そして、先週日曜は、大阪江坂まで。年に一度の大阪のROCK STAKK RECORDS主催の「TRUE THRASH FEST」であるが、今回は何故か、初日の2/10、それにこの2日目の11日が川崎CLUB CITTAで行われているTHRASH DOMINATIONと丸被りという何とも言えない展開になった。しかし、こちらの3DaysはこれまでのTTFの総決算且つ、日本のバンドも物凄い強剛が集結し、10周年の物凄いものとなった。

新大阪に13時半ぐらいに着いて、そのまま御堂筋線で江坂。すぐに会場へ入る。
トップは、FASTKILL!まだ彼らがトリオ編成になってからは見ていないので、どんなステージングになるのか思いつつ待つ…と定刻通りに、"Torture Inseption"のイントロの呪文のようなあの声がSEで流れ、そのまま"Nuclear Devastation"へ。ヴォーカルとベース兼任になったToshi君だが、なかなかにMCもアグレッシヴになっている感じがした。(ストラップもガンベルト。)演奏はもちろん、バリ!
4曲目の"Die In The Pentagram"では、gamyとのスプリットであちらがFASTKILLのこの曲をカヴァーしていることもあり、今回は本家の演奏にgamyのHxTxDxさんがゲスト・ヴォーカルという展開。さらに次の"Kill For Pleasure"の前では、この曲のタイトルは実は今日出演するBLOOD FEASTのファーストのタイトルから取ったのだということを、望月氏がカミングアウト。巷ではKREATORの"Pleasure To Kill"から取ったと思われていた感もあったが、実はここだったとは!
ラストはHYPNOSIAのカヴァーを交えて、珍しい"Agony"でシメ!物凄いスピード、そしてすでに始まったオーディエンスのダイヴの嵐で、会場はすぐに熱くなってしまった。

FASTKILL@大阪江坂MUSE 2/11
SET LIST:
1. SE:Torture Inseption~Nuclear Devastation
2. Bloodbath
3. Kill And Possess
4. Die In The Pentagram(With:HxTxDx(gamy))
5. Kill For Pleasure
6. In Thrash We Trust
7. Toxic Tormentor
8. Hang'em High (HYPNOSIAのカヴァー)
9. Agony

http://fastkill.gooside.com/

そして、日本勢2組目は今年で35周年のROSEROSE。
幕が開くのと同時にいきなりオールドスクールの超名曲2曲、"Death Of Thrill"からの"There's No Realism"!これにはオーディエンスは呼応しないわけがない。年末の時もそうだったが、"There's No~"のソロ前のリズム・アレンジが利いている。
「4年前は来れなかったけど…。」と、あの大雪で交通機関が大ダメージを受けた2014年のTTFの事に触れ、すぐに3曲目、ロートタムが唸る"Agony Of Imposter"。6曲目の"Grind Maniac"まで怒涛で飛ばし、Tシャツなどの物販の事などをMC。「帰り、手ぶらで帰りたいんでね。」とHiroさん。
"So Just Go Fucking Nuts"、"The Final Sign"と2曲演奏して、「TTF、本当にありがとうございました。ホントに4年前は出れなくてすみません。」と言って、さらにラストの2曲を炸裂させた。ラストのシメはもちろん、"I Am Mayhem"!ROSEROSE流のスラッシュ・コアは、どの会場でもいつものエネルギーで安定の破壊力である。

ROSEROSE@大阪江坂MUSE 2/11
SET LIST:
1. Death Of Thrill
2. There's No Realism
3. Agony Of Imposter
4. The Sacred Heart
5. Corrupted Dictators Shit
6. Grind Maniac
7. So Just Go Fucking Nuts
8. The Final Sign
9. Hang Out
10.Rise Above
11.I Am Mayhem

