体内で起こる竜巻! | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし
2012-05-10 00:56:10

体内で起こる竜巻!

テーマ:【吉田たかよし】のTV・ラジオ出演日記
「Oh!Happy Morning」

今朝、番組で話した内容をご紹介します!

第15回:体内で起こる竜巻


・茨城県や栃木県で相次いで竜巻が発生し、死亡する人も出た。

改めて竜巻の恐ろしさを痛感した。


・実は、私自身も学生時代、竜巻の被害にあいかけたことがある。

夏休みにアメリカのデンバーの郊外でキャンプをしていたら、竜巻が発生して迫ってきた。

私はオロオロしていたら、みんなキャンプ場のトイレの建物に走って行く。

私もついていったら、トイレの隣に「トルネードシェルター」という専用の避難場所が設置されていた。
そこにギュウギュウヅメになって身を潜めて、竜巻が通り過ぎるのを待った。



・デンバーは特に竜巻が多いらしいので専用の「トルネードシェルター」が必要だということ。

日本の場合は専用とは言わないまでも、たとえば、公園のトイレを頑丈に設計して、「トルネードシェルター」の代わりもさせるというくらいの対策は取るべきだと思う。



・今日、私が竜巻を取り上げたのは、備えを呼び掛けたいということもあったが、
実は人体の中でも、竜巻と同じように現象が起きることがあり、これも怖い。

人体の竜巻、どこで起こると思いますか?

竜巻は流れがある場所で起こるものですが、人体の中で流れるものといえば血液ですね。

心臓や太い動脈の中で、血液が竜巻のように渦を巻くことがある。

そうすると、場合によっては命を落とすことにもなる。



・たとえば、心臓の弁が壊れる弁膜症という病気がある。

弁が開きにくくなって、狭くなったところを血液が無理やり通ろうとすると、血液が竜巻のように渦を巻く。

そうすると、赤血球や血小板などにダメージが加わって、血の塊、血栓ができてしまう。

これが脳の血管に詰まると、脳梗塞を引き起こす。



・空気も血液も、ゆっくり移動するときは、スムーズな流れになる。

ところが、大きなエネルギーが加わって早く移動しようとすると、渦を巻いてしまう。

これが大気で起これば竜巻になり、血液で起これば血栓ができてしまう。



・竜巻も血栓も、身を守るためには早く気付くことが必要。

そのために、音に注意すること。

大気も血液も、渦を巻けば音が出る。

実際、今回の竜巻も轟音で気づいた人が多い。



・心臓の場合は、聴診器でわかる。

血液が渦を巻いていると、雑音が聞こえる。

健康診断は定期的に受けてほしい。