いいものです | 元プロ野球選手がニュースから考えてみる

いいものです

選抜高校野球も始まりましたが、やはり高校野球は
いいものですね。


最近、そう思えるようになりました。


以前は関係者のエゴやマスコミの過剰な報道が嫌で敬遠したものです。



僕自身、高校時代は、甲子園に対して執着心というか
絶対に行くんだ!という気持ちはそんなに強いほうではなかった
ように記憶しています。

どちらかと言えば、その先の世界に目標を持っていたんだろうと思う。


最近、高校野球に対して、自分の勘違いを感じるのは、高校球児の中には、将来を
考えず、ただ甲子園に行きたい思いだけで3年間の貴重な時間を費やしている

生徒がたくさんいるのではないかということ。


大学やプロへの通過点ではなく、ただただ純粋に甲子園に行くことが最大の目標
である生徒がいるのではないかということです。


彼らにとっては、甲子園が野球においての集大成であり、そこが一つの

着地点なのです。


考えてみれば、自分の能力なんて高校になればある程度見えてきます。
チームメイトで凄い奴は、本当に凄いですから。

非常に残酷なんですけど。


しかし自分を殺して、皆と協力し合ってチームで甲子園に出場することは
非常に価値があることです。


他人が活躍して、喜ぶなんて・・・・。

おそらく一人になれば常に心の葛藤があると思いますよ。

でもベンチで大声で応援する。


自分の高校時代には、到底無理でしょうね。


そう言えば、最近は高校野球でも練習等、能率化している流れがあります。

それは故障防止など、非常にいい流れだと思います。


しかし、すべての学校がそうなる必要もないと思います。


能率ばかりを考えても人間力は磨けません。

しかも全ての選手が、野球界に進むわけではありませんしね。

まさに逆ですよね。


昔かたぎの指導者が無茶苦茶な練習をするかもしれませんが
無意味なことも若いうちしか出来ません。


上下関係で矛盾していることもたくさんあるでしょう。


しかし一般社会では、そんなことばかりです。
理想や正論だけでは生きていけません。



後で振り返ると、人生に役にたったのは、そちらのほうですからね。

旧友と会っても、会話で盛り上がるのは苦労したことばかりです。


共有した苦労があるからこそ、繋がりも深い。

「同じ釜の飯を食った仲」は。


これは厳しい環境を経験した人しか理解できません。

ユルイところでは無理でしょうね。


ここのバランスは非常に大切です。