http://roseroseskate.jimdo.com/

海外の若手、フィンランドのEXCUSE。
重いSEで始まり、幕が開く。フロント陣は全員後ろ向き。演奏と同時に前を向いてオーディエンスをアジテート!細身で長身…やはり北欧(彼らはフィンランド。)人の特徴という感じ。(イメージではなくて、結構そういう人が多い気がする。ラーズ・ウルリッヒみたいな少し小柄な人もいるとは思うけど。)EXCUSEっていうバンド名が「弁解」とか「言い訳」の意味なので、ちょっとどういう意味で付けたのかよく分からないんだが、「言い分」という意味かな???ちなみにベース氏はヒゲは生やしているが全員イケメン。
音楽的にはギター兼任のヴォーカル氏が結構吐き捨て型のスタイルだったので、メロディックでブラック・メタル的な部分もあるにせよ、なかなか自分の趣味に合っているスラッシュ・メタルであった。近々新作がでるようなので、演った曲はこれまでのデモに収録されている曲以外はタイトルは不明。(セトリの紙でも適当に「METAL」とか書いてあったりなので。)音はかなりデカく、最前列で見ていたので、おそらく生音も相当デカいと思った。
2曲目以降、ダイヴァーはガンガン飛んでいた!

EXCUSE@大阪江坂MUSE 2/11
SET LIST:
1. Sworn To The Crimson Oath
2. (New Song)
3. Prophets From The Occultic Cosmos
4. (New Song)
5. Black Witch
6. (New Song)


 

 

http://www.facebook.com/excuseofficial/

EXCUSEが終わった途端、フロア中央でいきなりモッシュ・サークルが出来たので、何だ?と思ったら、なんとRIVERGEがフロア・ライヴ!いきなりの"A & ∀"!!これは凄い展開である!ちなみに、8月に見た時と同じに現在ドラムのサポートはFASTKILLのKazz君であるが、Day1の昨日だけは、オリジナル・ドラマーの松本さんが叩いた。
MCの後、"Monster Die"だが、ほとんどモッシュ・サークルは止まらないという感じ。RIVERGEのフロア・ライヴは見た事がなかったが、実際はかなりスタイル的には合っていると思った。
「これであと2曲やから、もっぺん、ガツンと行こう!」と中村さん。"Slavish Charge"から"Till I Die"という黄金の2曲を発射!ラスト、下手ギターのTommyさんはクラウドサーフされながら弾いていた!

RIVERGE@大阪江坂MUSE 2/11
SET LIST:
1. A & ∀
2. Damned World
3. Wardance
4. Fight Against Myself
5. Monster Die
6. Stand In Fear Of Nothing
7. Ready To Dive
8. Faith To Nothing
9. Slavish Charge
10.Till I Die

http://riverge.mad.buttobi.net/

4年ぶりに見るアメリカのAT WAR。
今回は事前に2日出演する海外バンドは「1日目の出演」時のみアルバム再現などのスペシャル・セトリとなると言われていたが、その中でもAT WARは、ファースト「ORDER TO KILL」完全再現という事がアナウンスされていたので、かなり期待していた。実際には、3曲目の"Capitulation"と6曲目(アナログではB面2曲目)の"Mortally Wounded"は演奏しなかったが、下記のセトリを見て分かるように、充実のセットリストであった!
2010年の時のラインナップでは物凄いタイトなリズムで圧倒されまくったが、前回の2014年ではドラマーがチェンジして多少物足りなさを感じてしまったのは事実。しかし、今回はほぼその強固な音の壁が復活していた。特にギター中心のバランスであるスラッシュ・メタルにあって、ソリッドで太いベース音がギターをサポートしながらも主張しているという絶妙なバランスがベテランの風格を物語っていた。
"F.Y.I."のヘリの音のSEから"Conscientious Objector"へと入り、ファーストのタイトル・トラック、ドラムのパターンからの"Semper Fi"と3曲演った後、「皆に会えてとても嬉しいです!」と日本語でMC。次の"Ilsa (She-Wolf Of The S.S.)"はスタジオテイクだと、ヒトラーの演説が入っているが、これはイルゼ・コッホ(SLAYERの"Angel Of Death"のヨーゼフ・メンゲレほどではないにしろ、かなり残忍な事をした人物である。)というナチスのブーヘンヴァルト強制収容所の女性看守の事を歌ったとポールが語ったが、曲のタイトルは同名のポルノ映画から取られている様子。ただし、その映画自体、多くの虚実から着想を得た作品であり、事実でない事も多く含まれるようである。"Dawn Of Death"の後、ドラマーのブライアンを紹介して、3曲立て続けに演奏し、さらにファーストでカヴァーされているMOTORHEADの"The Hammer"を叩きつける。
ラストはファーストから"Eat Lead"と"Rapechase"、さらに"At War"。"Rapechase"はギターのアーミングから始まって、リフでオーディエンスを煽る。ラストのバンド名の"At War"でも掛け合いがあったが、ここでのバスドラの鳴りが素晴らしかった!
ともかく、スラッシュ・メタル…いや、ロックンロール・バンドとしての理想の姿といっても過言ではないステージであった!

