大林宣彦監督作品「この空の花ー長岡花火物語」は作らされた映画。 | カリーナの林檎 チェルノブイリの森

大林宣彦監督作品「この空の花ー長岡花火物語」は作らされた映画。

この映画は大林監督の映画ではない。
作らされた映画だ。

映画には色々な背景があると思う。
エンターテイメント映画もスターありきの企画がほとんどだ。
日本のアイドル映画だってそうだ。
この俳優で、女優で、アイドルで、この原作小説で…と
あらゆる企画が飛び交っている。
プロデューサーや監督、脚本家には企画書が日々届けられる。

作らされた映画。
多分、3.11が無ければこの映画は存在しなかった。
あったとしてもこの内容とは大分違う映画だったと思う。

あの日が作った映画。
そういう映画はもういくつかあるが、この映画はそれとは違う。
3.11についての映画ではない。
理路整然と「戦争はどんな理由があろうがダメだ!」と語り続けるこの映画は
【戦前の予感】について、声を荒げて叫ぶのを必死堪えながらも、
映画が【この現実】に対して出来る全ての事を淡々と語り続ける。

こんな映画を好き好んで映画監督(作家)は作るだろうか?
もがいて、苦しんで、でも整然と、姿勢を正して語り続ける。
これは【イタコ】だ。
語らされている映画。
大林監督自身から出た言葉だけではない語りが山のようにある。
やはり、作らされた映画なのだ、と
思う。

戦いはどんな形でもダメだ。
戦争映画はダメだ。

だからこの映画は誰とも戦わず、ただ、ただ、語り続けるのだ。

大林監督にそうさせてしまった3.11。

この映画を観てから全てが始まる。

死んでも、観るべし!

映画「HOUSE」のおばちゃま(南田洋子=池上季実子)は、今でもきっと
戦争に行ったまま帰らぬ夫(三浦友和)を待ち続けている。

たったひとつの『約束』それは『愛』だから…

ゴダイゴの曲が流れる♪

あれれ…???

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