私達の動物実験や疫学調査を通して、病理学的にすべての疾患をセシウム137は、悪化させることが分かりました。

エネルギーシステムを悪化させることで、筋の収縮に影響を与えるということです。汚染地域に住んでいた人々の病理解剖をして、微量のアルコールなどを見つけると、「酒やタバコの摂取によって死んだ」と、当局は主張していますが、それは大きな誤りだと言うことができます。

確かに放射性物質によって健康が損なわれ、絶望と恐怖から、飲酒やタバコの摂取が多くなったことでしょう。しかしそれが突然死の死因ではありません。セシウム137などの放射性物質によって、突然死がもたらされたのであり、アルコールやタバコの摂取量が原因であることは考えられません。

セシウム137を注入したラットとゴメリで亡くなった人の肝臓の状態は、全く同じでした。それは、糸球体の壊死が見られ、私たちはこの現象を「溶けた氷柱」と名づけました。

このことを政府当局に伝えると、「全国民に死刑宣告をするようなもの」として止められました。

このように、すべてを隠蔽する当局と、どのように向き合うかが課題です。

逮捕され、すべてのプレパラートは失われました。ほんの少し残ったデータを基に現在活動している状況です。

さて、放射性核種を体内に取り込むと、再生システムプロセスより、破壊システムプロセスの力が大きいと言えます。これが恐ろしい実態です。

日本で発売されている本は、ロシア語から英語に訳されたときに多くの誤りがあり、日本語版も精度に欠いていることを付言します。

100Bq/㎏超の汚染地帯の子ども達に、かんきつ類などに対するアレルギー反応が大きいことが分かりました。結核も多く見られますが、治療は困難です。

1991年から、私達はセシウムを用いた大掛かりな実験をすることになりました。その中で、妊娠中のラットにラジウムとセシウムを注入した実験がありました。ラジウムは、胎児に何の影響も与えませんでしたが、セシウムは胎児に大きな影響を与えることを突き止めました。

母親の副腎に取り込まれた放射性セシウムの影響で、コルチゾールの数値は、その濃度と直接的な関係が表れます。臍帯を通して胎児に影響を与えることとなります。コルチゾール産生の変化は、母親が体内、特に胎盤に大量のセシウム137を蓄積した新生児に、とりわけ顕著に見られました。

このことは、当然、新生児の誕生後の適応不能が、目に付くこととなります。特に新生児の肺に対する影響は大きいため、出産後間も無く死亡するケースの原因となっています。

放射性核種が体内に取り込まれた場合、あらゆる臓器に影響を与えてしまうため、複数の専門医の連携による総合的な判断と治療を行わなければ、多くの命を無駄に失うこととなるでしょう。


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