「安倍首相の改憲の本質は日本を戦争ができる国にしたいということ」ノーベル賞学者 益川敏英さん
安倍首相の改憲の本質は日本を戦争ができる国にしたいということ!
ノーベル賞学者の益川敏英さんがこう安倍首相改憲の狙いについて語っています。終戦の時5歳だった体験なども述べていますが、戦争体験者そして科学者が戦争起こさないように政治に敏感であるべきという姿勢は強く共感するものです。
赤旗 6/27
安倍首相のいう改憲の本質は、日本を戦争ができる国にしたいということですよ。9条1項2項はいじらないというのは、多少は世論を恐れたということかな。必ずやってくれるだろうと思っていたことだけど、こういう手を使うとは。9条と真っ向から反対する3項を追加するなんてんね。
安倍首相はいまがその時だと思ったんだろうけど、そうしないと自分たちが危ないぞという認識もあるのでしょう。安保法制によって自衛隊を海外に出せるようにしたけれども、9条があるから戦争はできない。アメリカと一緒に先手を打ちたくてもできない、戦争を始められない。
ぼくは、終戦の時5歳でした。名古屋市のわが家にも焼夷弾が落ち、屋根瓦を突き破った爆弾が、ぼくの目の前にころころと転がってきた。幸い不発弾で、ぼくも家族も無事でしたが、それがどんなに恐ろしいことだったのか、中学生ぐらいになってからわかるようになりました。ぼくの戦争体験は、親たちや戦争に行った人たちの経験に比べればたいしたことではないのだけれど、戦争を自分の記憶として語れる最後の世代として語り続けなければと思っています。
ノーベル賞受賞の記念講演でこの体験に触れようとしたら、そんなことを話すべきではないという批判の声が聞こえてきました。かまわずに元の原稿のまま話しましたがね。
戦争は残酷です。殺されるのも嫌だけど、殺す側はもっと嫌だ。ふだんは虫も殺せないような男が、相手の表情がわかるところで引き金を引く。そういう極限に追い詰められる。戦争という非人間的な行いが一人ひとりの人間の人間性を失わせる。
科学の発展は、戦争の技術に利用されてきました。人類の発展のための研究が人を殺す道具に使われる。科学者は自分の研究がどのようなことに利用される可能性があるのか、一番早く気がつきうるのだから、それを世間一般に知らせ、戦争を起こさないようにするために行動しないとね。政治や経済の動きに敏感であるべきですよ。