東電の「他人事」として生きる病理 ;田中優の持続する志 | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

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田中優の“持続する志”

優さんメルマガ 第271号
2013.10.18発行

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※このメルマガは転送転載、大歓迎です。
http://www.mag2.com/m/0000251633.html


Contents
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1.田中優より『「他人事」として生きる病理 』

2.10月20日(日)島根・松江にて講演会

3.これからの講演会情報

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□◆ 田中 優 より ◇■□■□


『「他人事」として生きる病理 』


■他人事の東電

 いつ見ても不審に思うことがある。東電の発表者の態度がいつも他人事なのだ。
自らの発電所の事故で、自らの対応のまずさのせいでより深刻化させ、今や蜘蛛
の糸にぶらさがっているような状態なのに、まったく誠意を感じさせないのだ。


 記者会見する社員も気の毒だと思うものの、その態度はどこか別な会社の話を
しているようだ。しかもタマネギを剥くみたいにどこまで首脳にさかのぼっても
変わらない。「あなたが起こした事故だ」と何とか伝えたいのに、どこまでいっ
ても他人事のままだ。

 しかもメディアすらそれを責めるようではない。黄金の揺りかごに眠るわがま
まな王様のようだ。


■今現在の危機


 現場で作業する人たちからは「何も教えてもらえない、高汚染の場所すら聞
かされていない」と声がもれる。その人たちのおかげでなんとか保っていると
いうのに。東電の社員はいいから、現場で作業する人たちだけでも守れないも
のかと思う。


 メルトスルーがわかったとき、京大の小出さんのアイデアに沿って「地下ダ
ム」を建設することを検討した。流れ込んでくる地下水を防ぐための地中連続
壁を作るアイデアだ。ところが東電は「1000億円かかるので株価が下がって
株主総会を乗り越えられない」という理由でしなかった。


 これがすべての汚染水問題の始まりだった。毎日1000トンの地下水が流れ込
み、300トンは汚染されずにスルーし、残りの400トンは汚染水となり、300トン
は海へと流れ出てしまっている。しかも海へと流出する汚染水を防ぐために、
海側に地中壁を建設した。その結果、地下から湧き出す形であちこちから汚染
がにじみ出ようとしている。

 するとどうなるか。作業員すら誰も入れなくなる。誰も入れなければ、そのま
ま多量の使用済み核燃料が事故を起こすのを待つだけになる。その規模はチェル
ノブイリの比ではない。関東・川崎どころか北半球ですら危険になる。


 もうひとつ、即席で作ったタンクからは汚染水がダダ漏れし始めた。その濃度
は1リットルあたり4億1千万ベクレルのストロンチウムだ。それが300トン漏
れた。指摘されると「パトロールを強化する」としたが、行くのは作業員、場所
によっては3分で職業人の年間被曝許容量を上回る。最初からつけるべきだった
水位計はこれから、なんと11月にやっと設置されるそうだ。


 こんなに逼迫した事態なのに、東電は例によって他人事だ。政府もまた他人事
だ。オリンピック開催の方がよほど重要だと言わんがばかりの対応をしている。



■廃炉処理費は電気料金から


 ここまでの事態になっても東電は助けられる。こんな企業にした株主や債権者
は守るため、国はせっせと東電を倒産させまいとしている。そして廃炉にかかる
費用すら電気料金から集めてよいとする変更を、なんとただの会計規則改定だけ
で実現しようとしている。


 国民の中で電力会社に料金を払っていないのは、ぼくを含めてごく一部でしか
ない。つまりほぼ国民全員に負担させるのだから、国の法律に匹敵する変更だ。
ところがそれはただの会計規則の変更だけで行われようとしている。


 雑誌「世界」の記事はこう書いている。
「要するに売るモノがすべてなくなっても、自らの組織だけは何としても維持
しようという「究極の延命策」(電力業界関係者)だ。廃炉コストを最終的に
押し付けられる消費者こそ、いい面の皮。しぶとい電力業界における残された
最大の「抵抗勢力」は、いまや日本経済の「お荷物」でしかない」と。


 電力会社はなぜこれほど王様なのか。ぼくは新たに太陽光発電で作った電気で
ほぼ自給できる仕組みを、今の電気料金と変わらないレベルで実現した。


 それでも多くの人は変えないだろう。人々もまたぶつぶつ人に文句は言うもの
の、自ら動かない「他人事」社会の一員になってしまっているからだ。


■あなたの人生? それとも


 不思議になることがある。人々はその人自身の人生を生きているのかどうか。
 離人症という用語がある。その人自身のことに思えず、実感を持って生きられ
ない精神病理だ。自分を守ろうとして演技のように他人事として生きてきて、
それが習い性になってしまったのではないか。東電社員のように会社の代理で
生きるだけになってはいないか。


