音楽界に作曲家として32年もお世話になっています。

そのお仕事の大半が、アニメ、ゲーム系。
そしてその中身は、初期の内に他人の曲を編曲した時期もありましたが
ほとんどは自作です。

そして、歌曲の作曲がメインのように認知されていますけど、
自作の大半は劇伴(インストロメンタル)の曲です。

それも、オーケストラサウンドが私の特長です。


つい最近まで、このようなインストの曲は”サントラ”と評して
必ず単体でCDになって発売されていました。

私に関して言えば、レコーディングした全ての曲(例外はある)が
CDに収録されて残るのが、それこそ”普通”だったのです。
(初期の頃で唯一発売がないのが『笑うせぇるすマン』)



しかし、状況は変わって来ました。

サントラのCDが売れなくなってきたのです。
(サントラだけの現象ではないけど)

でも、新しい作品にはBGMは絶対に必要なので、制作はするのですが
その制作予算は、今までは大体のサントラCDの売り上げを見込んで
組んでいました。

それが、CDが売れなくなったものだから、その制作費もどんどん少なくなって来ました。

それに伴い、オケを使ったような大規模で、予算がかかるのもより
打ち込みシンセだけで、作家が家庭内録音出来るような、
手軽で軽いBGMが全盛になって来ました。

その結果、サントラはますます魅力が無くなり(シンセ曲が全ての原因ではないにせよ)
また、売れなくなると言う”負のスパイラル”に陥ってしまいました。


ですので、この所の世間の流れとしては
サントラCDを単体では販売せず、DVDなどの特典として
”おまけ”で付けるように成って来ました。

”おまけ”ですよ。
何か悲しいね。


まぁ世の中、経済論理で動いているのだから、仕方ない事なんだろうけど、
あれだけたくさんおられたはずの
『サントラファンの方々』は、何処へ行っちゃったのでしょうね?



我々作家が、それほど魅力のあるインストの曲を、世間に送り出していない事も
猛反省しなくてはいけない事なんですけど、
この状況は打破するのには、かなり難しい事になっていると思います。