控訴のススメ | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

指定弁護士の方々にはご苦労だが、この判決については控訴していただぎたい。

小沢氏の支持者の方々の中には、無罪だ、無罪判決だから小沢氏の清廉潔白が裁判で認められたのだと思われ、暫しの祝宴を楽しまれた方もおられるだろうが、一晩寝て、いや、待てよ、そんなに浮かれ騒ぐような事態ではないぞ、と思い始めておられる方もいるのではないか。

無罪という判決を獲得するだけの無罪請負人ならどんな内容の無罪判決でも大満足ということになるが、判決で認定された事実そのものに拘る人であれば、多分昨日の小沢裁判の判決には承服できないはずだ。
一審で有罪判決を受けて控訴中の石川被告が昨日の判決を公明正大な判決だなどと持ち上げていたようだが、判決を子細に検討すると石川被告にとっては決定的に不利となる事実認定を裁判所が行っていることが分かるはずだ。
糠喜びをしている。

小沢氏の支持者の方々や弁護団の主張は実質的には斥けられ、単に共謀共同正犯の成立を認めるだけの証拠がないという裁判所の独自の論理が貫かれているだけだということがそろそろ分かってくる頃だ。

無罪判決を言い渡された被告人が控訴することは出来ない。
公訴棄却を求めていた弁護団が無罪判決に控訴しても、控訴の利益がないとされて控訴棄却になるのがオチである。

ここは、有罪判決を確信していたと思われる指定弁護士の出番である。

裁判所が引き続き同じ弁護士を控訴審の指定弁護士に選任するかは疑問であるが、この裁判について上級審の判断を仰ぐためには誰かが控訴しなければならない。
政治的に様々な思惑が錯綜し、ご自分の弁護士業務にも色々差し障りはあるだろうが、ここは司法のために、延いては国民のために控訴していただきたい。

この判決をこのまま確定させたのでは、いずれ小沢弁護団にも悔いが残る。
石川被告にも悔いが残るし、多分小沢氏もこの判決でいい、ということにはならないはずだ。
判決言い渡しの瞬間には分からなかったことが、そろそろ分かってきた頃だ。

小沢氏も指定弁護士も徹底的に争って、最高裁までこの裁判を持ち上げてほしい。
そのくらいこの裁判は重大な問題を扱っている。

この段階で民主党の党員資格停止処分の停止とか解除などが検討されているということだが、民主党が何をするのも勝手だが、少なくとも上手な人がやることではない。
小沢氏のためにも、小沢弁護団のためにも、さらには石川被告や大久保被告、池田被告のためにも控訴すべし、控訴してあげたらいい、というのが私の考えである。