正確に言うと「殺魚魚」ですが、それだと意味がわからないので「殺人魚」とさせていただきます。


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魚にプロザック―怒りやすく攻撃的で、オスがメスを殺し始める「殺人魚」になることが新しい研究によって判明


(イメージ画像 Just another WordPress.com siteより)



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7月14日【Daily Mail】http://www.dailymail.co.uk/news/article-2341793/Fish-Prozac-angry-aggressive-KILL-mates-new-study-finds.html

アメリカ国内の排水溝には、人間の排泄物から出たプロザックなどの薬が微妙に含まれている
・多めのプロザックに触れた魚は、オスがメスを殺し始め、メスは卵を産まなくなる
・ミノウ(コイ科の淡水魚)が若いうちにプロザックに接触すると、遺伝子や脳の「アーキテクチャ(構造)」が変化する




プロザックを与えられた魚が攻撃的、反社会的でかつ時には他の魚を殺すようになることを、ウィスコンシン大学ミルウォーキー校の科学者らが発見した。

でも、そもそもなぜ魚にプロザックをあげたのか?悲しそうにしていた魚を治そうとしたのか?そうではない。むしろ、人間用の薬が最終的に排水溝に辿りつき、そこで環境上の影響を与えている問題について、科学者らが研究し始めたところなだけだ。

抗うつ剤はアメリカ国内で最も処方されている薬で、毎年2.5億件の処方箋が出されている。また、最も排水溝を汚染しているのが確認・記録されている薬でもある。



**プロザック国家 アメリカ国内で毎年、2.5億件の処方箋が出されている



薬のトレースは、一般的に人間が排泄する際に排水溝に流されることとなる。下水処理場は排水をろ過してから排出しているものの、ほとんどの処理場では薬をろ過する設備が整っていない。

アメリカ中西部の排水溝に最もよくみられるファットヘッド・ミノウという魚を研究対象として、同大学の研究員らはプロザックへの接触の効果を研究することにしたものだ。

ウィスコンシン大学ミルウォーキー校の「五大湖水質研究機関(仮訳・Great Lakes Water Institute)」に所属する生態学者であるRebecca Klaperは、カリフォルニア州ロングビーチで行われたSociety of Environmental Toxicology and Chemistryという学会で研究結果の発表を行った。


ファットヘッド・ミノウは複雑な繁殖行動をとるのが普通だ。オスが巣を作り、メスはそこに卵を産む。産卵の後はオスが受精させて卵を見守り、カビ類や死んだ卵を取り除く。

生態学者のKlaperは、プロザックの有効成分フルオキセチンを10億分の1という非常に低い濃度を魚に与えた。この濃度は排水溝に排出された排水の中のフルオキセチン濃度と同じものだ。


**ファットヘッド・ミノウからロマンスが消えた。プロザックに接触することによって、通常のこの魚の精巧な繁殖習性は変化し、オスが攻撃的になって、中にはメスを殺すものも



オスは一匹で隠れたり、他の魚を追いかけまわしたり、メスを無視することが多くなった。

メスにはオスと同じような変化はなかったものの、産卵する卵の数が減少した。

フルオキセチンの濃度が、排水溝で検知された最も高い濃度にまで高くされると、オスのミノウは巣作りにより長い時間をかけるようになり始めた。

将来の排水溝のフルオキセチン濃度が10倍になるかもしれないと予測されているが、研究者がその濃度に合わせたところ、オスは「偏執狂になり、メスを無視した」とKlaperは言う。

フルオキセチン濃度をさらに上昇させたところ、ファットヘッド・ミノウは生殖行為を一切行わず、暴力的になった。「オスがメスを殺し始めたのです」

オスがこの物質に接触してから1か月後にメスを入れると、オスはそのメスに対しては攻撃的な様子を見せなかったというのはとても奇妙な話だ。しかしメスはやはり、卵を産まなかったという。
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この研究をみると、プロザックへの接触によって魚の脳の成長を司り、行動を制御する遺伝子を変化させる可能性があることがわかる。