 ぼくはぼくの人生だから自分で決める。
 何を選択するのも自由だし、自分で選択したことだから責任は負う。
 そして考える。今一番大切なことは何なのかと。


 まず東電の汚染水の問題が、私たちの将来を守るためにとてつもなく重要だ。
だから多くの人に知らせたいと思う。まず東電を倒産させ、国が原発すべての
主体になるべきだ。もちろん原発はすべて廃炉にし、この深刻な負債を先に解
決しよう。

 流れ込む地下水の流れを変え、当初あった「地下ダム」を今からでも建設する。
そしてメルトスルーしてしまった核燃料の冷却は水ではなく鉛などの金属を入れ
伝導熱で冷却する形に変える。汚染水は東電の柏崎刈羽原発に処理施設があるの
で、そちらにタンカーで移送することを前提に厳重に保管する。
 汚染を犯罪として処罰することにし、無責任になってはならない体制を作る。


 原発廃炉の処理費を電気料金に転嫁してはならない。それが許されれば原発が
最もお買い得な発電方法になってしまうからだ。きちんと競争に基づく市場原理
の中で販売するために、その前に電力の完全自由化を先にしなければならない。

 その上で廃炉処理費の負債については、アメリカにならって「ストランデッド
コスト(どうにもならない費用)」として、最低限だけ電気料金に上乗せさせる
のがいいと思う。


 問題なのは東電も政府も官僚も(もしかすると国民も)、みんな他人事として
しか生きていないことではないのか。あなたの人生はあなたのものなのだ。
しかも一回限りの。自分らしく生きるとしたら、どんな形がいいのだろうか。


( 川崎市職員労働組合様へ寄稿したものを、好意を得て転載しています。)




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  ◆10月20日(日)島根・松江にて講演会 ◆
  
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「子どもたちの未来をつくるエネルギー」

日時  10月 20日(日) 14:00~

場所  くにびきメッセ・601会議室 (島根県松江市学園南1丁目2-1)

資料代  500円 申込不要・直接会場へお越しください

主催  島根原発・エネルギー問題県民連絡会  
    Tel:0852-67-5731  mail: midorieneren@mable.ne.jp

託児あり 詳細は0852-67-5731まで



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 ◇■ これからの講演会情報 ■◇
    
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HPでもご覧頂けます 田中優より『「他人事」として生きる病理 』

田中優講演会・ワークショップなどのご依頼はお気軽にご連絡ください。
ご連絡はこちらへ http://www.tanakayu.com/form/contact.html


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■ 10月20日(日)14:00~ 島根・松江市

「子どもたちの未来をつくるエネルギー」

場所   くにびきメッセ・601会議室 
資料代  500円 申込不要
主催  島根原発・エネルギー問題県民連絡会 
    TEL 0852-67-5731  midorieneren@mable.ne.jp
託児あり 詳細は0852-67-5731まで


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■ 10月27日(日)13:30~ 愛知・名古屋

「原発事故の今を知るために!!
福島は今・・汚染水流出、海洋汚染? 地下水は?
 それでも原発再稼動・・」

会場  名古屋市市民活動センター集会室 
参加費 500円
主催・申込 愛知県消団連(愛知県消費者大会実行委員会)
      TEL 052-703-1350  メール abc@mint.ocn.ne.jp
    

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■ 10月29日(火)10:40~ 東京・町田市

シリーズ「原発問題を考える」第2回公開講演会
「原子力と人類は共存できるのか」

会場  桜美林大学 明々館408教室 (JR横浜線 淵野辺駅より徒歩20分)
参加費 無料 申込不要
主催  桜美林大学環境研究所
    

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■ 11月~12月

11月 2日(土)京都
11月 8日(金)山口
11月 9日(土)横浜
11月17日(日)静岡・浜松
11月23日(土)千葉市
11月25日(月)横浜
11月27日(水)茨城・ひたちなか市
11月30日(土)京都

12月 1日(日)富山市
12月 7日(土)長野・上田市
12月 8日(日)宮城・仙台市
12月11日(水)福岡・北九州市
12月19日(木)静岡・御殿場市
12月21日~23日 くりこま間伐ツアー  


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MAIL  officeyu2011@ybb.ne.
◎田中優の“持続する志”