AT WAR@大阪江坂MUSE 2/11
SET LIST:
1. SE:F.Y.I.~Conscientious Objector
2. Ordered To Kill
3. Semper Fi
4. Ilsa (She-Wolf Of The S.S.)
5. Dawn Of Death
6. Assassins
7. Creed Of The Sniper
8. Gutless Sympathizer
9. The Hammer(MOTORHEADのカヴァー)
10.Eat Lead
11.Rapechase
12.At War

http://atwartheband.com/

カナダのSACRIFICE。
こちらのSACRIFICEを知ったのは、もちろん、日本のSACRIFICEを知った後だったと思う(スラッシュ・メタルはCASBAHから聴き始めているので、日本のバンドの方が間違いなく先に知っているわけである。)し、あのセカンドの「FORWARD TO TERMINATION」の印象深いジャケットを見たのはずいぶん後だった気がする。まぁ、SACRIFICEというバンド名は世界各地にいるし、曲もメタル関係にはいたるところに存在するけれども。(ちなみに2009年の5th「THE ONES I CONDEMN」の日本盤は日本のSACRIFICEを率いる杉内哲社長(SOLITUDE)のSpiritual Beastからリリースされている。)
ギター兼ヴォーカルのロブ・ウルビナーティのガナリ型のヴォーカルがまず、俺のスラッシャーとしての心を焚きつける。刻みながら突進するナンバーが多いが、実はリズム・チェンジで見せる表情が豊かなバンドでもある。ギターがかなり大きいバランスでドラムのスネアが前半良く聞こえなかったが、後半ではだいぶ聞こえてきた。3曲目のツーバス連打のフィルでスタートした"In Defiance"からダイヴする人が物凄く増えていく。強烈に速く、さらに途中でリズム・チェンジする4曲目の"Hiroshima"という曲は日本人にとっては特別である。
「Thank you, Osaka!ドモアリガトー!!」と言って、次は、セカンド「FORWARD TO TERMINATION」のタイトル・トラックから"Terror Strikes"!このオープニングの連続演奏で場内は完全にヒートアップした!さらにMCの後、ファースト「TORMENT IN FIRE」の強烈な16刻みのインスト、"The Exorcism"から"Homicidal Breath"。次も同アルバムから"Turn In Your Grave"。三連のリズムと高速2ビート交互の展開が激しいナンバーである。さらに続く"The Entity"も少々スローな8ビートと2ビート、さらに三連のリズムという構築である。これらの曲を聴くと、いかにリフとリズムでの工夫が楽曲の表情を独特なものにしているかが分かる。特にこの"The Entity"はドラマティックな雰囲気もある。初期のデモではMETALLICAの"The Four Horsemen"や"Creeping Death"、SLAYERの"Crionics"などをカヴァーしているので、そういった側面を感じるところもある。
ベースのスコット氏が写真撮影などして、タム中心のドラム・パターンにリフがのるイントロから"The Great Wall"。アームダウンでエンディング。次はファーストに戻り、ベースのイントロから"Burned At The Stake"。この曲もスラッシュ・メタル特有の曲構成という感じがする。ドラム・リフから"Afterlife"。またこちらもツーバスの連打が強烈である。
ROCK STAKKの松尾さんへの「ミッキー」コールを促し、ラストはリクエストが多かったらしい"Re-Animation"。ここでダイヴァーが物凄い数になったが、かく言う自分もかなり久々に飛んでしまった。(笑)
かなりの曲をやったが、こちらもリフの刻み、リズム展開で非常に見事なスタイルのバンドであった。