**危険:下水道処理場の下流に群生する個体群に、人間が使っている薬が原因の行動様式の変化を受ける可能性が最も高い



プロザックが、魚の脳にある遺伝子のオン・オフ機能を混乱させるためにこのような行動の変化の原因となっているようだ。ミノウが生後2か月の時点であり、まだ成長している時に同薬は投与されている。

若いミノウの脳に「アーキテクチャ」変更がみられる、とKlaper博士はいう。

「高濃度では脳の変化があるようです」同博士は学会で次のように話している。「しかし遺伝子発現に変化が見られますが、環境に基づいたとされる濃度では行動様式に変化が見られました」



**不安感:プロザックに接触したオスは攻撃的で不安感を見せ、メスは産卵数が減少した**



Klaper博士の以前の研究、つまりプロザックに接触したミノウが捕食者に対峙した際に、どのような行動を取るかを調べた研究からは新しい発見があった。ミノウは以前よりも長距離泳ぐようになり、また、泳ぐ方向を変える回数が増加した。これを考えると、プロザックにより不安感が増したといえよう。

このような効果が実際に野生の魚にみられるかどうかは不明であるが、生殖活動や捕食対象を食べたり避けたりする行動へに少しでも変化がある場合は、魚の個体群に致命的な影響を与えるだろうと博士は考えている。

最も危険にさらされているのは、排水溝の他の場所よりも常に高い数値の処方薬が検知されている下水道処理場の下流に生息する魚の集団だ。

Los Angeles County Sanitation Districts にある化学物質研究グループ主任のSteve Carrは、Environmental Health Newsの中で、過去10年の間に下水処理場の排水や下流の水中の化学物質を検査するテクノロジーが開発されているのにも関わらず、ほとんどの処理場では行われていないことを説明している。

**ろ過された水:下水処理場では排水を処理しているが、プロザックのような薬物の痕跡を取り除くテクノロジーを有していない




体内に薬物が蓄積される魚も一部おり、つまり長期間に渡ればもっと低い濃度の薬物に接触していた場合でも、十分に蓄積される可能性もあるという研究結果もいくつか出ている。

アメリカ環境保護庁は、医薬品について「不安材料が出てきている」とし、処方薬に含まれる化学物質が野生動物や人間に対し危険性を孕んでいるおそれがあるとしつつも、それに対応する連邦規制はまだ今のところ制定されていない。

WHO・世界保健機構は、飲み水に含まれる処方薬の痕跡による「人体の健康へ危険を及ぼす可能性は低い」としているものの、野生動物に対する悪影響は深刻であることが判明してきている。

「魚と人間では薬物の代謝の方法が異なっています」

Klaper博士はいう。

「環境内の濃度が人間に影響を与えるほど高くないとしても、魚には明らかに蓄積されており、それによって魚の脳の遺伝子発現を変化させているようです」


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【コメント】

ふーん。
じゃあ、魚にこのような深刻な影響があっても、人間は魚とは別だから大丈夫、ってことなんですね!

プロザックや他の大量殺人と関連している薬物一切を禁止せよ!
(infowars より)

なんて情報もありますが。



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あと、最近、うちの近所の方と水道水についてお話ししていた時に、

「だって、水道水にはホルモンや農薬が入っているでしょう?」と言われました。

ホルモンは、女性が避妊のために飲んでいるのが本文のプロザックと同様の経緯で水道に混ざるのだそうです。農薬は農場から流れているんでしょうか。

今住んでいるところの水道にはフッ素は混ぜられていませんが、「きれいで安全な水」って世界でもごくわずかなんでしょう・・・。


水道水にリチウムの高いエリア(スコットランド)では自殺率が低く、逆にリチウム含有量の低いエリア(日本やアメリカなど)では自殺率が高いから、水道水にリチウムを添加せよという動きもあるようです。またそんな意味のわからない、余計な人体実験はやめて欲しいですけど。他にも自殺に関係するもっと重要な要素があるでしょうに。