレス・炎症体質」を形成させる最大の要因になっています。これ程、重要なものです。

 

 このことから、腸内環境の健全化は、片頭痛治療の第3の柱になっています。