前のブログ・エントリーで、香山リカ氏(+森健氏)の著書、
『ネット王子とケータイ姫』
に触れた。彼女らの分析結果のひとつは、
「情報技術(IT)の発展により、老若男女、誰もが平等に情報を入手できるようになると喧伝されたが、実際はそれぞれの指向性の違いを助長するべく進んでいる。」
ということ。

精神科医である香山氏は、男女の性差が「ネット王子」と「ケータイ姫」という別方向に強調されて現れているとしている(「姫」はパソコンを持ちたがらないし、「王子」は「姫」ほどケータイ依存症にならず、むしろネット中毒の症状を示す)。

男女の性差は、ここで改めて確認するまでもなく、脳・発想の違いに基づいている。メール・電話・会話などのコミュニケーション全般において、
「女性はコミュニケートしている状況・雰囲気を楽しみ、男性はコミュニケートしている内容に重きを置く。」
女性にとっては話の内容はどうでもよい場合が多く、男性は転がる話について行けず、思わず話に結論(オチ)を求めてしまう。結局、脳の性差が男女間のすれ違いを生む。このすれ違いは、恋愛の始まりという美しきすれ違いであったり、破局という悲しきすれ違いであったりする。



例1:美しきすれ違い
「この頃、サイクリングやってる?」
「うん、この間も遠出してさぁ。でも僕のシティ・バイク、やっぱり遠乗り用じゃないんだな。」
「へえ、かっこ良さそうなバイクなのにねぇ。(*^o^*)」
「やっぱりロードじゃないとね。アルミもいいけど、クロモリの、欲しいなあ。『軽さ』よりやっぱ、『しなり』でしょう。」
「ふーん。そんなに違うんだ。o(^-^)o」
「タイヤ幅は30mm切ったら、かなりスピード出せるし、だいいち、カッコいいしね。」
「うん、ステキね♪(自転車のことはよく分からないんだけど、アツくカタっちゃうあなたがステキなの♡ 大好きになっちゃいそう。)」



例2:悲しきすれ違い
「今日、会社でマリコと課長がモメてさぁ、すったもんだだったのよ。」
「へえ。」
「それで課長ったらさぁ、あ、課長って前、言ってた50オーバーの冴えないヒト。いつもスリーピースでキメてるぜって、ウザ~。」
「うん。」
「この間も課長、変なネクタイしててさぁ。あれって何なのかなぁ。」
「…?」
「たぶん、ワタシ的には『丸の内OLが選ぶネクタイ5本セット』とか買っちゃってるんだと思うな。目の前のOLに聞けって。どう思う?」
「えっ?」
「いや、課長のことよ。」
「マリコとモメたんでしょ?」
「もう~! そんな話、してないよー。聞いてなかったでしょ。」
「いや、聞いてた。課長がウザいんでしょ?」
「やだ。そうじゃなくてぇ。ネクタイ選び、間違ってるっていう話。…この頃、私が一生懸命、話してるのにマジメに聞いてくれなくなった…。私があげたネクタイも、この頃してないし。」
「あああ、僕はネクタイ選んでもらえるけど、課長はネクタイ選んでくれるヒトがいないっていうオチかぁ。」
「もぅ~。今は課長の話じゃないっ!`o´」
「課長のことって、言ったじゃない! 何の話なんだっ!●`з´●#」



男女の性差、特に脳の違いは越えられそうもない。男女の恋愛は、始めから終わりまで、すべてすれ違いに基づいている。

「男と女は永遠にすれ違ったままである。」
けれど…。


P.S.
「あのぅ、僕の場合、すれ違っても恋愛が始まらないんですけど。」
「自分のことを好きでない女性にアツくカタってどうする?」
「でも、アツくカタったら、好きになってくれるんじゃ…」
「バカだねぇ。そういうことするから嫌われるんだって。同じ話をしても、『好き』は『大好き』になるけど、『嫌い』は『大嫌い』になるのっ。(-_-#」
男女は好きになるのも嫌いになるのも加速的。恋愛という流れを一定に保つには…(続く)



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