つくるシリーズ2 つくるコンピュータ
トランジスタ技術編集部編
1976年 CQ出版
標準ロジックTTLだけで、CPU(コンピュータ)を作る記事が2つ載っている。
1つ(富崎新:ATOM-8)は、データ線が1bitの引き回しで、ALUも1bit full adder。でも、IOと命令セットは8bit。「ネットワークのかたまり」という、悪口が書かれたことも。そもそもメモリも1011 (1bit×256w)なので、1bitの引き回しでいいじゃん、と、思います。
別なひとつ(八木広満:TC-1)も、1bitのALU。こちらは、マイクロプログラムを採用していて、ダイオードのマトリックスで、マイクロコードのROMを実現。
中学の終わりにこの本の出版を知り、高校1年の秋にやっと入手でき、それからよく読みました。
この本にも、「CPUの創り方(萌え本)」にも、異口同音に
命令デコーダの実際や、具体的なステージの組み方を書いた本が少ない
なので、自分で作っていて、正しいか否かの自信がないままに作って行った
と、書かれています。
確かにそうなのです。
ただし、
1980年代末期から、RISC CPUは、高級言語風に書かれた論理が公開されたり(例えば、SPARC)
FPGA用にCPUのソフトマクロのソースが公開されたり
したので、少しは改善されていますが。(それらに解説がついている訳ではない)
本当のパイプライン・ステージの組み立てについては、
Cray-1 X/MPの本
The Cray X-Mp/Model 24: A Case Study in Pipelined Architecture and Vector Processing
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0387970894/hatena-22/ref=nosim
が、とてもいい教科書です。
Springerのレクチャーノートのシリーズなので、インテリゲンチャ具合もかなりなものです。(笑)
パタヘネはいい教科書ですが、それだけでは、やはり最初は、モノは作れないんですよね。