SACRIFICE@大阪江坂MUSE 2/11
SET LIST:
1. We Will Prevail
2. The Ones I Condemn
3. In Defiance
4. Hiroshima
5. Forever Enslaved
6. Forward To Termination
7. Terror Strikes
8. The Exorcism
9. Homicidal Breath
10.Turn In Your Grave
11.The Entity
12.The Great Wall
13.Burned At The Stake
14.Afterlife
15.Re-Animation

http://www.facebook.com/sacrificecanada/

FASTKILLのところで触れたアメリカのBLOOD FEAST。
こちらは喚く感じのヴォーカル(ルックスはなんとなく元PANTERAのヴィニー・ポールみたいな感じだった。ちなみに3代目ヴォーカルのようだけど。)だが、実際音楽的には自分の好きなスラッシュ・メタルのタイプに一番近いスタイルだったかもしれない。こちらも速さとテンポチェンジが見事であった。2人のギター、それにベースはワイヤレス・システムのトランスミッター(おそらく、 コレ )を使っていた。特に音には何も問題なかったし、やはり最新の技術だなぁ。それが故に一応、エフェクターの置いてある所が定位置ではあると思うが、フロント陣は完全に自由自在にステージ上を動きまくっていた。
2曲目が終わると、出演バンドのメンバーをほとんど呼んでステージに上げた。あれ、記念撮影だった?ほんのちょっとで終わってしまったが。次に呼ばれたのは、「ミッキー」こと松尾さん。出て来てちょっと挨拶。そして、昨年発表のニュー・アルバム(サード)、「THE FUTURE STATE OF WICKED」から"Last Rites"を演奏。さらに今度はこちらの"Kill For Pleasure"!!こちらももちろん、名曲である。次の"By The Slice"では、バックステージ・パスを持った人と共に歌い、その人はダイヴしてしまったが、多分、あれはEXCUSEのベースの人だったような。(彼は俺が見た2日間でも、物凄い数ダイヴを敢行していた。笑)
速い"Brethren"が終わってドラマーを紹介。"Are you ready?"と言って、次も新作から"The Underling"。トライバルなドラムに単音リフが絡み、速くなり、さらに今日全バンドが演奏した中でも最もスローだと思われるパートへと移行するという目まぐるしい展開が凄まじい。さらにセカンド「CHOPPING BLOCK BLUES」から展開の複雑な"Dropping Like Flies"へ。(ちなみにこのセカンドのラインナップで今残っているメンバーはいないが、人気曲なのかな?)"Vampire"の前ではオリジナル・メンバーでフライングVを持つアダム・トランクイリがアーミングのイントロを披露。ソロのパートではヴォーカルのクリスがスマホでフロアを撮っていた。(笑)
オーディエスにタイトル・コールさせて、"R.I.P."。ソロの途中で今度はクリスはフロアへダイヴしてフロア中央で歌う。さらに、2曲を炸裂させて、血の饗宴たるライヴは終了した!

BLOOD FEAST@大阪江坂MUSE 2/11
SET LIST:
1. Face Fate
2. Chopping Block Blues
3. Last Rites
4. Kill For Pleasure
5. By The Slice
6. Brethren
7. The Underling
8. Dropping Like Flies
9. Vampire
10.R.I.P.
11.Off With Their Heads
12.Menacing Thunder

http://www.bloodfeastlegions.com/

…で、ラストのHIRAXは…もう限界なので見ませんでした。

(次のDay3のレポへと続く。)