横浜市健康福祉局健康安全部のコンプライアンスと人事組織課 | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

横浜市健康福祉局健康安全部のコンプライアンスと人事組織課

横浜市健康福祉局健康安全部のコンプライアンスと人事組織課



そろそろ横浜市役所の人事評価の時期となった。人事は組織の要である。横浜市は民間企業ではない。従って、利潤追求の組織ではなく、あくまでも税金で生活を営んでいる職員からなる組織である。もちろん私もだ。


とりわけ、横浜市の局区長、部長である経営責任職は市民から信頼に値するだけの人間的品格を備えていることが、たてまえ上は要求されている。つまり、局区長、部長である経営責任職のコンプライアンス感覚は、職員達のお手本となるようでなければならないはずである。


さらに、人事考課が行われるようになった現在、局区長・部長である経営責任職は職員の仕事ぶりの評価を行い昇級に影響を与えるのみならず、職員ごとの昇給にも大きな影響を与える権限を有している存在だ。ひとつ、間違えれば上司の権限の強大化につながる組織体制を横浜市はとってきた。


横浜市役所にはコンプライアンス推進室という部署がある。そもそも、横浜市においてコンプライアンス推進室なるものができたのは、人事権をもった横浜市副市長・局区長・部長らが「法令遵守違反!」を起こしたことから始まっている。このことを横浜市民はいつも認識すべきであろう。


確かに、横浜市にも不正防止内部通報制度は存在している。しかし、通報者の人権が担保されるという保障がない組織であるならば、そんな制度は一切機能しない。私を含めて多くの議員に、内部通報がはいるのは横浜市役所の不正防止内部通報制度が機能していない現れではないかと心配している。


不正防止内部通報制度が機能する上で最も重要なことは、内部通報者の人権が守られることである。通報して人事的に不利にならないことが担保されなければ、通報など恐ろしくてするわけがない。


つまり、横浜市役所の場合、「総務局人事組織課などが通報者の人権を担保するという仕事をきちんとしていないから、不正防止内部通報制度が機能していないのでは」との声を耳にする。


当然のことながら、人事組織課も、利潤追求を目的とした組織ではなく横浜市民の税金で生活を営んでいる職員からなる組織であることを忘れてはならないはずである。


11月10日、熊本で行われた、 “HPVワクチンの本音を聞いてみよう” というワクチンの製薬会社が共催する市民公開講座に、「行政の立場から」という題目で、岩田眞美健康安全課長が、「横浜市健康福祉局健康安全部」との表記で講演していたことはブログでも紹介した。

http://www.jagcs.org/pdf/citizen/lecture/jsgcs20131110.pdf


先日、上司である畑澤健一健康安全部長に直接確認したところ、健康安全部長が許可を出し、業務としてではなく、個人の立場での出席だと説明してくれた。また、部長は、自費で行ったと思うとも説明し、いわゆる「兼職の範囲である」とも教えてくれた。


しかし、第22回日本婦人科がん検診学会事務局「市民公開講座」係の問合せ先に電話で確認したところ「共催の製薬会社が宿泊代、交通費などお支払いしたはず」との説明をいただいた。畑澤部長に確認をお願いしてあるので、後日確認が取れると思う。


また、岩田課長がどのような講演をされたのか知りたくて、演者の講演内容をまとめた冊子の該当部分を見た。


それによると、国の「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」について横浜市で行った対策(事業)を紹介。横浜市の高いワクチン接種率(全体で76.5%、高3で81.3%)を示し、横浜・神奈川子宮頸がんプロジェクトも紹介。子宮頸がんは、ワクチン接種と検診で予防できると言われており、行政として果たすべき役割と責任が大きいなどと主張。しかし、副作用の言及などは一言もない。


業務ではなく個人の立場での出席のはずだが、その講演内容は横浜市で行った事業やデーターが紹介され、行政内部でなければ知りえない状況なども書かれている。


厚労省が「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種について定期接種の積極的勧奨を行わない」との勧告が出ている中での講演だけに、本市のコンプライアンス上も心配だ。畑澤部長も岩田課長(担当部長)も、横浜市の経営責任職であり、多くの職員の人事評価を行う立場にある。


1212日、子宮頸がんワクチンの費用対効果を分析する論文を、グラクソスミスクライン社の元社員が身分を隠して論文を執筆していたことが読売新聞などで大きく報道された。降圧薬の論文データー改ざん問題同様に、製薬企業の姿勢が改めて問われる構図となった。

http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000017853.html

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131212-OYT1T00298.htm?from=ylist


また、鎌倉市の子宮頸がんワクチンの追跡調査の結果が公表され、各紙(朝日、神奈川、東京、毎日、読売新聞)に報道された。接種後、約45%の子どもたちに体調の変化を認めたという結果であった。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20131211-OYT1T00745.htm

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20131212/CK2013121202000115.html

http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/m20131212ddlk14040318000c.html


8名の重篤事例を認めながら、横浜市健康福祉局は調査をしていない。横浜市の公務員は、法律だけ守っていれば良いというわけではない。市民や社会に対し、信頼するに足る行動を取ることが、横浜市のめざすコンプライアンスのはず。


子宮頸がんワクチンをめぐるこのような社会的背景の中で、利害関係者である製薬会社に対し、中立であるべき横浜市経営責任職の岩田眞美健康安全課長らがとった行動は、社会的に問われるのでは?。