頑固親父 | 元プロ野球選手がニュースから考えてみる

頑固親父

楽天星野監督が、1000勝を挙げました。

投手出身としては「初」だそうです。


意外ですね・・・・・まぁそれだけ投手という生き物は
難しいということなのかもしれません。


野手8人に対して、投手は1人。
マウンドでは孤独でもあり、人一倍気持ちが強くならなければ務まらないポジションでもありますから。


私は星野監督の下は1年だけ経験しました。
ほとんどファームだったので接点は皆無に等しいのですが、
チーム内において星野イズムはしっかり浸透していました。


確かに怖い雰囲気がありますが、監督に選手が怒られる事に
表では文句を言いつつも、実は喜んでいる姿が印象的でした。


「オッサン(星野さんのこと)に怒られたわ」と言いつつも
その裏返しは「俺は監督に目をつけてもらっているんだ」という証でも
あったんですね。

かまってもらっていることに嬉しさがあったんです。

(逆に相手にされないと、もう終わりです。。。そのほうが全然怖いんです)


そこには、昔のカミナリ親父の群像がありました。


ある若手投手は、腕時計を見せて
「これは監督から初勝利の記念に頂いたものです。裏に記念の文字が
入っているんですよ」と嬉しそうに話してくれたこともありました。


私は5球団を経験しましたが、初勝利で高級腕時計を贈る監督さんは

星野さんだけでした。


このように怖いけれど、愛情がある。
根底に愛情があるからこそ、沢山の選手とコーチが監督についていくんでしょう。


そう言えば、当時の裏方さんからもこんな話を聞きました。
監督は付き合いのある人間から頼まれれば、何かとお世話をするそうですが、
裏切られる事もあったそうです。


引退した選手への様々な援助をしたが、その後連絡が取れなくなった時には、
「あいつだって俺の前には出てこれないだろう。追っかけても仕方ない。」と話したそうです。


星野監督の人柄を表したエピソードです。


最近は、親子関係が友達のようになってしまい、スポーツでも
指導者が、過度に選手や保護者に気を遣う風潮になっています。


時代の流れや、マスコミの影響は仕方ないでしょう。

でも全てが欧米風になってもいけません。

未熟な人間を、一人前として扱う必要はないし、その人間の為にもなりません。



古来、日本には日本の素晴らしさがあります。



怖い星野監督には、いつもまでも永遠に怖い、緊張感の
漂う「頑固親父」の監督でいて欲しいものです。


スポーツの枠にとどまらずに、今の日本に必要な人材だと思います。